第36話 決闘後

「お怪我がなくて何よりです」

タオルを手渡し笑顔でマリアが迎えてくれた

「おう、ありがとう」

タオルを受け取り顔をふきながら答えた

「兄貴、この方は?」

倉田に普通に接する女に、驚きを隠せなかった

「今、俺が世話になっている人だ、たしか第2皇女とか言ってたか?」

「はい、第2皇女です、ヤマダ様でしたか?倉田様のお知り合いの方のようですね、倉田様には命を救われわたくしのほうがお世話になっております、ヤマダ様も良しなにお願いいたします」

「自分に丁寧な挨拶は不要です、兄貴がお世話になっております、自分は山田銀次と申します、倉田の兄貴の弟分、これからも兄貴共々お世話になりやす」

銀次は気付いた、マリアが倉田に寄せる好意、倉田がマリアをある程度だが気にしている事を

「倉田様の、お身内の方でしたら、わたくしの事もお身内と思ってくださいね、屋敷の方に部屋を用意しますから倉田様と一緒にお越しください」

「はい、お世話になります」

「銀次、俺は今騎士団を訓練している、明日からはお前も訓練の指導を行え」

「なんですと、倉田の兄貴、組を起こしたのですか?」

「ん?言われてみればそんなものか?まあ、おやっさんには事後報告になるなぁ」

「おめでとうございます、不肖、銀次粉骨砕身尽くされていたします」

「おう、頼んだ!しかし、お前も来ていると言うことはあの日、あの場所にいた奴らも来ている可能性があるのか?」

「どういう事でしょう?」

倉田はスサノオの神殿であったことを銀次に伝えた

「俺はてっきり、来ているのはおやっさん、俺、シン、ユウヤの4人と考えていたが、どうやらあの日、会場にいた人が来ているのか・・・おい、銀次不味くないか?あの場に姐さんやおじょうもいたよな?」

「へい、居りました」

「姐さんやおじょうは戦えないだろ?この世界で戦えないと殺されかねない、すぐに捜索隊を編成せぬば!銀次、力を貸せ、騎士団の副長に任命するから情報収集、捜索隊の編成、訓練を任せる」

「仕事多くないっすか?」

「あん?文句あるのか?」

「いえ、ありません」

「他の若い衆も来てるだろうから、さっさと見つけて働かせろ!どうせ、三馬鹿(シン、ユウヤ、カズマ)は派手に暴れて居場所がわかるはずだ」

「あいつらかぁ~おとなしく言うこと聞きますかねぇ?」

「聞かせろ!まぁ、アイツラも仲間を助けるためなら働くだろ」

「了解しました、あっ、でもアイツラなら既におじょうぐらいは見つけてたりして」

「期待はしたいがここは俺達大人が仕事する時だ!」

銀次は自分に掛かる負担を考えて早く仲間を揃えねばと考えるのだった

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