ようこそ!青春ラブコメ部(仮)へ!!

あめ³

第1話 ただ道に迷って部活動を決めるだけの話


 ここはどこだ。

「図書館行けば、野生のバニーガールに会えるかも」

「まだゴールデンウイークじゃなくて四月なんだよなぁ、青春ブタ野郎」

「家庭教師やろうかな」

「なぜ」

「可愛い五つ子とラブコメ出来るかもだから」

「残念ながらここは…」

 マジでここどこ。

 あと廊下うるさいなぁ。

 ネタわかる奴いるのかよ。

 三日前に入学したばかりの高校の廊下をキョロキョロする俺。

 一緒に帰るはずの幼馴染が少し(3分くらい)目を離した隙にクラスの自分の席で寝てて、いくら起こしても起きないから探検してたんだけど……。

 この学校無駄に広いなぁ。

 ん?………ま、まさか…この後可愛い生徒に出会ってラブコメが始まるのか?

 なーんつって。

 そんなことあるわけないんだよなぁ。

 なぜって?

 おいおい!この小説のジャンルちゃんと見たのか?

 これ、現代ドラマだぜ?

 ラブコメが起こるはずないんだよなー残念なが、

「あのーちょっといいかな?」

 ら?

 誰かが俺の肩あたりををつんつんしながら可愛らしい声で呼びかけてくる。

 お?まさか……。

 いやいやそんなわけwww

 俺の輝かしい高校生活が始まることを願って。

 振り返って声をかけてくれたメインヒロインの顔を見る。

「ッ!」

 やべえ可愛い。

 黒髪ロングで黒縁の眼鏡をかけた委員長キャラっぽい女の子が立っていた。

 ってかこの子胸大きいな。

 男子高校生は可愛くて胸が大きい女子だったら誰でも好きになるからな。

「ど、どどうかしました?」

 くっ!やばい…中学の時女子と話しなかったから緊張で声が震えてしまった!

 だ、大丈夫だ俺諦めるな!

 こういう時のために髪切ってマッシュショートにしたり眼鏡からコンタクトにしたんだろ!

「今、暇かな?……暇だったら…付き合ってほしいところがあるんだけど?」

 何その上目遣い。

 可愛すぎやしませんか?

 おい変な名前の作者。

 俺なんか可愛い女子に誘われたぞ?

 ジャンルラブコメに変えろよ。

 タイトルは『距離が近すぎですお姉さん!』で。

 あ、それ作者がもう小説家〇なろうで投稿してたわ。

「今ですか…まぁ暇ですけど」

 この時の俺の頭には女子に誘われた嬉しさで幼馴染と一緒に帰るという約束が抜けており、IQ3くらいにまで低下していた。

 IQ3って…かぐや様〇告らせたいの藤〇書記ですか?

「わぁ!やったー!」

 嬉しそうだ。

 ………あれ、ちょっと待って冷静になれ俺。

 この声どこかで絶対聞いたことあるぞ?

 それも最近。

 もう一度その子を見る。

 んん?

 この胸の大きさ…。

 ってかここ男子校なのになんで女子がいるんだ?

 近くに女子高あるけどこんなセーラー服じゃないし。

 じーっとその子のことを見る。

「じゃあ、早く行こ?」

「ちょ、ちょっと待って」

 リメンバーしたわ。

「どうかした?」

 かわいらしく首をかしげる。

「先生、なんでコスプレして生徒を誘惑してるんすか?」

 この女子、いや女性は俺のクラスの担任の先生だ。

 ってかほんとに何してるんだよ!!

「バレたか…」

「バレるでしょ!…ってかなんでこんなことやってたんすか?」

「生贄見つけるために廊下歩いてたらちょうどそこに川崎がいたから」

 川崎ってのは俺の名前だ。

 フルネームは川崎佑かわさきゆうだ。

「生贄って…」

「よし行くぞ」

 強引に俺の右腕を引っ張る先生。

 俺はズルズルと引きずられてしまう。

 抵抗はしてるんだけどさ…その…先生の胸が手に当たってて……。

 男子高校生相手にそれはまずいですよ!

「どこ行くんすか?」

「ひみつ」

「ええ(困惑)」

 三分くらい歩くと部屋の前に止まった。

 な、なに。

 なにされるの?

