第27話 町の外
「やるねえ、なかなかの攻撃力だ、これからは砲台の仕事ができるな」
シンは暢気に話していたが
倒れたユウヤにチカは駆け寄り
「ゆうちゃん!」
抱きしめ息を確認してるようだった
「おじょう、ゆうちゃんをキコに乗せて!さっさと脱出しよう。みんな、ゆうちゃんの死を無駄にするな!」
シンは声をかけるが
「シンさん!ゆうちゃんは生きてます!寝てるだけです!」
チカは怒りながら返答していたがみんな冗談なのはわかっているから、さらりと流し
「では、出発!」
南森の奥を目指し、出発した
ある程度、街から離れたところで、
「日もくれてる事だし、ここらで夜営をしよう、カズマ、テントはいくつある?」
「4人用が3つだ、シンどう分ける?」
「見張りも考えて、カズマ、リョウタ、ナオ、タクミで1つ、俺、エミ、イヨで1つ、おじょうとゆうちゃんで1つでどうだ?」
カズマはジト目をしながら
「つまり、俺達4人で見張りだな?」
「察しがよくて助かる、悪いけど頼むわ、ゆうちゃんは力切れだし、俺もいざという時の為に備えておきたい」
「まあ、シンが戦えるかは重要だからな、敵襲時は起こすが勘弁な!」
「もちろんだ、見張り頼むぞ」
「あの~ゆうちゃん、わたしゆうちゃんと2人きり?」
チカが聞いてくるが
「「頑張って」」
みんなの生暖かい目がチコに注がれた
「な、何もしないからね」
顔を真っ赤にしながら否定しているが
「さあ、飯食って寝るか」
みんな聞き流す事にした
無事追手も無く朝を迎えることが出来た
回復したユウヤがテントから出てきて
「おはよ~よく寝かして貰ったよ」
「で、成果は?」
「うん?なんの話だ?」
見張りをしていたカズマに聞かれた
「シラを切るな、おじょうと2人きりで一夜を共にしたんだろ?お楽しみ展開はあったかと聞いてる」
少し興奮気味に聞いてくるカズマに引きながら
「ナイナイ、俺は朝までグッスリだしテントの中にチカとキコが居たから2人きりでもないぞ?」
「しまった、キコの存在忘れてたー」
何やら落ち込んだカズマを捨て起きていたリョウタに意識を失ってからの事を聞いていた
みんなが起きてきて朝食を取ったあと話し合いを開始した
「さて、これからどうする?」
「今までよく寝た人が考えたら言いと思います!」
シンが本気か冗談かわからないテンションで言ってきた
「はあ、じゃあ候補出すからそれから考えよう
1、別の街に行き様子を見て、入れるようなら何食わぬ顔で生活を開始する、
ただこれは公爵に喧嘩を売った今の状況だと危険だと考える
2は、そこの山を越えればランギル帝国とか言う別の国があるからそこに向かう、
再度逃走する可能性はあるが現実的にはいいと思う、場合によってはさらに別の国になるかもだが
次に3として、俺達で住む場所を作る、このまま奥地の人の来ないとこに行き生活圏を作る、すぐに追撃はないだろうしアイテムも幾つかあるからそれなりには出来ると思う
ただ、いい場所を見付けれるかは賭けになるし、苦労も半端ないと思う
さあ、シン!どれを選ぶ」
「なんで、俺だ?おじょうはいいのか?」
「シン、お前は俺達若手のまとめ役だ、おやっさん達が居ない以上俺達の命はお前に預けている、そして、チカに決断を求めるのは酷だと思う、この決断はみんなの命がかかっている、そんな重みを、背負わしたくない!もし、チカに対して責任を取る必要があるなら俺が命にかえても取るから何も気にせずお前が決めてくれ」
シンは深く考え、一呼吸おいてからゆっくりみんなに伝えた
「わかった、なら3にする」
みんなの息をのむ音がしたかま
「決まりだ!荷物をまとめ奥を目指すぞ、みんなこの地図を見てくれ、これはこの辺の地形になるがこの山の奥の盆地に湖があり平地もなかなかの規模であるみたいだ、ここを拠点にしようと思うがどうだろう?」
「よし、ゆうちゃんに任せた、みんなここを目指すぞ」
シンを含めみんなは俺の意見をそのまま受け入れ山の奥に向かう事にした
向かっている最中イヨさんが
「ユウヤさん、さっきの地図はどうしたのですか?街で市販されていない類いのアイテムでは?」
「ああ、スサノオさんがくれた、俺の為にきっと用意してくれていたのだろう」
「さすが、スサノオ様です必要な物がわかっていたのですね」
何やら感動しているので放置して
「他にもたくさん用意してくれているから、今後も安心だよ~」
みんなに伝えたが事情を知る
チカは頭が痛そうにしていた
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