第54話 皇都に連絡が!

その日宮殿は慌ただしかった

「陛下、一大事にございます」

「なんだ、内務卿」

皇帝は書類を処理しながら話を聞いていた

「リッチー伯爵が賊に襲われ重症を負いました」

「何?リッチーが?アイツは今領地にいるはずだろ?出掛けていたのか?」

皇帝はリッチー伯爵とは学生時代の友人だった為驚きを隠せなかった

「領内の商会に訪れている時に襲われ取り押さえようとしたかなりの兵士が死亡し、伯爵自身も手足を無くす重症を負いました」

「なぜだ!アイツが領内もうまく治めていたはず」

「不確かではありますが噂が1つ」

「なんだ?」

「リッチー伯爵は娘が重い病におかされており、それを助ける為に高価な薬の材料を持つ冒険者を犯罪者にしたてあげ取り上げようとしていたと」

「まさか、そのような真似するとはおもえぬが」

「襲われた商会は、先日、古竜の牙と鱗をオークションにだしたとこでして、どうやらリッチー伯爵はその冒険者から古竜の角を金貨千枚で買い取ったあと、血を百枚で買い取ろうとして断られたから兵士で捕らえようとして返り討ちにあったと言われております」

「やけに詳しく噂されてるな」

「犯人が宣言したと住民が言ってるそうです、その後敵対するものを皆殺しにして街を出たとか、商会も倉庫の物を根こそぎ盗られたとかで破産したとか」

「どっかの将軍さんがやりそうに感じるのは私だけか?」

「自分も倉田様に似てると感じました、倉田様は他に同郷の仲間を探しているとか、関係者ではないかと思うのですが・・・」

「はぁ、仕方ない、噂も含めわかっている情報全てを倉田に連絡するように」

「かしこまりました」

内務卿はさがって倉田に連絡する手筈をととのえた


連絡を受け倉田は

「なに!本当か?確かにユウヤ、チカ、シン、キコという名前なのだな?」

あまりの剣幕に使者は怯えながら

「そう聞いています」

「よく伝えてくれた、これは褒美だ」

倉田は手元にあった金貨を適当に握り渡した

「銀次、すぐに動くぞ、おじょうがフランに現れた、シンとユウヤも一緒だ」

「おじょうが見つかったのですね、シン、ユウヤと一緒なら安心しました」

「銀次、何を言ってる、あの二人だから危険だ、おじょうの貞操が危ない」

「大丈夫ですよ、おじょうはユウヤの事を・・・」

倉田の威圧を受け銀次は黙った

「銀次、男を知るのはおじょうにはまだ早い、先に行かないようにしなければ」

倉田は騎士団を連れて遠征を行うのであった

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