「入れ」

「はい」

 もうこのやり取りだけ見たら囚人が牢屋に入れられてるシーンだよね。

 しぶしぶ部室のドアを開き入る。

 部室はカーテンで閉め切られていた。

 部屋の電気はついておらず代わりに火の灯ったロウソクが4つあった。

 ちょっと焦げ臭いなぁ。 

「こんにちはー」

 一応言っておく。

 挨拶は大事だからね。

「来たか」

「え、ガチでやるん?」

「やるでしょ」

 声がするほうを向くと黒いマントを着て、白い仮面をつけた二人組がいた。

 一人は背が高く、もう一人は背が小さかった。

 背が高いほうは顔見なくてもわかる。

 イケメンだ。

 絶対そう。

「川崎前を向いて四歩歩け」

 威圧感やべえ。

「はい」

 歩くと固い床から薄い布に変わった。

 下を見ると変な魔法陣が描かれていた。

 え、マジで怖いんだけど。

 助けて凛!

 あ、凛って言うのは俺の幼馴染の名前な。

 横浜凛よこはまりんっていう超絶可愛い男子だ。

「真ん中で横になって目をつぶれ」

「嫌だと言っ」

「殺す」

「怖っ!」

 変な魔法陣の真ん中に大の字になって寝る。

「こ、これでいいですか?」

「お前らこれでいいか?」

「ええ問題ないです」

「あざーっす」

 俺、これが終わったら妹に告白するんだ。


 三十分後。

 死んでなかった。

「もういいぞ、そこの君」

 元気な声で俺に言う。

「失敗か…まぁいいかお疲れ様。」

「は、はぁ……」

 部室のドアを開けて外に出る。

 廊下の窓を見ると綺麗な夕焼けが見えた。

 早く教室戻らないと。

 そう思い俺は来た道を早歩きで戻った。

 

 さっきはマジで怖かった。

 ずっと変な呪文が聞こえてきて汗が止まらなかった。

 変な音も鳴るし!

 ってか何してたんだろ。


 先生に拉致られたところまで来たところでいったん止まる。

 ここからなんだよな。

 ってかこの時間だから凛は帰ってるだろ。

 どうせ適当に歩いてれば教室に着くだろうし。

「おい、おーい川崎!」

 歩こうと右足を前に出した時、先生がこっちに向かって歩いてきた。

「どうしました?」

 先生が追い付く。

「そういえばお前ってさまだ部活決まってないだろ?」

「決まってないですけど…それが?」

「突然なんだけどさ青春を謳歌する部に入ってくれないか?人数が足らなくて」

「は?」

 ほんとに突然だな。

 なにその変な名前の部活。

「えっと…」

「部活動内容はとにかく青春をする。どうだ?」

「どうだ?って言われても」

「あ、これ横浜の分な?」

 先生は俺に部活動所属届(二枚)を渡す。

「なんで凛も何ですか?」

 それをしぶしぶ受け取る。

「あいつも部活入ってないから」

「ってかなんで俺なんですか?ふつーに入りたくないんだけど」

「入ったら先生とイイコトできるぞ?」

「入りましょう」

 美人の先生とイイコトできるなら入るしかないよね!

「よし、じゃあ明日青春を謳歌する部の部室に放課後来てくれ!」

「了解でーす」

 明日が楽しみだなー!

 イイコトか。

 


 イイコトって何するんだろみたいなこと考えてたら自分のクラスについてました。


 教室に入ると凛がまだ寝ていた。

 よく教室で一時間も寝られるな。

「おーい、おーい!起きろ凛!」

「ん?……あと、あと一時間だけ」

「一時間って、そこはあと三分、とかだろ!!」

「おはよう佑くん」

「さっき、一時間って言ってなかった?」

「え?寝ていいの?」

 嬉しそうな顔するな幼馴染よ。

「外見てみろよ、もう五時だぞ!」

 凛が教室の時計を見る。

「あ、ほんとだ!早く帰ろ!」

 席を立ち荷物をまとめ始める凛。

「ちょっと待って凛!」

 言うことあったんだ。

 忘れてた。

「え、なに?愛の告白?愛に、畏愛に、遺愛に」

「大罪司教さんは帰ってください」

「で、なに?」

「俺なんか青春を謳歌する部って言うのに入ってさーで、もしよかったら凛にも入ってほしいなぁーなんて」

「強欲だなぁ…レグルs」

「魔女教大罪司教さんは帰ってください」

「部活かぁ…」

 凛はうーん、とう唸りながら考える。

「よし、親友の頼みだ!入ってやろう!」

「マジで?サンキュー!!愛してるぜ!親友!」


 凛が部活に入った。




「凛よ」

「何?」

「陽キャになりたい」

「わかる」

 

 




 

 



 

 

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