第76話3回目の校外模試

3回目の校外模試

3回目の校外模試


11月にあった3回目の校外模試の順位表を見ると、それまでうちの高校の私立文系の受験人数は60人だったのが、172人に増えていた。

4月から国立文系コースに行った連中が、国立をあきらめ?私立に転向したので一機に増えたのか?。

でも申し訳ないけど、彼らは国立向けの勉強をずーっとしていたので、3科目の進捗ははまだまだ、3科目特化の俺達5人の順位にはまったく影響しなかった。

2年の時に、時々話をして、俺の総合順位が200位くらい、で俺を見下していた連中が

「いや~、高谷はあの成績だから国立は無理だから私立コースに行ったんだろうけど、俺達って結構良い順位だったから、今から私立に変更しても4月から共通と2次の勉強そしていたから、私立も共通と一般入試の両方いけるから、結果オーライなんだよね」

まあ、共通で私立文系を狙うのもありだけれど、共通の場合、予備校の先生が言うには、過去の最低ラインは90%で受かってはいるけれど、93%の年もあったしあくまでも最低ライン。

大学発表の90%と自己採点の90%は微妙に違う事があるから、その数値をうのみにするのは危険だよ、実際は96%以上、OKと思うゲロマッチョでも90%の覚悟が必要。

まあ共通1本というのはやめた方が良い、国立目指しているならありかもしえないけどと言われた。

96%が可能なのは国立文系の中でも、本気で帝都9大学+5大学くらいのレベルを目指している連中くらいとのこと。

それを思い出し、こいつらそもそも自分の高校の進学先実績把握しているんだろうか?

今年に限って急上昇するとでも思ってる?

信用できない中途半端なネット情報を真に受けるとまずいよ?

なんて、思っていたけど、さすがに3回目の模試の結果を見て、あいつらもおとなしくなったけど、それよりも……

俺は3回とも1位だった。(国語は勉強君達よりも良かったけど)、ショックだったのは日本史で武村に4点も負けた事。

武村が俺の点数を聞いて、ニヤっと笑った。あの武村が。

「あっ、武村、笑ったろ!?」

「はあ?」

「今、自分の日本史の点数言った後、俺を見てニヤって」

「はあ?お前何言ってるんだ?笑ってねーぞ」

「純、見てたよね?」

「ごめ~ん、見てなかった」

「えっ? 田代さん、中野さんは?」

「ごめんなさい」

「高谷、お前、もうちょっと大人になれ」

「ううううっ」

 


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