第24話 討ち入り シン

ユウヤに遅れてシンもギルドに到着した

入り口から入るなり

「ここか、誘拐犯の巣窟は!拐った我らの仲間を返して貰おうか!!」

ロビー全体に聞こえる声で怒鳴った

「ふざけるな!誰が誘拐犯だ!」

入り口付近にいたマッチョな戦士はシンに怒鳴り返した

「誘拐に関係ないなら今のうちに外に出ろ!10秒待ってやる!それ以降は命の保証はしない!全員敵として処理してやる」

「なに?!ここにいる全員をお前達が殺すと?笑えるな、ここにはランクの高いのも結構いるが意気がるならよそでやれ」

「10」

「9」

シンはカウントを続けるが誰も動かない

それより指差し笑っていた

・・・

「3」

「おいおい、アイツ本気か?今なら謝れば許してやるぞ」

「2」

「やめる気ないのか?気でも狂っているかのか?」

「1」

「おい、一応、剣を持って置けよ」

「0」

シンの目の前にいたマッチョは左右に分かれる事になった

「きゃー」

受付のほうから女性の悲鳴はあがるが惨劇は始まったばかりだ

「てめぇー何しやがる!」

酒場で呑んでた冒険者も剣をとりシンに斬り込もうとするがシンの間合いに誰も近づく事が出来ないでいた

そこに

「雑魚は退いてな」

1人の腕利きが出てきた

彼はA級の剣士で最初の一太刀でシンの腕前を認めていた

「俺はリクというがお前、名は?」

「あん?俺はシンだ!なかなかの腕みたいだが邪魔すると斬るぞ」

「俺を斬るか?若造が言ってくれるな!これでも剣に生きて30年お前のような無法者を斬る為にあったのかもな」

「何を言う、誘拐犯の仲間が!剣に生きて、少女の誘拐か?見下げ果てた奴だな」

「言わせて置けば誰が誘拐犯だ!!」

そう言うとリクは上段から剣を振り下ろした

しかし、振り下ろした剣は何処にもなく、ニ撃目に振り上げる剣も無かった

「なんだ?なにが起きている?」

混乱しているリクにシンは

「いつまで気付かない、初撃で両手を斬った、お前の両手はあちらになります」

シンが指差す方向を見るよそこには俺の手と剣が壁に刺さっていた

「俺の手がー」

「まあ、なかなかいい太刀筋だったよ、それに免じて大人しくしてたら命は助けてやる、近づいて来ないように!」

リクにそう言うと次の獲物に剣を振るっていた


ロビーに悲鳴が鳴り響き助けを呼ぶ声が聞こえるがシンの剣は止まる事無く振り続けられた


ギルドマスター マイクはロビーについたが其処は悪夢だった、ギルドに所属する冒険者がなす術もなく死んでいく

落ち着いた感じの木目のロビーが今や肉塊が散乱しいる惨たらしい状況だった

「な、なにが起きてる」

襲撃を受けているのは解っているが解りたくない、そんな状況だ

「マスター!何とかしてください」

受付の下に隠れていた受付のマイアが声をかけてきた

「騒ぐな!バレたらどうする!」

マイクも受付の下に隠れて、マイアに聞く

「奴等は何者だ!」

「チカさんの仲間らしいですが、取り返しにきたとか・・・マスター?まさか誘拐したのですか?」

「誘拐とは人聞きの悪い、私は招待しただけだ、少々強引にだが・・・」

マイアは顔を青ざめ

「そんな、マスターのせいじゃないですか!どうするんですか?」

「マイア、お前受付で面識あっただろ宥めて来い」

「無理です、それに私は誘拐犯にはなりません」

そこにフェンリルになってるキコを連れチカがロビーに来た

マイアはチカに駆け寄り

「チ、チカさん、たすけてください、私は関係ないんです、マスターが画策したんです!」

「受付さん?近寄らないでもらえますか?キコの気がたってるので殺されますよ」

「ひっ!お願いです、殺さないで」

マイアは腰を抜かし床に座り込んだ、そこには水溜まりができていた

「何もしなければ、生きていられるかも知れませんね」

「チカさんが口添えしてくれたら助かりますよね」

「私はしませんよ、ここのギルドのせいでゆうちゃんがケガをしました、絶対に許しません」

チカに殺意を向けられマイアは怯えていた


チカとマイアが話している隙にマイクは外に逃げ出していた

「冗談じゃない、私はこんなとこで死ぬ訳にはいかないんだ、貴族になるんだ」

マイクは自分の城たるギルドを捨てて、生き延びて貴族になることだけを考えていた、貴族になる前提条件も忘れて

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