第18話 フェンリル

スキルの確認をしたあと、タクミの落ち込みが酷かったのでカズマとナオが連れて宿に帰っていった

シンとイヨは別の所に宿をとってるらしく帰っていった、お楽しみの時間らしい


ユウヤとチカは今日も1部屋だった

「ゆうちゃん、今日も一緒に寝ようね」

「チカ、顔が真っ赤だよ、無理せず2部屋とろ?」

「やっ!ゆうちゃん、夜のお店に行かないように見張るの!」

「シンの言葉を真に受けるなよ~」

「だって~不安なんだもん」

「大丈夫だよ」

「うー溜まったら、私が相手するから他の人はやめてね」

「な、何をいうかな!子供がそんな事言っちゃダメ!」

「こどもじゃないもん」

チカは子供扱いしたことで膨れていた

「あーもう寝るよ」

「もう、ゆうちゃん、もっと女の子扱いきてくれないかな」

チカは布団に入ってきて上目遣いで見つめてきた

不覚にもドキッとした


それからしばらくは各自グループに別れて行動していた

その中、ユウヤとチカは冒険者として活動していた

「チカもだいぶ冒険者らしくなったね~」

「ラスが頑張ってくれてるからだよ」

スライムのラスもアイテムを使用してだいぶ強くしたがスライムを使役して戦っているチカは珍しいスライムテイマーとして少し有名になっていた

「ラス、この調子でチカを護ってくれよー」

「はい、マイマスター」

「ラス、マスターは私だよ」

「チカ、些細なことは気にしちゃダメ」

「あう、ラスがとられたー」

「チカーとってないよ」

たわいのない話をしながら森を散策して依頼をこなしていた


俺の探知に強力な存在に気付いた

「チカ!俺の後ろに早く」

すかさず剣を召還する

チカも慌てて俺の後に来ると森の奥から大きな犬が

俺はすぐに鑑定を発動


フェンリル

スキル

神撃(神にも届く攻撃を出す)

咆哮(相手を威圧する)

火炎(口から火を吐く)


なかなかの強者だなと汗が出てきた

チカも俺の雰囲気に緊張してるみたいだが

「あれ?」

チカ思わず声をあげた

「ゆうちゃん、ゆうちゃんキコちゃんだよ」

急に興奮しだしふいにフェンリルに近づく

「おい、危ない!」

慌てて追いかけるが、(フェンリルは早く俺より先にチカに届きそうだ

俺は剣を構え草薙の剣の力を使おうとするが

「待ってゆうちゃん、攻撃しちゃだめ」

と止められた

「なにを」

思わず止めてしまったがフェンリルはチカの体に・・・

甘えるようにすり寄っている

「???」

俺は混乱していると

「ゆうちゃん、昔死んだキコちゃんだよ」

「なに?キコってポメラニアンの?」

昔チカが飼っていた犬の名前だがサイズが大きく違うよね?

「ワン」

チカに甘えたあと俺にも寄ってきたがこの仕草は

「キコ!!」

大きく尻尾をふり俺は押し倒される

やべぇポメラニアンに力負けしてる

ちょっと悔しいが大きくなったポメラニアンの力に俺は完敗した

顔を嘗められビショビショになった俺は

「なるほど、ポメラニアンが進化するとフェンリルになるのだね」

「なに言ってるの?キコちゃんは転生してフェンリルに生まれ変わったんだって、でも、私達が見当たらないから捜していたらついに匂いを見つけたから急いで来たって言ってるよ」

「あれ?会話できるの?」

「テイマーの特権かな?」

ちょっと自慢気に小さい胸を張っている

「いいな、俺も話したい」

そういうと

「えっ!?ちょっとだめだって」

チカが慌てて止めてるが

フェンリルが美少女に?

「ユウ、久しぶりキコは強くなったよ。これからはチカとユウはわたしが守ってあげるから」

そこには銀色の髪が綺麗な10歳ぐらいの女の子が全裸で立っていた

「昔はキコは吠えるしかできなかったけど、こっちにきて強くなったよ」

群れの長としてふたりを守る

気合いに満ちた美少女を眺めていると

「ちょっと、ゆうちゃん見ちゃだめ」

とチカがキコを隠してきた

「チカ、遊ぶのか」

キコはチカの首筋をなめながらチカにおおい被さっている

「おおー、美少女二人の絡み眼福じゃ~」

眺めていると

「見ちゃだめ~キコ、ステイだよ、まて!」

キコは大人しく後に下がりお座りをする

息をあらげたチカに俺は

「チカ、キコと従魔契約をしとこか」

「え?」

「そうすれば言うことも聞くし、一緒に入られるだろう」

「そうだね、キコ、私と従魔契約してくれるかな」

「チカとユウならいいぞ、それよりいっぱい遊ぼ」

無邪気なキコに少々不安になるが契約も成功したみたいだし街に戻る事にした

「ねえ、キコが着れそうな服無いかな?」

そう言われてキコを見ると今も全裸で嬉しそうにしてる姿があった

「見ちゃだめ」

チカに視線を遮られながら神の袋を漁ると伸縮自在の服があった

しかも、イメージを付与すれば変更自由な優れもの

「チカこれを」

軽く説明して渡すと

チカはキコに着せていた

「おっ、可愛い感じになったね」

シンプルなワンピース姿だが清楚な感じにまとまっていた

「フェンリルに戻るとどうなるのだろう?」

俺が何気なく言うと

キコは

「こうなる」

変化をしたが服の部分は首輪になったみたいだった

しかし、このままだと俺が会話出来ないので人型になってから街に戻る事にした

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