第6話 親父

 まぁ、取りあえずやって来ました、道場前。中からドン、ドン、と足を踏み込む音や、声が聞こえるので、中にいるのは間違いないだろう。中に入って、読んでみることにする。


「頼もー。親父ー、帰ってきたぞ。」


「あぁ、武か。おかえり、どうしたんだ?急に帰ってきて。」


「親父も知ってるだろ?世界中でモンスターが現れ始めたの。だから対抗するための武器として、真剣が欲しくて。それと、一応家族の生存確認が目的だな。」


「俺も、他の家族も武に心配されるほど弱くはないぞ。」


「それは知ってるさ。なんなら俺が1番弱いしな。それでも、万が一ってことがあるだろ。」


「まぁな、で今日は泊まっていくのか?」


「そうだな、もうすぐ日も暮れそうだし、一日だけ泊まるつもり。明日は、会社がどうなってるか確認かな。」


「まぁ、色んな所の建物壊されてるし、半壊とかかもしれんな。」


「ありえそうだから怖いんだよな。そういえば、この辺の建物は比較的壊れてないみたいだけど、何で?」


「さぁな。この辺のほうがモンスターとやらが少ないんじゃないか?」


〈そうですね、マスターの住んでいたところと比べると、この周辺のほうがモンスターは少ないです。最初のモンスターは各地にできた、ダンジョンが生み出したものですから。〉


 じゃあ、そのダンジョンをどうにかすれば、地上でのモンスター騒ぎは収まるのか?


〈多少はマシになると思いますが、モンスターといっても生き物です。生殖機能もありますし、今地上に出ている分すべてを討伐しない限り、完全になくなることはないでしょう。〉


 それはさすがに厳しいか。で、ダンジョンってのはどこにあるんだ?


〈今のところ、全世界で、3000を超えるダンジョンが生成されているようですね。この国の主要個所だと、東京の霞ヶ関や、大阪の道頓堀、京都の二条城、あとは札幌にもあるみたいですね。ほかにも地方都市や、各県庁所在地にあったりするみたいですね。〉


 まじかよ、日本やばいじゃん。人が集まりやすいところに多いわけだ。


〈今のところは、ですけどね。まだまだ増えると思いますが、これらすべてを管理下に置かない限り、地上のモンスターは増え続けます。早急な対応が必要でしょうね。〉


 じゃあ、日本には難しいだろう。臨時の国会ってわけにもいかんだろう。霞ヶ関にダンジョンあるらしいし。すぐに政府の機能は壊滅するんじゃなかろうか。


「どうした武。そんな難しそうな顔して。」


「いや、今に日本の政府の機能は壊滅しそうだな、と思ってね。」


「どうして急にそんな話になってるんだ…。俺には全く分からん。」


「そうそう、そんな話の前に親父に朗報だ。今この世界はRPGゲームの世界のような機能がある。スキルとかステ…「それは本当かっ⁉」おおぅ声がでかい。」


「あぁ、すまん。で、それは本当なのか?」


「あぁ、今俺が急に政府の話をしたのも、スキルと関係があったりする。」


「まじでか、よっしゃ!」


 何を隠そう、この親父、剣道の剣道七段の所持者でありながら、生粋のゲームや、ラノベオタク。道場での修練と、飯と風呂、後寝るとき以外は大体ラノベを読んでいるか、ゲームをしている。いや、飯と風呂、後寝るとき以外というのは語弊がある。風呂やら、飯やら、寝ることなんて忘れてゲームしてるし、ラノベを読んでる。つまるところ、ダメダメ親父なのだ。


「で、武はどんなスキルがあるんだ?」


「俺は、こんな感じのステータスだな。」


 名前:黒野武 種族:人

 Lv:19 次のレベルまでの必要験値:1

 SP:120

 HP950/950 MP95/95

 STR:133

 DEF:95

 INT:95

 RES:95

 DEX:76

 AGI:152

 LUC:50


【スキル】

 剣術(IV) 家事(V) 鑑定(I) 回復魔術(I) 速度上昇(I) 


【ユニークスキル】

 成長限界突破 必要経験値超減少 獲得経験値超上昇 スキル強奪 

 遞ョ譌城?イ蛹門宛髯占ァ」髯(ロック中)ナビゲーター


【称号】

 先駆者 挑戦者 先駆け


「おう、主人公みたいなスキル構成してんな。チートだよチート。」


 そういって、親父は、ずるいなぁー、いいなぁーなどと言っていた。




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