聖女を害そうとしたという冤罪により、一族郎党もろともに処刑された悲劇の公爵令嬢は復讐を誓い、世界に原初の悪魔が誕生するのだった。
そんなオープニングでおどろおどろしい雰囲気から始まるこの物語ですが悪魔に転生してから、主人公のターンとなると雰囲気が一転します。
実は転生者で元は”俺”だった主人公は二回とも15歳でご臨終というハードモードな人生であったことが明かされるとともに冤罪を着せた人間どもに復讐しようと邁進し始めます。
悪魔がダンジョンマスターなったのだから、さぞかしえげつないことが展開されると思いきや、どことなくコミカルな感じでお話が進んでいきます。
飄々とした邪神さん、忠実なれど変態な巨乳メイドさんと仲間(?)も濃いキャラばかりで楽しいですよ!
久々に、心から面白いと思える作品に出会えました!主人公の復讐を軸に物語が進んでいくのですが、この作品には他の復讐ものの作品とは異なる面白さを秘めています。
その一つが、主人公の復讐に対する気持ちが揺らぐことないということです。色々な作品を読んできましたが、その多くの場合、途中で主人公の気持ちが揺らいで復讐相手に対して情を抱いたり、中途半端な形に終わってしまうということが多々あり、これは読者である私からすれば大変ストレスの溜まる終わり方でした。しかしながら、この作品の主人公は自身の復讐に対して容赦しないという点が大変好感を持てました。
また、この作品は常にほとんどが一人称で進んでいき、多くの作品で見られる状況描写などがダラダラと続くことがないという点も好感が持てます。
最後になりましたが、この作品の1番の魅力と言ってもいいのが、主人公の配下です。常に主人公のことを第一に考えており、その言動は某スライムの配下と似通ったところがあり読んでいて頼もしく感じました。
長々となりましたが、この作品には他作品にはない魅力がたくさんあります。
一度、読んで見てはいかがでしょうか?