第81話
くっ―――う・うぅ……
ど……どう言うつもり―――
この私を……捉え……たとしても―――
それに私自身をお前自身の
なぜ……っ、一思いに止めを刺さぬ―――
なぜ……これ以上の辱めを……―――
ウフフフ……いいわぁ―――あなた……
とても、美味しいわ―――あなたのその
―――『悪感情』―――
なに……?!
悪……感情?!
そうよ……
あなたほど、『
あなたほど、『
な……何を言っているの―――?!
あなたは……“一人”の存在を―――
『怒り』、『憎悪』し、『
が、その半面『大切に想い』、『好き』、『愛し』、『敬う』……
この“両極端”―――この“両極端”があるからこそ―――
あなたの内が『
そうした味わいが濃厚となる……
ま―――まさか……お前、シェラの事を?!
私の
イヤ……やめて―――
その部分には
私が……大切としているモノを―――……!!
ああ~~~イイ―――!
イイわぁ!? その感情―――!!
あなたが現代に於ける【グリマー】の事を想うだけで―――
色々な、様々な、感情が入り込んでくる……
さあ―――もっと……もっと味わわせて……
#81;あなたのその、秘めたる“悪”なる感情を
はっきりとしたことを言えばクシナダは、ニュクスに捉われた後、必死に抗っていました……しかし哀しい事に、両者の差と言うものは埋められるものではなく―――
けれどしかし、必死になって抵抗してくるクシナダを、ニュクスはそのまま受け入れていました。
それは、
けれどここに、看過できない者がいた―――
「どういうつもりなの―――お前……」
「(……)あら、どうしたのですか、“”自称”ちゃん―――そんな怖い顔をして……」
「他の者の目は誤魔化せたとしても、この私の眼は誤魔化せるモノと思うな―――!」
「(……)“わたくし”―――以前言い置きましたよね……『邪魔をするな』、『介入をするな』、この“わたくし”の為す事を阻もうとすれば『容赦なく
「(ぐ……)何が目的なの―――」
「(……)その問いには、まだ答えられぬ―――大人しく、そのまま指を
アンジェリカは―――竜吉公主である者は、現在クシナダを支配しているのが“何者”であるか判っていた為、折を見て問い詰めようとしていました。
しかしそれを逆手に取り、現在クシナダを支配している“何者”か……【
そう……ニュクス自身が、これから為そうとしている事を―――『邪魔するな』と……
そして、更に危険を臭わせる言葉―――
この街に住む、住人全員分の生命を……人質にされた―――そんな強い言葉に及び腰になってしまった
『“わたくし”は、お前達の敵ではない』
『少なくとも“今は”』
やはり……何かの目的のために、この者は“
気に留めおくべきはこの者の『目的』―――
だが一体何なのだ……この者の『目的』とは―――!
* * * * * * * * * *
「〖貫け 我が炎の鏃よ〗―――〖スピット・ファイア〗!」
「≪紅蓮閃剣≫!」
「〖逆巻く風よ我らの盾となれ〗―――〖エアリアル・ウインド・ガード〗」
「≪阿頼耶識:雷霆:東方清りゅ……≪阿頼耶識:獄廊:涅槃≫」
今……なぜ“式句”のやり直しを―――?
しかも、やり直した“式句”は、以前クシナダさんが言い置かれていた……
『闇の部分を多く取り入れるから、多用―――
なのに―――なぜ……?
あぜあなたは、
そんなには高難度ではない
ただ、驚くべきはそこばかりではなく―――
う……うそ―――
こ……これは―――
{フ・フ・フ……中々のモノではないか―――こんなモノを普段使いとはせず仕舞いおくなど宝の持ち腐れと言うもの―――
だが、そうか―――そなたは“弱い”―――弱く、強き“力”に呑まれるのが怖い故、
う……う、うっ―――うるさいっ!!
けっ……けれど……
{フッ―――今のは“わたくし”が闇の力の制御をしてやったからな……当面の間“わたくし”がそなたの力添えをしてやっても構わんのだぞ?どうじゃ……悪い話しではあるまい―――}
クシナダが修めている術式形態『阿頼耶識』の
これは“善”かったのか、“悪”かったのか―――
“善”かった事で言えば、こんなにまで強力な術式が、何の影響下もなく、何の危険性もなく、普段使いとして行使できると言う事。
それによって自分達のPTの火力不足を補える……
その反面―――
“悪”かった事で言えば、所詮この事実は『他力本願』なのであり―――いつかその“ツケ”は、
しかも―――悪い事には……
「ねぇ―――ちょっとォ~~」
「な……なによ―――」
「なに、今の……ヒヒイロの前だから~~つて、“デキル女”アピールぶっこみやがるんじゃないっての。」
「な……なによ……変な言いがかりつけないで!?」
「『変な言いがかり』つけたくもなってくるモンだよ。 あんたの術ってショッボイもんばっかだから、だから止めは『ササラの魔法で~』って事になってたのにサア。」
「なっ―――何よ!私の術が“ショボイ”って!!」
「けどまあ、クシナダさんで仕留められるなら、私としてはいいのですけれどね?」(ムヒッ☆)
「そういや、ササラ言ってたもんなあ―――あの成人の姿が本来の……で、今こうして少女の姿をしている時に、魔力の補充と凝縮の作業をしている―――って。」
「それに皆さん、よく勘違いされるんですけど、私の魔法って威力も半端ないのも確かなのですが、消費する魔力も半端ない……つまり、言ってしまえば燃費がかなり悪いのですよね~~」(ムヒョゥゥ~)
“
もしかすると“
けれど、“
そこからは、ササラからも合いの手が入り、どうにか
つづく
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