第36話
「『話し』は―――“彼女”から聞いているよ。」
「は・あ―――……(彼女?)」
「いや、それにしても大した胆力だねぇ、ひ弱なイメージしかない
「(……)あ―――そうだった……あなた宛て―――だと思うんですけど、ギルドマスター様から『
しかし―――オーガの“カシラ”と見られた女性は、提示された手紙に目を通さないばかりか……
「(え?)なんで―――目を通さない……」
「“そいつ”は―――『白紙』だからだよ。 なにも書かれていない手紙に目を通す―――だなんて、滑稽だろう?」
「(!)それじゃ―――私……」
「だけど、私が“信じる友”の真意は汲み取っている……。」
「(『信じる友』……)それじゃ―――やはり、あなたが……」
「私の名は『リリア』―――かつてノエルと同じPTにいたことのある“仲間”さ。」
「(?!)でもっ……ノエル様は【
「(フ……)
すると―――今まで断片的だったモノが一つになり始めてきた……
この人が―――【清廉の騎士】……って、ことは?
「あのっ―――それじゃ、私の所属しているクランにいる【赫キ衣の剣士】……」
「ああ、私の息子だね。 あの子は……ね、私が“こんな”にならなけりゃ
「私―――知ってます……あなたともう
「ほお~そこまで知ってるんなら話しは早い。」
「けど、あなた達がその後に受けた“仕打ち”は間違っていると思います!」
「そいつは、“
「え……ええ―――だって、そうじゃないですか!その生命を賭してこの
「あのね……エルフのお嬢ちゃん―――私はヴァーミリオンが施してくれたことに何ら異論を差し挟むつもりは毛頭ないんだよ、逆に元私達の種属だった
その時―――初めて“思い”“知る”事となる……
一人の英雄の、迫害の歴史を―――
“化け物”みたいな強さ――――――
その
だから【清廉の騎士】は逃げるようにしてスオウへと転がり込んだ……
その
* * * * * * * * * *
ならば?ギルドマスターであるノエルは、一体何の目的で自分を
「ん~~じゃ、そろそろ向かうとしますか。」
「はい?……どこへ―――」
「怖ぁ~い鬼さんが、いるト・コ・ロ♪」
その瞬間、凍り付くシェラザード……しかし、同時に思ったりもするのです。
あるぇ?てか……この人がオーガの“カシラ”じゃなかったっけえ~?
でも……この人をしても『怖ぁ~い』人―――って……誰なの?
“今”でさえも、他のオーガからのプレッシャーに
そして、連れてこられた―――『祠』と思われる場所に……
入口までは陽光が当たってはいるものの、ほんの数歩進んだだけで闇が浸食してくる場所―――『祠』……
そんな場所に“カシラ”の良く
しかし―――……
えっ……この人―――よく似ている……
この私の……
その人物は、上に『
その目鼻顔立ちから、雰囲気まで―――
「お待たせを致しました―――それで、こちらが―――?」
「ノエルから連絡があった子だよ。」
その人は、神妙にして清楚―――と言った表現が良く似合う
それはまた【清廉の騎士】と呼ばれ、自分も惚れかけている【赫キ衣の剣士】の母と呼ばれている
しかして―――
「私が、この郷に
「(!)では―――あなたが【神威】!?」
「へえ……私の事、打ち明けた時もあんまり驚かなかったけど……ひょっとしてお嬢ちゃんあの
「はい―――!あの『
「なら、話しは早い―――」
「(は?)『話し』―――って??」
すると―――“ぱさり”と自分の髪が、
いやしかし“それ”は余りに不自然……何事もなければ髪が
#36;(手荒い)歓迎
「精々泣かぬよう―――気を張りなさい。」
え? え?? え???
「ちょちょちょちょっ――――い……今、何をしたんです?」
「へえ~~この子、“視え”てるよ……あんたの『剣の間合い』が……」
「フ……そうでなくては―――」
「(ゴク~リ……)あ……あのぅ~~―――ひとつ聞いてよろしいでしゅ?」
「何でしょう―――」
「『クシナダ』って人―――……」
「それは、私の娘になります。」
やぁっぱしい~? え?てことはナニか?? 娘いぢめてるから、これを機会に“お仕置き”しよう……ってえ?
いや……けどなあ―――いぢめてる感覚、ないのになあ~~?
だったらなんで―――こんなことになっちゃってるワケぇ~?
『自分の髪が
その人は『巫女』でありなからも『刀』と言う武器を手に取り、攻撃を可能と出来る職に就いていた……しかもその“抜刀術”たるや既に神妙の域にまで達しており、シェラザードの髪が、“
しかもその元を
つづく
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