#2 妹系少女レア現る!

「ここよ……」


リシテアは指差ゆびさす。


「みて! ほら、あそこ!」

「あ、あれか!」


確かにトカゲ型のモンスタ―が大勢いた。


「六体? いや、七……十体近くいるか」


あのトカゲ型のモンスタ―の名前は《バジリスク》


雑魚モンスタ―のステ―タスは殆どがAI人工知能が設定してくれているが、

弱点など、一部俺が考えたものもあった。


バジリスクのレベルは3、毒を吐き、相手を毒で弱らせたり、

石化効果のある爪で引っいてくる厄介なモンスタ―だ。


だが、対処法は設定した俺が一番知っている。


俺達の今のレベルは5だ。

今の俺とリシテア。

そこにいる騎士四人と協力すれば十分全滅させることができるだろう。


「すいません、ここのモンスタ―に困っていると訊きました」


俺は騎士の一人に話しかけた。


「君は……?」

「俺はハヤト、この団長が俺にそのトカゲを討伐してほしいと頼まれて来ました」

「本当か! 俺達だけでは手を焼いていたんだ、ぜひ協力してくれ!」


俺は続けて言う。


「ああ、みんな準備はいいか?」


「準備できてるわよ」


風属性の槍使い、リシテアはこたえた。


「俺達も大丈夫だ」


と、騎士達は言う。


「行くぞ!」


俺はみんなに突撃の合図をする。


「「お―!」」


俺達は突撃した。


「みんなよく聞け! あいつらの弱点は尻尾だ!」


更に俺はアイツの弱点を思い出し続けて言った。


「尻尾を切り落とせば奴らは一時的に行動不能になる、そのスキを狙うんだ!」


「「了解!」」


そして俺達はバジリスクを一体ずつ確実に仕留めていく。


しかし、俺と彼女は、バジリスク五体に取り囲まれる


「囲まれちゃったわ……」

「俺が正面のトカゲを切り落として突破口を開く! その内に逃げるんだ!」


「私も手伝うわ。私だって騎士団長よ、ちゃんと戦えるように訓練されてるの!」

「わかった、一緒に行くぞ」

「わかったわ!」


リシテアは槍使いだ。

槍を構えてダッシュし、バジリスクに向かう

バジリスクは、毒の霧を吐いてくる


「避けるんだっ!」

「わかってるわ……!」


彼女は毒の霧を華麗なステップで避け、トカゲの後ろに回り込み尻尾を切断した。


「今よ! ハヤトくん!」

「ああ、任せろ!」


俺はバジリスクに近づき、

覚えたばかりのスキル《三連撃》を放ち、バジリスクを倒す。

その後も慎重にバジリスク達を倒していった。


そして、村周辺のバジリスクは全滅した。


「やったぁ! ハヤトくんのお陰だわ! ありがとう!」


騎士もハヤトを称賛しょうさんする。


トカゲを倒したことを騎士に感謝される俺。


「これで《カリロエ》への被害もなく済む、本当に助かったよ。

 これはお礼だ、少ないが受け取ってくれ」

「ありがとうございます」


俺は報酬の金を受け取った。

その後、俺と彼女は村に向かうことにした。


……倒れたバジリスクは、さっきのゴブリン同様、

――。


◇◆◇◆



「ここがリシテアが言っていたカリロエか……」


いかにもごく普通の村って感じで、

砂だらけの地面に、強風が吹いたら簡単に飛ばされてしまいそうな木造の家。


ところどころに畑があり、ここで村人は野菜や果物を栽培している。

見ると、村人たちが俺達に向かってやってきた。


「あなた達があのトカゲの魔物を退治してくれたのか」


いかにも村長らしき老人が嬉しそうな顔をして言った。


「そうよぉ。彼が物凄く強いおかげて全滅させることができたの!」


リシテアは俺を見ながら言う。


「そうなのですか、とっても強いお方なのですね、感謝します」

「どうもです」

「ところで勇敢な勇者達どの」


ゆ、勇敢な勇者だって! そんなことを言われたら恥ずかしいな……


嬉しさ反面、恥ずかしさもありながら俺は言う。


「なんでございましょうか?」


村長に訊くと、魔物に怯えていた少女がずっとこの村の小屋で隠れて恐れていたらしい。


「――だが、魔物が全滅したという話を聞いた彼女は、

 君たちにお礼をしたいそうだ。《レア》」


《レア》と呼ばれたワンピ―スを着た少女が奥からやってきた。

そう、彼女こそが俺が設定した美少女そのニだ!


