#3 はじめてのさんにんぱ―てぃ

CPU使用率が下がったあと俺達は《カロン》という森へ向かうことになった。

リシテア曰く森……《カロン》はこの村からだと遠いので、

街にある場所を借りて森まで向かうといいということだった。

馬車は、騎士団長のリシテアが手配してくれるとのことだ。


「そうか、じゃあとりあえず馬車を借りに街に戻るか」


レアはワクワクした表情で言う。


「馬車を借りて冒険ですね! 楽しみですっ」


冒険か。

ふふっ楽しそうだ。

俺のハ―レム計画は順調じゅんちょうに進行している。


――とても素晴らしいな。



◆◇◆◇



俺達はリシテアがいたディオ―ネに戻り、馬車を借りた。


「さあ、乗ろう」

「乗りましょう! なんだか、ワクワクするわね」


そして三人は馬車に乗った。


リシテアは馬を操れるらしいので、リシテアに任せた。


俺は馬を操っているリシテアに言う。


「北にある森まで行こう」

「わかったわ。でもあそこは遠いから途中で休憩きゅうけいしないといけないわねぇ!」

「ああ。そうだな!」


この世界では初めての大移動――それも馬車に乗るのは初めてなので、

俺はワクワクしていた。


「さ―て! 出発するわよ!」

「出発っ! ですっ!」


リシテアは馬のなわを引き、馬が動き出す。


――カタカタ


レアが言う。


「すごいですっわたし、馬に乗るのは初めてです! お兄ちゃん! お姉ちゃん!」


レアは俺とリシテアを交互に見ながらそう言った。


「そうだったの?この世界で馬に乗ったことがないなんて、珍しいわね」

「そもそもわたし、あの村から殆ど出ていなかったので、

 他の場所のことは知らないんです」


俺も、現実世界で馬車なんて乗ったことなかったな。

現実世界は、バイク、車に電車に飛行機――便利な乗り物があったものだ。

この世界には乗り物というと、馬くらいしかないのかなやっぱ。


レアは俺に向けて言った。


「ハヤトさんはどうですかっ?」

「ん? 俺も馬は乗ったことはないぞ?」

「そうなのですか? わたしとおんなじですっ」


レアはいつも笑顔だ。

そしてとても楽しそうだった。


「そうだな、おんなじだ」


リシテアは俺とレアを交互に見て言った。


「ふふふっ、楽しそうね。」


俺達三人はお互いの顔をみながら、笑いあった。


そして、俺は馬のカタカタという心地いい音を聞いているうちに、

眠り込んでしまった……。


「――くん!」

「――—ヤトさんっ」


耳元で声が聴こえる。

な、なんだ……?


「ん……んぁ……?」

「起きてください、ここで休憩しましょうっ!」


俺は、聞いたことがあるような気がする声で目が覚めた。


「ここは――どこだっけ? 夕焼け雲と、……」


「なに寝ぼけているんですかっ」


知っている女の子が俺の顔をのぞき込んでいる……


「誰だ? そうか、レア。だっけ?」


「そうですよっ!」


思い出した! 俺はゲ―ムの中にいるんだっけ? 確か、そうだった……はず?」


「げ―むぅ?」


レアは疑問ぎおんを浮かべていた。


外はもう夕方だった。

目の前には廃屋はいおくがある。


リシテアは廃屋を見ていった。


「この廃屋は、もう誰も住んでいないみたい。ここで休憩することにしましょう!」

「この廃屋、ボロボロですね。もう誰も住んでいないみたいですっ」

「入ってみよう」


俺達は廃屋に入った――


中は、そんなに広くはなかったが、

一応ベッドやキッチンはあるようだ。


ぐう、と俺のお腹が鳴る。


「腹が減ったな」


レアは恥ずかしそうにしていた。


「わたしも、お腹の虫が鳴っています」


リシテアも、お腹を押さえる


「私も、お腹が減ったわ」


俺は言った。


「じゃあご飯を作ろう……といっても食材がないな」


と、廃屋の外で何か物音がする。


「なんの音だ……?」


俺は廃屋の窓を見てみる。

そこには狼型のモンスタ―がいた。

あいつの名前は《マッドウルフ》。


「丁度いい、食材代わりにしようじゃないか……! みんないくぞッ!」

「「はいっ!」」


俺達はゆっくりドアを開け外に出た――

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます