第11話 視点別 タクミ

俺はタクミ

まだ見習いの駆け出しヤクザだ

いつかはおじょうと所帯をもって次期組長を夢見ていたが行きなり組の解散で夢の行き先がなくなった

そして、気がついたら森にいた

「なぜだ??」

解散の後飲み会してその後・・・

思い出せない

しかし、取りあえず森を出なければと思い歩きだすと目の前に大きなクマさんに出会った

「やばい、逃げなきゃ」

ゆっくり後ろに下がるとクマが襲いかかってきた

「いーやーだー死にたくない」

俺は全力で走りだした

クマも俺を追いかけてくる


追い付かれる

俺は覚悟を決めたがその時は来なかった

「おう、タクミか?クマとおいかけっことは洒落た趣味だな」

そこにはクマの首をへし折った化けも・・・

シンさんがそこにいた

「シンさん!」

「大丈夫か?お前弱いんだからクマと遊ぼうとするなよ」

「違います襲われたんです」

なぜかシンさんは笑いながら

「クマから襲ってくるわけないじゃん」

と言っていたがこの人ならと思うと納得できた


「シンさんここどこかわかりますか?」

「うん?異世界らしい」

「異世界?なぜそんなとこに?」

「さあ?俺より強い者に会いに行く為じゃね?」

「他の人も来てるのでしょか?」

「少なくともおやっさん、倉田さん、ユウヤはきてるな」

「なぜわかるのですか?」

「ここに来る前に神界とかで一緒にいたから間違いないだろ」

「じゃあ合流を急がないと」

「その辺は大丈夫、あの人達ならなんとかなるだろ、それよりお前みたいな組員を捜さないと犠牲者がでかねん」

少し真面目そうな顔をしていう姿はさすが兄貴といった感じだそこへ

「あの~終わりましたか?」

なぜか巫女服のお嬢さんがこの場に現れた

「おう、終わったぞ」

「シンさんこの人は?」

「神界に落ちてた女の子、美味しくいただきました」

「えっ!?あなたは何をしてるのですか?」

「うーん、ナニかな」

嬉しそうに答えるがこの部分はこの人の駄目な所だ

「シン、わたしどうしたら良いのかな神界に帰れないのよ、責任とってくれる?」

「あーとるとる、それより街はどっちかわかるか?」

「それなら、こっちの方角にあるよ」

「なら案内ヨロ!行くぞタクミ」

「はい」


案内通り街に着き

入り口でカズマさんとナオさんと合流


和真さんは三馬鹿もとい三鬼の1人と言われ逆らうとヤバイ人だと以前実感した(残りの三鬼はシンさんユウヤさんらしい)


ナオさんは俺の先輩で17歳腕っぷしも強く憧れの先輩であり俺の教育係の人だ


俺とナオさんはシンさんの命令により情報収集及び仲間の捜索に向かう事にシンさんは小鳥の宿に拠点の準備をするらしい


「タクミおまえは西の方角をこの時間だ飯の食べれる所を重点的に探そう」

「はい、わかりました」

そういうと俺は西に歩きだし飯屋や宿の食堂を覗き知ってる顔を捜した


食堂におじょうの姿が見えた

相変わらず綺麗な人だ、彼女は半端者の俺にも優しく声をかけてくれ、先輩の理不尽からもいろいろフォローをしてくれている、そんな彼女に惚れているが、その彼女にプロポーズをしてる奴がいた

「俺の為に味噌汁を作ってくれ」

日本人定番のプロポーズ!

俺はその声の方向に目をやるとユウヤさんがおじょうにプロポーズしていた!

『きっと、彼女の優しさにつけこみ、守ってやるといって自分のモノにする気だな!そうはさせるか!』

「まてーい、貴様この状況でプロポーズするとは」

思わず飛び込み言葉を遮ったが

相手はプロポーズと言うことに気付いてないようだった

そして、おじょうの貞操を守ろうと最大限の努力は行ったが・・・

俺は今全力で走っている

シンさんなら止めてくれるはず

おじょうを毒牙から守る為にも急がねば

俺は宿に駆け込むなりシンさんに報告を

「シンさん、おじょうが見つかりました」

「なに、よかった無事だったか」

「それがユウヤさんの毒牙にかかりそうなのです。急ぎ救援を!」

「ああ、ユウヤと一緒にいるのか。なら大丈夫だ」


「いえ、ユウヤさんはこれを機会にプロポーズを行い、部屋もダブルを1つしかとってないみたいです!」

「ゆうちゃんやる~ついに覚悟決めたかな♪」

一緒にいたカズマさんは気楽そうに言った

「何を暢気な事をおじょうが汚されるのですよ。おやっさんに何と報告するつもりですか」

「えっ?そのまま報告するよ、おやっさんはきっと喜ぶかな」

「そんなこと・・・」

カズマさんが

「諦めろ、おじょうは昔からユウヤしか見てない、お前の横恋慕は見てて楽しかったがこれ以上は野暮だ」

「俺はそんな・・・」

「気付いてなかったのか?しかし、ユウヤがプロポーズした以上もう終わりだな、おじょうにハイ以外の答えは無いだろうし」


「よし、今日は呑め俺の奢りだ」

シンさんの優しさを感じながらも

俺は初恋の終了に涙が止まらなかった・・・

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