第70話
また一つ“灯火”が……
無意識、無自覚、無自我の
しかしそれも、“鳥籠”から解き放たれたからこそ出来た事―――
“
ボクが示唆しなかったら
けれど君は、
さあ祝おう―――その“降誕”を……
この“闇”に閉ざされた世界―――『魔界』に“躍動する光”の降誕を。
その存在は、新たな“何か”が
そして、手にした楽器を奏で、歌い上げる……
ようやく、この
そしてその者だけに備わる、固有の権限―――〘
“それ”は―――
“それ”は―――
“闇”と“光”は対を為す―――そしてそれらは、“均衡”し合わなければならない……
いずれか一方が色濃く強まれば、そのまた一方は薄まり弱くなる……
“それ”は『影響』であり―――“それ”は『存在』自体そのものにも……
だからこそ、その慶事を
だからこそ、その“歌声”は一層に張り上がる……
やがて“それ”は感極まり、その者が施していた“擬態”が剥がれ落ちる……
その者の本性は『火』―――
その者の
その身に、“炎”の様な
〖神人〗の派閥を纏める天使族の“長”にして、【大天使長】と呼ばれたる『ミカエル』……
「さて―――ではそろそろボク達も、動くとするか、本格的に……」
#70;『
その一方―――〖神人〗の天使が動いたとなれば、当然“
{“公主”よ―――いづこにおはすか……}
{こちらに控えてございます、“長”よ……。}
{かの“光”が息吹きし始めたそうな、またそれに伴い“天使”も動きを活発させた―――とも。}
{そこはすでに、ご報告した通りの事でございます、“長”よ。}
これまでにも幾度となく彼らに絡み、その結びつきを……“絆”を深めさせてきた者―――〖聖霊〗の派閥を纏める神仙族のNo,2『竜吉公主』。
その竜吉公主が適度な緊張を
{それで『女媧』……いかがいたしましょう。}
{今の
{よく理解できております。}
{かの“光”―――幸いにして
{それも視認―――確認まで至りてございます。}
{よろしい―――なれど油断するでないぞ。
{畏まりましてございます。}
ここにきて、ようやく顔を覗かせ始めた“
〖神人〗―――天使族は【大天使長】『ミカエル』
『聖霊』―――神仙族は【始祖】『女媧』
しかも、この二つもの派閥は共に“ある存在”に狙いを定めていた……
それこそが“光”―――
【閉ざされた世界に躍動せし“光”】―――
いや―――しかし……そうは言っても、この
それもまた、不思議な話しなのですが―――……
* * * * * * * *
「おやこれは、一体どうした事なのでしょう?」
「ホ~ントは、死ぬほどヤなんだけど、あんたの言ってること聞いてあげる―――そう言ってんのよ。」
「そこは判りました。 ですが―――……」
「ホッホォ~ン、
「ヤレヤレ―――これは“お相子”と言う事ですか。 確かに、あなた様の言う通り他人に視られても
「(なんだか……ギスギスしているように見えるのは、ひょっとしてオレだけか?)」
「(いえ……“だけ”じゃないと思いますよ?)」
「(まあ~~このお二人、若い頃はよくつるんで
「(あ゛~~つまる処の、“腐れ縁”てやつね)」
「(~~と言うより、クシナダがちょっと―――)」
「(ま、あのお二人の事は、放っておきましょ☆)」(ムヒヒヒ)
「(放っとくのかあ?)」
「(いつもの事でしゅから)」(ムヒヒw)
互いが互いをよく知っているから、相手がどう出るか―――
もう少し言ってしまえば、相手が何をされたら一番イヤかを判っているためなされてしまう“手立て”……{*まあ、シェラザードからの“一言”は、少々
それを評してヒヒイロカネ達は、王国の城中での“権力闘争”“政争”未満の闘いが繰り広げられている事を知るのです。
が―――……
「(ねえ、シェラ……あなた今『ヨケーなコブ』の
「(あの~~クシナダさんや?私の背中に、あんたの乳当たってんですけど―――)」
「(当ててんのよ゛っ!それより言いなさいよ!あなた『ヨケーなコブ』の“ルビ”『主にクシナダとか(笑)』ってしましたよね??)」
「(記憶にござあません―――)」
「(そんな“国会答弁”聞いてないの゛っ―――!はっきり言いなさいよ!言いましたよねえ?!)」
至極至近距離での、“愛の囁き”―――いやモト~~イ!
不適切言動の追及を行っている“
その“結果”―――
「これは、王女シェラザード様。 此度の接見受けて下さり、まこと
「いえ……それよりこれからは我が王国への“協賛”の件、よろしく頼みますわよ。」
これは、シェラザード達がエヴァグリムへ帰(入)国をした“3日後”の、王女の公務の一場面……
実はこの時、王女との接見を望んでいた者が接見をしていたのは、王女シェラザード“ご本人”ではありませんでした。
そう……紛れもなく、この『王女』こそは―――
「(また、“身代わり”をする羽目になるなんて―――)」
そう、ご多聞にも漏れない様に、この時の王女様こそ以前“身代わり”役をこなしていたシルフィだったのです。
しかし―――おや?確かシェラザードと、そのお仲間御一行様は一緒にエヴァグリム入りしたはず―――なのに?
つづく
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