第30話夏休み -超絶美人の彼女ができた

夏休み -超絶美人の彼女ができた


家に帰ると、皆は晩御飯が終わっていて、俺は遅くなる事を連絡しなかった事を怒られ、ラップを掛けられた俺の分の晩御飯を食べて、シャワーを浴びて、ベッドに寝転ぶ。


すごい1日だった。激動の1日だった。


あの村井さんが彼女になった。


高校では無理だけど大学生になったら村井さんみたいな彼女を・・・と思っていた自分に、


何度も、村井さんは彼氏持ち、って自分に言い聞かせていたのが、本物の村井さんが・・・そして、その日のうちに1つになった。


ちょっと早すぎるか?


でも、村井さんはここ数ヶ月思い続けてきたんだろうから、村井さんにとっては早くはないのか、別れてくれない今カレ?にいろいろ問題もあるが、今日の出来事があまりにも大きくて、まだ信じられない気分だったけど、さっそくRINEがきたので、返しがてら、明日の約束と 最後に

「大好きだよ、おやすみ」と入れて送った。


「私も大好き、おやすみ」 あの村井さんが女の子になってる。


ベッドの上で、村井さんの事を想っていると、恋愛経験の少ない俺はどうしても昔の彼女の事を思い出す。


前の彼女は、あの大学生の彼氏と深い関係になってから、俺を振った。


それがいつから始まったのかはわからないけど確実に2股をして、新しい彼氏と確実につきあうようになってから俺を振ったんだ。


でも村井さんは違った。


俺と付き合う前に、彼に、他に気になる人ができた事を伝え別れるかもしれない旨を伝えた。


彼がいやだと言って我をはってるから不本意な2股状況だけど、距離をおきたい、別れるかもしれないような事をちゃんと言ったのは俺に告白する前だ、俺の意思を聞く前。


もし俺に彼女がいたり、他に好きな人がいたら、村井さんは1人ぼっちになる可能性があった。


それくらいの覚悟があった。2股は絶対にしない。そういう意思があった。


そう思うと、ますます村井さんっていう人が、すごいと思えた、誠実で信用できる人。


この人はあの外見で色々損をしているかもしれない。


あの外見だから、見た目で告白してくる人ばっかりだったのだろう。


別にそういう連中が本当の恋をしないのかと言えばそれは違うと思うけど、外見重視じゃなく、中身を見て接してほしかったんだと思う。


俺にとって村井さんは、高値の花で、すでに彼氏がいるから、武村の幼馴染だから、最初から恋愛対象と見ていなかったから、隣の席になった時も普通に接することができ、武村と3人で一緒に行動もできた。


村井さんは、そんな俺の対応を好きになってくれたんだと思う。


そう思うと、今までの村井さんの俺に対する態度、行動、言葉づかい、どれもがかわいく思えて、こんな人が彼女だったら・・・と思っていた自分・・・。


でも、こういう人だから、俺は村井さんには絶対誠実じゃなきゃダメだ、ちゃんと真正面を向いて真摯に付き合おう、と思った。


あの彼氏(やつ)をなんとかしなきゃ、明日も村井さんのところに行って話そう。


いろんな対策なんか考えていたら、なかなか眠れなかったけれど、なんとか色々考えているうちにいつのまにか眠りにつくことができた。


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