第27話試練って何なんですか?

日の光で目を覚ました。


外では小鳥がいるのか元気のよい音が響き、森を通る風の音が響く中俺は・・・


「頭が・・・痛い」


絶賛二日酔い中である


「の、飲みすぎた」


武御雷さんは今もぐっすり眠っている


「水飲も」


俺は、水を汲みにでた。その途中、俺は昨日武御雷さんが言っていた事を整理していた


「まず、勇者が強くなった、か。あいつらが強くなっても試練を通れる気がしないのだが、となると裏に何かあるな。人間は何かと神に操られてきた歴史が多くあるからな・・・、これは、神が裏に居るだろうな、ほぼ確実に」


そんな事を考えていたら後ろから声を掛けられた


「おい、声に出てるぞ?」


「!?なんだ、武御雷さんか」


「なんだとはなんだ!なんだとは!」


「でも、起きたんですね」


「もちろん!調子に乗って飲みすぎた」


「あんたも二日酔いかよ」


こうして二人してふらつく足取りで水を汲みに行った


・・・三時間後


「結局この時間になるまで頭痛収まらなかったな」


「では!そろそろ!」


「うん、お昼ご飯だぁ!」


「やったー!お昼ご飯!・・・じゃねぇよ!」


「グボアッ!」


武御雷さんがびくびくすること1分後


「分かった分かった、試練をするか」


「はい、お願いします」


こうして俺は家の奥の部屋に連れられた


部屋のドアを開けた瞬間そこから意識が飛びそうなほど膨大な魔力があふれ出し俺は急に息がしずらくなった


「どうした?行くぞ」


「は、はい」


苦しいが俺は何とか部屋の中心に座った


「いいか?輝樹。今からやることは場合によっちゃお前の人格を壊すことになるかもしれんそれは、いい方かもしれないし、悪い方かもしれないだが、これだけは言わせてくれ・・・絶対帰って来いよ!」


俺は固唾を呑み


「はい!」


「うん、いい返事だ!では、始める」


そうして、武御雷さんは手をかざした、その瞬間武御雷さんの手のひらから黒いもやが出てきた、その靄は一つの塊になり気が付けば人の形をしていた、そこには輝樹と全く同じ顔、体、魔力を持つものがいた


「私がこの部屋を出たら試練開始だ」


「つまり、試練はこいつに勝つことですね?」


「その通りだ」


「分かりました」


そう返事を返した、武御雷さんは立ち上がり部屋をでた


「ふぅー、始めようか?」


「ああ、いいぜ、本物てるきさんよぉ」


そう偽物が言いだした瞬間、先程の部屋とは違う空間に居た。

ここは・・・


「学校だな?」


「ご名答!」


「何故だ?」


「それは、君の一番嫌いな所だからさ!」


確かに俺は嫌いだった。その理由は・・・


「その理由は、嘘と見栄の塊、だからだろぉ?そうだよなぁ!嘘をつき平然とノウノウと生きてる奴!自分を守りたいがために他人を陥れようとする奴!人が嫌がることを裏でこそこそする奴!自分のしでかしたことを認めないで開き直る奴!全部うざかったよなぁ!壊したかったよなぁ!」


「ち、違う!」


「隠さなくていい、俺はお前だ。なんでも知っている頭の中で何度も人殺そうとしたよなぁ?」


なるほど、武御雷さんこの試練、趣味が悪すぎるぜ


◆◆◆武御雷邸


「さて、輝樹は試練を突破できるかな?」


そう武御雷が言っているとサイエンが質問してきた


「だいだい、どういう試練なんだ?」


「ん?人間って言うのはな全員感情がある訳だ、だが誰しも表と裏がある、その表の存在は認めるが大抵の人間は逆の裏の存在を認めようとしない、そこが人間を人間至らしめている事の一つなんだ、その裏を認められればこの試練はクリアだ」


