第38話SIDE村井 -気づく

SIDE 村井-気づく


高谷君と付き合う事になって、夏休みに2人の間がどんどん深く、深~く、もう1つになってから、いつも高谷君の事が気になってしょうがない。


学校では、まだ秘密にしよう、と言ってきたので、あの人がきっぱり別れてくれるまでは我慢しているし、いつも私の周りには友達が集まってくるから、なかなか高谷君とお話ができない。


でも気が付いた。チラっと高谷君を見ると、なぜか女子と話している事が多い。


高谷君が自分の席に着こうと歩いていると、途中の席の女子が高谷君に話しかけて、高谷君はそこで一度立ち止まって、その女子と楽しそうに話してから席につく。


席についたら、隣の女子や、時々その子の所に来ている女子と3人で話している時もある。


この前なんか、トイレに行こうと廊下を歩いていたら、高谷君がいたから話しかけようと近寄った所、別のクラスの女子が教室から出てくるところに高谷君が通って、その女子が高谷君に話しかけて、そのまま2人で話し込んでいた。


それを見て、私は高谷君に話しかけるチャンスを逃してしまい、1人でトイレに行って帰ってきたけど、その日はすっごいモヤモヤした気分だった。


帰りに駅の改札を出て、『かっちゃん』って言って思いっきり抱き付いて解消しようと思ったけど、それだけじゃあモヤモヤは解消しなくって、結局 無理を言って高谷君を私の部屋にあがってもらって、しっかり愛し合って、1つになってなんとか落ち着いた。


だって、あ・れ・が、大好きな人することがあんなに気持良い事だって初めて知ったし、あの時が一番愛されてるって感じるんだもの。


でも、気が付いたの、知らなかったの。


最初、高谷君の名前を知らなかった時、近くの女子に聞いたら、



「「 見た目はおとなしく見えるけど、話しやすくて、信頼できるとっても良い

人」」と教えてくれたんだった。


彼は、席が隣になったり、同じ当番や同じ委員で一緒にいて話す機会がある女子は皆彼を良く思うんだ。


私も、隣の席になった時、その時は、まだ野球部のマネージャーをしていたし、カーストグループの友達に呼ばれることが多かったから、それほどは話さなかったけど、そんな印象だった。


そしていっちゃんがかっちゃんの所に来るようになって気になりだしたら、だんだん・・・こんなに好きになったんだもの。


彼と親しくなった女子の何人かは‥‥‥。


周りの女子達からキャーキャー言われるようなタイプじゃないけれど、彼と話すようになって親しくなった女の子の中に、確実に彼を好きになる子はきっといる。


そう思うと胸が苦しくなってきた。


かっちゃんはカーストグループのせいで目立たないけど、知り合いになった女の子を確実に・・‥‥、モヤモヤがとまらない。


彼が言ってくれた「―――そして、俺は純のもの」それと、私を×××で愛してくれることで、私だけは特別って思って彼を信じられるから。


だから、いっぱい愛して♡。




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