#58 罠《トラップ》

フェ―ベが魔王……?

いや、そんな筈はない。どうやった経緯で魔王になるっていうんだよ? 

あれはファントムの戯言ざれごとだ。

でもどういった意図でそんな事を……?


だが、仮にフェ―ベが魔王だとすると、

魔王に名前が存在する理由に辻褄つじつまがあってくる。


まさか……な。


「……騎士達が待っている。城内部へ急ごう」

「「はいっ!」」


俺達は地下牢獄を出て、城内部に向かった。


今、見ているのは巨大な城だ。

《ディオ―ネ》の城とも引けを取らないレベルの立派な城だ。


「みんな、この先は何が待ち構えているか分からない。気をつけるんだ」


俺達は城の門をくぐった。


「ここが、城の中か……」


城の中は薄暗く、あかりも無い。

視界に映っているのは、大広間だった。

広間の奥には階段があり、階段を上ると通路が見えた。


騎士達の姿はない。

彼らは上の層に行けたのだろうか?


「あの広間の先にある階段を上ってその先の通路に進めばいいのかしら?」


リシテアは言った。


「ああ、その筈だ」

「了解」


慎重に広間の奥に進む。

俺達を囲むように影。


『ケケ、ケケケ……』


「悪魔だッ……!」


悪魔たちは五体……十体……十五体……とみるみる数が増えていく。

最終的に悪魔は二十体近い数になった。


俺達は武器を構え、戦闘態勢に入る。


「《ゲイルスピア》!」


リシテアは槍に風を纏わせそのまま悪魔たちに貫いていく。


「とっておきの技ですよっ! 《インパルス》!」


レアは広範囲魔法を発動させ、悪魔をほうむっっていく。


「これでどうかしら? 《フォトン》!」


コ―デリアも魔法を発動させ、悪魔達を消し炭にしていく。


「《クァンタムバスタ―》!」


俺も全体攻撃魔法を剣から放つ。


――ドカ―ン。


とてつもないエネルギ―の爆発が巻き起こる。

爆発が収まると、もう悪魔たちの姿は無かった。


やはり、俺達のレベルがカンストしていることもあって、

この悪魔たちでは相手にならないようだった。


まあ、全員強力なスキルを発動させたからだけど。


「さあ、先に進もう」


俺がそう言うと、


「りょ―かいですっ」


メンバ―中で一番背が低いロリ体型の少女がそう言い、


「向かいましょうきっと、上の層で騎士達が待っているわ」


リシテアは慎重に先に向かおうとする。


「ええ、そうですわね、急ぎましょう!」

「急ぐのです!」


コ―デリアとイオも緊張した面持ちをしていた。

そして俺達は広間にあった階段を登り通路に進んだ。


コツコツと、通路を歩いていく。

すると、階段が見えた。


「ここを上っていけば上の層にいけそうだな」

「ええ、そうね。行きましょう」


緑髪と瞳をした巨乳少女……彼女たちの中では一番背丈せたけが高い――リシテアはそう言った。


俺達は階段を上る。

螺旋状らせんじょうの階段の横幅は広く、上を見ると吹き抜けになっていた。

どうやら、五層くらいまではこの階段を上っていけば一気にたどり着けるらしい。


しばらく上ると、踊り場があり、そこの扉を開くと二層に通じるようになっているようだった。

だが、今の目的は七層だ。

俺はそのまま階段を上っていく。


しかし――そこにまた悪魔が現れる。

また、結構な数だ。

更に階段の上を見ると、そこにも悪魔が待ち構えているようだった。

なるほど。どうしても上の層には行かせないつもりか。


だが、こんな悪魔をにいつまでも相手していたらキリがない。


「みんな。今からダッシュで駆け上るぞ。

 正面にいる悪魔だけ斬り伏せていくんだ! 他のやつは無視しろ!」


「だ、ダッシュですの? 嫌ですわ〜!」


コ―デリアは駄々をこねる。


「そんな事言ってる場合か! 今から合図したら突っ走るぞ!」

「わ、わかりましたわよ……」


「いくぞッ! 三……」


俺達は武器を構え、


「ニ……」


臨戦態勢りんせんたいせいに入り突撃する体制を整えた。


「一ッ! 今だッ! 突っ走れぇぇえええええッ!!」


――ドダダダダッ!


「うぉおおおおおおおおおおッッ!」


俺達は階段を駆け抜けていく。


『ケケケ、ケケ、ケケケッ!』


悪魔たちは俺達目掛けて襲いかかってくる。

作戦通り、正面にいる敵だけを狙いながら、階段を駆け抜けていく。



俺達は階段を全力で走りながら上っていく。


「てりゃあああああああッ!」


リシテアは槍を駆使して悪魔たちをほうむっていく。


「とりゃあああああああッ!」


イオも猛攻撃を悪魔たちに浴びせた。

コ―デリアとレアは魔法を発動させ、悪魔たちをまとめてほろぼす。

そうしていきながら、俺達は突き進み……。


「はぁ……はあ……」


俺は息切れする。

周りを見ると、みんな息切れしていた。

いや、イオ以外はだった。


「ようやく……五層に着いたな……」


後ろをみると、もう悪魔たちは追ってきていないようだった。


「なかなか……大変だったわね……」

「私……もう……倒れそうですの……」

「わたしもっ……疲れたですぅ……」


「イオはまだまだ元気ですよ!」


一人だけ息切れすること無く平然としていた。


「少し、休憩しよう」


……俺達は少し休憩してから、先を急ぐことにした。


視界には、通路が見える。

その先には扉が見えており、俺達は奥に進み扉を開けた――。


「なっ……!?」


扉の開けた先には一層にあったような広間があった。

そして、その広間には大量のトラップが仕掛けられており、なによりも――。


死体。死体。死体。


どこを見渡しても虚しく倒れている死体だらけだった。


罠に引っかかった大量の騎士の死体が血まみれになって倒れていた……。

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