14 出現

 SIDE レナ


 レナは一人、廊下を歩いていた。


 今日はクラスの用事があったため、ミゼルと一緒に過ごせなかった。


「はあ、ミゼルくんに会いたいなー……」


 もちろん、明日になれば会えるのだが、それまで待ちきれない。

 もっと一緒にいたい。

 もっと会話を交わしたい。


 もっと触れたい――。


 少女の恋心は甘い渇望となって全身を疼かせている。


「はあ、ミゼルくぅぅん……」


 思わずつぶやいた後、周囲を見回した。


 何人かが奇異の目でこちらを見ている。


「あ、あははは……」


 さすがにレナも照れくさくなり、視線を逸らすようにして歩いていく。


 と――、


「ふうっ、ふうっ……」


 荒い息遣いが前方から聞こえてきた。


 なんだろう、とレナはそちらに視線を向ける。


「えっ……!?」


 生徒たちの中に異様なシルエットがたたずんでいた。


 全身に黒い鎧を着た人影だ。

 顔だけは露出していて、秀麗な美貌のあちこちに太い血管が浮かんでいる。


「アーベル……くん?」


 レナと同じく学園ランキングトップ5に入る実力者である。


 以前にミゼルとの模擬戦で疲労骨折を起こし、今も入院していると聞いていたが──。


「殺し……て……やる……」


 ぼそり、とつぶやく声が聞こえた。


 同時に、その動きが加速する。

 周囲の生徒たちから血しぶきが上がった。



***

※しばらく毎日更新してみます。

ランキングを駆け上がれるかどうか挑戦してみたくなったので……しばらくやってみて無理そうなら、まったりペースに戻りますw



〇読んでくださった方へのお願いm(_ _)m


よろしければ、☆☆☆をポチっと押して★★★にしていただけると、とても嬉しいです。

今後の執筆のモチベーションにもつながりますので、ぜひ応援よろしくお願いします~!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る