「それって簡単じゃないか?」


「いやいや、ほぼ無理だね」


「そんな物なのか?」


「ああ、そんなもんさ」


そうして話は終わり残された一同は皆酒を飲み始めたという


輝樹はというと


「なあ、そろそろ認めてくれよぉ、俺もあんたの一部なんだよ」


「み、認めないね」


「そうしてくれないと一生この戦いは終わらないよ?」


そう、今輝樹達はこの狭い学校世界で戦っている


「フンッ!」


「分かるんだよなぁ!ここで右ストレートを打つってことを!」


そういい、偽物は輝樹の右拳を握りしめ傍に寄せ頭に回し蹴りを喰らわせた、と思ったがギリギリのところで輝樹は左手で左足を受け止める


そんな攻防を一時間近く続けている


「なぁ!本物さんよ!息上がってきてるぞぁ!」


「お前も、な!」


そうして、ゴウ!と風切り音を立てながら二人は殴り合っている、回数を重ねる毎にその音は激しさを増しそれは、輝樹の心情を表しているかのように荒々しくなっていく。心が荒れているし、焦って無駄に魔力を消費し続けてる輝樹と、涼しい顔をし輝樹の心情を察してワザと心にくる言葉を吐く偽物そんな対照的な二人


「ぜぇ、ぜぇ」


「どうしたの?本物さん?もう息切れですかぁ?」


「そ、そんな、訳、ねぇだろ!」


「もう、まともに話せてないじゃん!ねぇ、何をここまで本物さんを動かすの?」


!、何を?何が俺をここまで突き動かすのか?・・・


「ふっ、そんなの決まってるだろう?あいつらの為だ!」


そうだよ、なんで、そんな単純な事を忘れていたんだ、俺がいなくなったらあいつらがどうされるか分からない、そうか、俺は気づかぬうちに皆の事が好きになっていたのか、クリス、サイエン、麗佳、サタン、ベルフェゴール、芽衣俺の大切な仲間


「何か気づいたな?本物?」


「ああ、ありがとう、偽物・・・いや、俺」


「!!ああ、ようやくそれにも気づいたか」


「今まで一番長く俺の近くに居たのは俺だもんな、俺はお前でもあるし、お前は俺でもあるそういう事だろ?」


「ハハ、おめでとう俺、さぁ、試練は終了!バイバイだ!」


そう言い学校世界は崩れていく、偽物の太陽から指すオレンジ色の光が輝樹達を包み込む、その時、偽物の瞳が凄く綺麗に光っていた、そして口を開いた


「負けるなよ、俺」


「待ってろ俺!俺は神を殺す!」


そういい、両者振り返った、空中に水滴が舞っていた


「んん?ハッ!」


目を覚ますと元居た所に居た


ああ、帰って来たんだ。ありがとう俺。


こうして、輝樹は部屋を出て、皆と酒をまた浴びる様に飲んだとさ


~第二十七話終了~


第六回

   作者+四人の話

輝樹:「作者さ、恥ずかしくない?」


作者:「・・・すっごい、恥ずかしい」


サイエン:「滅茶苦茶かっこよかったぞ?作者?」


作者:「やめろぉ!半殺しはやだ!せめて、しっかりトドメを刺してくれぇ」


クリス:「ありがとうございます!作者さん!」


作者:「クリス、自分で書いててあれなんだけど感謝されるの結構恥ずかしい」


麗佳:「はっず」


作者:「グハッ!」


輝樹:「作者にクリティカルヒット!」


作者:「I'll be back」


輝樹:「作者ー!あ、息してない」


サイエン:「心肺停止を確認!」


輝樹:「さーくーしゃー!」


こうして、自分で慰め、自分でとどめを刺す作者なのであった


あとがき


どうでしたか!今回、色々試した話なのですが不満な点やおかしい所があった是非教えてください!

これからも『この職業よく分からないのですが何なんですか?』をよろしくお願いします!

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