第47話クリスマスの次の日~初詣

クリスマスの次の日~初詣

 クリスマスの次の日~初詣


妹との仲は悪くはないけど、良くもなく、普通の会話をする程度。

お互い何かあれば相談もするし、でも普段はそれほど干渉しない普通の兄妹。

純を紹介した日の次の次の日曜の晩御飯の時

「お兄の彼女ってすっごい美人だね、お兄が告白したの?」

「いや~、純が告白し始めたから、びっくりして、だから、話の途中で俺から告白した」

「へ~、そうなんだ、でもわかる、彼女、お兄のことすごく好きみたい」

「そっか」

「うん、よかったね」

「ああ」

「あれだけ美人だと大変だけど、がんばって」

「ありがと」

普通の兄妹の会話。

母親はそれを聞いて

「あんな美人が、克己に告白してきたの?」を聞いてすごく驚いて、

「うん、でも最後は俺が告白したようなものだよ」

「あれだけの美人だと、学校じゃあ大変じゃない?純ちゃんって、学校じゃどんな感じ?」

「あー、いつも決まった男子が囲んで、毎日のように誰かが告白してる」

「あら、克己が一緒にいるんじゃないの?」

「ああ、大騒ぎになるからまだ皆には公表してないんだ」

「そんな事で大丈夫?」

また、同じ心配をしてきたので

「彼女、しっかりしてるから、大丈夫だし、もう少ししたら公表しようと思う」

「そう、それならいいけど、ちゃんとするのよ」

「うん」

「ねえ、父さんはどう思った?」

「うん、いい娘だと思ったよ、でも、あれだけの美人だから、克己がしっかりしなきゃいけなよ」

「うん」

月曜日、純がそのカチューシャをしてきたことから、それが「似合ってる」「かわいい」の嵐の中で純がクリスマスプレゼントでもらったと言ったら、案の定「俺なら・・・もっと似合うものをプレゼントしたのに」とか、まあ他の連中同様お断りされるだろうけど、対抗する奴いるんだよ、

でも「私、これが一番欲しかった」って、でへへへ。

俺はまんざらでもなくにんまりしていたら、隣の女子から「どうしたの?」と聞かれ、あわてて「いや、なんでもない」

そういう俺もしっかり、シャープペンが新しい。

あと数日すれば、冬休みだけとなった。

俺は相変わらず、毎日朝、純の家に行き、一緒に学校へ、帰りは一緒に純の家、時間があれば純の部屋にあがって、1つになって・・・・・・愛し合う。

そうして帰るのが当たり前になっていた。

 冬休みに入っても、朝、純の家に行き、一緒に予備校へ、帰りに武村と3人でバクドに行ったり、そのまま帰って、純の家からバイクで帰る。

3人は高校2年だけど、冬休みは予備校中心の生活をしていた。

それでも、学校は休みだから時間に余裕はある、ちょっとした時間があると純とショッピングモールに行ったりデートも楽しんでいる。

大晦日はそれぞれ自分の家ですごし、1月2日に初詣に行くことにした。

本当なら、恋人と初詣、2人とも着物・・・なんて考えもあったが、そこはまだ高校2年、混みあってるところを2人で歩くことを考え、3日から予備校もあるし、動きやすくて疲れない恰好ということで、普通に私服で行くことにした。

朝早く純の家に行くと、純がお出迎え、そのまま一緒に家に入り、新年のご挨拶、やっぱりお義父さんはむっすり、お義母さんと純、妹に非難され、なんとか挨拶を終え、初詣に行く。

武村を誘おうか、相談したところ、武村は親の会社の関係の人達との新年会があるらしく、2人だけで行くことになった。

都心の大神社ではないけど、地元では大きな神社、結構な人込みなので、しっかり手を握って、手を清める手水舎は列から離れているので、皆も省略しているみたいだからは、今回はそのまま並んで、順番がきたら、お賽銭をあげ、お祈り。

列からはずれ、学業のお守りとおみくじ。

純が真剣にお祈りしていたので「何をお祈りしたの?」と聞いたら

「ひ・み・つ」

「そっか」

「うん」

なんとなくわかったので、

「ありがと」 

純はニッコリして、

「かっちゃんは?」

「同じ」

「一緒だね、ありがと♡」

最近はお互い、話さなくてもなんとなくわかる、それがうれしい。

今日の初詣のこの会話が2人の仲の深さを実感した一番の収穫。

おみくじは純が中吉、俺が末吉でこんなもんか、って2人で頷いて、結び所に縛って帰ってきた。

正月早々、強行スケジュール、神社を出てすぐにバイクで俺の家に、そのまま俺の両親に新年のあいさつ。

うちの親は有名人が来たかのように大はしゃぎ。

お雑煮とかおせちとか、・・・どこの家でもあるだろ。

今からそんなに料理だしても食べられないだろ。

純も正月は家に家族がいるんだから、晩御飯は家族皆でたべるんじゃない?

純を守りましたよ、お義母さん、我が家の中は大騒動でした。

冬休みの後半は予備校の冬季講習があり、俺達3人は正月ボケになることもなく、後期の授業が始まり、いつもの学校生活に戻る。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る