ドリーム・キャッチャー

作者 桜井美和

83

28人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

 和のファンタジーですが、現代ドラマとしても面白いです。悪夢や夢祓いを入り口に次第に明らかになる秘密。百貨店を舞台に繰り広げられる人間模様の奥底に仕舞われた真相とは。
 登場人物達の思いは一人称で描かれているので感情移入しやすく、多方面から物語を読む事が出来ます。
 手に汗握る展開に幾つものあっと驚く真相。とても読み応えのある物語です。

 

★★★ Excellent!!!

現代の日本を舞台とし、働く大人を主人公としながら、ここまでファンタジーと巧みに融合された作品は珍しいと思います。
主人公たちの働く職場も、百貨店という絶妙な設定です。
読み手が手触り感をもって思い浮かべられる場所でありながら、時代の変化にさらされず何かを隠し持っていそうな雰囲気もあるというか。
ファンタジーの世界に違和感なく入り込めるのは、作者の文章力もさることながら、夢を通して描き出される悩みや葛藤がリアルで、共感や既視感を誘うものだからかもしれません。
その点においても深い洞察がうかがえます。
凛や綾の不器用ながら真摯なキャラクターも相まって、最後まで引き込まれる作品でした。
ぜひ最後まで読んで、丁寧に張られた伏線の回収まで堪能いただきたいです。

★★★ Excellent!!!

恐ろしいことに、途中から文章を読んでいるという感覚ではなかったです。

まるで、登場人物に自分が入り込んでるのかと錯覚するような、身に迫るような心理描写。既出ですが、人間ドラマを観ているような感覚でした。


物語の展開と登場人物への理解が絶妙なバランスで進行して、後半は怒涛の展開が続きます‼︎


はっきり言って、めちゃめちゃ面白いです‼︎

★★★ Excellent!!!

アパレル業界で働く主人公の凛。
順風満帆だった彼女の生活はある事件を発端に一変してしまう。
それでも持ち前の明るさと前向きさで奮闘する凛は、悪夢祓いの異能を持つ綾と出会うのだが…


作品中で繰り広げられる人間模様は重めに描かれていますが、凛のポジティブな性格や綾の真面目さ、そして、この二人の関係性が徐々に深まることで物語に光が灯り、ハラハラさせられながらも読み手に救いの手を差し伸べてくれます。
この作品は「許す」というテーマ(作者様の近況ノートより)の通り、最後はそれぞれの登場人物に光があたり穏やかに作品の幕が閉じられて、爽涼たる読了感にて締め括られました。
また、デパートという身近な場所を舞台にすることでフィクションでありながらも「もしかすると」起こり得るかもしれないという想像を喚起させられる面白い作品です。(デパートの中には一般人からすると「謎の扉」とかありますよね!)
最初から最後までとても丁寧な文章で書かれていますので、非常に読みやすく、一気に通読することができます。
オススメの作品です!

★★★ Excellent!!!

 最初はホラーかと思って読み始めました。
 まぁ、ホラーっぽい題材でそこに少しのラブロマンスが入ってくるのかな、と。

 しかしあらすじを読んでびっくり!
 まさかそっちの方向に進むのか! すごくドロドロしちゃうじゃないか! とまだ序盤を読んだだけですがこれからの展開にドギマギしております。

★★★ Excellent!!!

 悪夢を人為的に発生させる事はできないかと、考えた事はあるだろうか。

 凛と綾、対照的な性格の2人の女性。彼女達のそれぞれの視点、それぞれの考え方で物語は目まぐるしく進む。
 「仕事」「人間関係」「家系」「過去」を背景に、悪夢と対面する2人は勇ましく、そして美しい。
 その様を的確な言葉で表現していく筆者の文章力には、感嘆の息を漏らしてしまう。

 また、この物語の注目すべき箇所は、悪夢の恐ろしさと共に、現実社会とそこでの人間関係の恐ろしさも描いているところだ。
 悪夢か現実か。読み進める読者はその区別すら見失い、目眩にも似た感覚を覚えるだろう。

 凛と綾だけでなく、彼女らを取り巻く人々の思惑も複雑に交差する。人の思いは複雑ゆえ、そこに憎悪や呪いが混ざれば取り返しのつかない事になるだろう。

 人為的な悪夢は憎しみから生まれる。憎しみは心から生まれる。「心」とは人間にかけられた最も厄介な呪いなのではないだろうか。そこまで思わせる程の魅力が、この「ドリーム・キャッチャー」にある。

★★★ Excellent!!!

悪夢に彩られたどこか不気味で、どこか魅惑的なストーリーが1話目、2話目と読者の興味を加速させていきます。途中、第三者である読者の視点から主人公達にヤキモキさせられますが、これはキメ細やかな心理描写の裏付け。風景も想像しやすく、全編通してドラマを見ているような感覚に陥りました。

ただ一つ残念なのは、私の語彙力!もっと魅力を伝えたい!!

読んだらハマること間違いなしです。

★★★ Excellent!!!

歴史上のとある伝承を背景に、異能一族の活躍が描かれる本作ですが、
登場人物たちの情念と妄執がすごぶる濃い。
特にダブル主人公の心情を繊細に追う描写には唸るしかありません。
心の闇が一番恐ろしいのだと読み手に伝える説得力があります。
現在は最終章の途中ですが、どこに話は向かうのか。

アクションよりも手に汗握る展開ですよ?

★★★ Excellent!!!

ファンタジー苦手な人にでも読める世界観に、丁寧な人物描写。そしてそれ以上に私の心を打つのは、本作が持つ、「いつの間にか心を侵している『恐怖』」である。

普通にただ何となく読んでも、そこまで怖くはない。しかし本作の「呪い」の背後にある「人の想い」というものに思考を及ばせたとき、私はどうしてもこの物語を身震いすることなく読むことは不可能な気がするのである。我々は「悪意」に鈍感であるからこそ、何気ない日常をのほほんと生きていられる。それがもし、「悪意」が「呪い」という形で見えるようになったら――我々は一体、どうなってしまうのだろう? 本作は私に、そういう容赦のない問いをぶつけてきた。これから読む貴方にはどう映るだろうか?