第75話文化祭
文化祭
文化祭
本音では、あまり気が進まない文化祭当日、
実は、あれからもクラスではかなり揉めた。
メニューはなるべく少なく軽くしたい俺と、オムライスだとかスパゲティ、ケーキなど何故か盛り上がっている連中。
オムライスは誰が作る?ライスは? スパゲティ―の具はどうする?麺をゆでる鍋は?
火力は?
ケーキは誰が準備する?売れ残ったら?
ひたすら俺はいかに大変かを、手間かを、力説。
『言い出した奴が2日間ずっと責任もって作り続けるんだろうな?』とか、『売れ残ったら誰が責任とる?』
盛り上がっている連中は、そういう手間やリスクについて突っ込むと大抵なにも言えない。
まあ、そいつらがそこのところを責任を持ってやるなら、問題はないけど。
なんとか、メニューもシンプルに収まり、それでもホットケーキは数量限定で作ることになり3台のホットプレートは言い出した奴に用意してもらった。
ちょっと卑怯なやり方だけど、言い出した奴に担当してもらう、責任も。
だから俺は何も用意しない、コーヒーと紅茶中心と主張した俺はコーヒーのペーパーとドリッパー、ペーパーホルダーを、あと豆とティーバックとシュガーとフレッシュ、レモンを購入リストに加えるだけ。
とにかく、あの3人を中心にウェイトレスをしてもらえば、盛り上がるからと言って、なんとかここまでで収まった。
そう、だから3人に負荷がかからないようなローテーションを考える。
蓋を開けてみると、予想どおり、これだけシンプルなメニューでも、大盛況。
ホットケーキとかパンケーキって言ってた連中はほとんど休憩なし。
純目当ての奴ら、他校の連中なんか純に彼氏がいることを知らない奴もいて、本気なのか終ったら会おうとか連絡先聞いてくる奴とか、その度に腕に腕章した俺が、本当は彼氏だからなんだけど、そいつらを実行委員として ひっぱがす。
本来の実行委員の見回りは結局できず、純がウェイトレスをしている間は、ほとんど自分のクラスの前の廊下にいて、純専用。
純には、見回りをするときっと変な男子に付きまとわれるから、自分のクラスにいた方が良いと言って、見回りをさせず、その変わり、俺が離れる間は武村に純の護衛を頼み、俺が1人で2人分の見回りをした。
最終日は、クラスの皆には、後夜祭の準備があるからと言って、純を連れて、体育館裏用具倉庫の前に、純はウェイトレスをしている時はずーっと、男子に話しかけられ、ナンパされ、言い寄られ、断るだけでも結構ヘトヘトだったみたいだったから休憩してもらう。
2人でいつものベンチ、ここは2人にとって色々と思い出のある場所、2人が晴れて付き合うために前カレとケリをつけた場所、OPENにしてもしつこかったトップカースト工藤にケリをつけた場所。
純にとっては前カレに無理やり・・・・・・、そして俺とも×××・・・の場所でもある。
「疲れた?」
「うん、なんで、あんなことするんだろ、私の何見てるんだろ、ほんとイヤ」
「ハハハ、ほんと」
「かっちゃん」
「何?」 純はうるうるして俺を見つめるからキス。
そうしたら純から舌を・・・・・・・両腕を俺の首に・・・・・・いつもの癖で俺は服の上から・・・・・・もう純の全てを分かっているからどこをどうすれば良いか・・・・・・声だしちゃあダメ・・・・1度離れて目を合わせると純が俺の手を引いて立ち上がり倉庫の中へ、マットの上に・・・・・・そうしたら数人の生徒の声がして倉庫の扉をガラガラ・・・・・・あわてて立ち上がり、入り口を見ると、3年1人と2年3人の男子生徒。
俺達を見ると2人とも腕章をしているので
「もうこちらに来てたんですか?」
「ああ、後夜祭の準備があると思って、ここで待ってたんだ」
「ご苦労様です」
3年が「村井さんは、あっちの準備があるから、グラウンドに行って」
「はい、高谷君 あとはよろしくね」そう言ってグラウンドの方に小走りで去って行った。
「さてと、じゃあ何を手伝えば良い?」と聞くと。
「用具の運び出しは僕たちがしますので大丈夫です」
「そう、じゃあ、僕もグラウンドの方に行った方が良いかな?」
「そうだね」「はい」
「じゃあ」 間一髪、不純異性交友、やばかった。
なにげなく、グラウンドでボーと立っていると、グラウンドの入り口で生徒を誘導するからそこに立っていてくれ と言われ、人数が少なそうな所に、純を探すと2年の時のあの連中3人が純を囲んでいたので、イヤな気がしたが、何かあったら走って行けば良いかと見ていたら、純が俺を見つけ、俺に手を振って走ってきた。
それを見た3人は、何もなかったかのように別の委員の方に去って行った。
「純、大丈夫?」
「うん」
「何かあったら言ってね」
「うん、どうして国立コースに来なかったのか?って」
「今更?」
「うん」
「困ったね」
「うん」1度、五条にも話をしないといけないと思った。
純は俺をじーっと観てモジモジしながら「かっちゃん、途中だったね・・・」
「うん、帰りに純の家によってもいい?」
「うん」同じ事を考えてた。これだけでわかる。エッチなのは俺だけじゃない、2人とも・・・。
ニッコリ笑って、くるっと回って、グラウンドのテントの方に。
後夜祭、去年は参加せず、何やったっけ?
校長先生や生徒会会長達がいろいろ挨拶しているけど、遠くでよく聞こえなくて・・・
フォークダンス? そうだったっけ?
今年は俺も純も実行委員という事を理由に フォークダンスには参加しない。
1年、2年、3年男子までもが純に、一緒に参加しようと声をかけてくる。
でも俺以外には『あの村井さん』だから
「私、実行委員だから参加しないの、それに彼氏がいるからそういうの無理でしょ!」って断ってたみたい。
あたりが薄暗くなり、フォークダンスが始まると、生徒の出入りもなくなり、実行委員の仕事も暇になる。純が俺の方にやってきて「そういえば、かっちゃんとフォークダンス踊った事ないね」
「そうだね、去年はあれだったから」純の黒歴史に触れてしまう(言ってしまって、まずい と思った)。
純の顔が曇っている(あたりはもう暗いので、よく見えないが雰囲気でわかる)
だから、俺は「去年のちょうどこの日は純と俺が公に彼氏彼女の宣言ができる、って日で、だから今日は純の部屋で・・・・ね♡』そう言って 純の肩を抱きよせると、純が「うん」と言って頭を俺の肩に載せ2人良いムードに(純が落ち込まなくてよかった)
本当は2人で勉強と記念日のお祝いをする予定が実行委員になったため、おじゃんになってしまったので、今日は純の部屋に行って、さっきの続き・・・純はしっかり準備ができていて・・すぐだった。
文化祭も終わり、あれから2人で記念日のお祝い、純の部屋でたっぷり愛し合い・・・夏のプール以降、純は最低でも3回天国にいかないと気がすまなくなって・・・・・俺はうれしいけど。
またいつもの平穏な日常に戻っていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。