見た目は小柄で、髪と瞳の色は白い。

いつも明るく、意見があるときははっきりと喋る少女だ。

リシテアがお姉さん系キャラならば、この少女は妹系キャラである。


少女は俺を見て顔をぱぁっと明るくして言った。


「あのっ始めまして。わたしは《レア》といいますっ」

「俺は、ハヤトだ」

「この村を救っていただきありがとうございますっ」


レアと呼ばれた少女は嬉しそうに続けて言う。


「あなたは《カリロエ》のきゅうせいしゅさまですっ」


救世主なんて大げさなと、思いつつも――


でもいい響きだな。


「いやいや、そんな大したことはしていないぞっ。

 それに、魔物を倒したのは俺だけじゃない」


と、リシテアの方に振り向き。


「な?」

「ええそうなの。私と、騎士達のみんなとハヤトくんで戦ったから倒せたのよ!」


レアと呼ばれた少女は明るい顔をしながら言った。


「お姉ちゃんもいたのですね!」

「レアちゃん、元気にしてた?」

「魔物に襲われると思ったら怖かったですが、今はだいじょうぶですっ!」


レアは元気そうに自分の状況を説明した。


「レアちゃんはさっき言ってた友達よ。私はね、血は繋がっていないけど、

 レアちゃんのことを本物の妹みたいに思っているのよ!」


リシテアはレアの方向を向いて笑顔を見せそう言った。


「わたしもっ、リシテアさんのことをお姉ちゃんみたいに思っているんですっ!」


レアは俺の方をみてニコニコしていた。


「ハヤトさんと言うのですね。かっこいいですっ」


か、かっこいいとな……。


レアという少女は、俺の心を覗き込むようなで言った。


「疲れているところ申し訳ないのですがお願いがありますっ」


美少女キャラに少し慣れてきた俺は答えた。


「なんだ?」


レアの話を纏めると、この村の遙か北を進んだところに《カロン》という森があり、

その森に居る蜘蛛のモンスタ―を倒すことで手に入る蜘蛛の糸を十個集めてくれとのことだった。

その糸を使うと、布が作れるんだそうだ。


「この布はとても丈夫で、ベッドのシ―ツに使ったり、

服や靴の素材に使えるんですっ」


小さい少女は俺の方向をみて言った。


「蜘蛛の糸があれば皆さんも喜びます! どうか引き受けてくれないでしょうか?」

「ああ、行ってもいいよ、でも1つだけ条件がある」

「条件とはなんでしょうか?」


レアは俺の次の言葉を待っていた。


「君も一緒に森まで来てくれないか?」

「一緒に?」

「俺とリシテアのニ人だけだと不安だし、三人ならより安心だろ?」


別に、森に行くだけならニ人でも問題ないんだが、

俺がこう言わないと彼女は仲間にならないようになっているからな。


「勿論ですっ。むしろっ私からお願いしたいくらいですっ」

「よろしくですっお兄ちゃん!」


おにっ……だと!?

なんていい響きだ! やはりこうでなくては!

そうだ、こういうのを求めていたんだ俺はっ!


しかし、

ネットに転がっていたゲ―ム制作ツ―ル《ウニティ》

馬鹿にできん……

性格、キャラ設定しただけで、ここまでできるとはっ!


「こちらこそよろしくな、妹よ!」

「はい、お兄ちゃん!」


と言いながら彼女は俺に抱きついてくる。

また、抱きつかれたぞ。

どうなってるんだこの世界は。

思考が停止する。


――CPU使用率100%(俺の)

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