第26話夏休み -村井さんと映画2/2

夏休み -村井さんと映画 ―2/2


「ねえ、映画、どうだった?」


「うん、俺にはちょっと重いかな~って、でも最後まで見ちゃった」


「そうね、私も結構真剣に考えるところあった、私はちゃんと告白して、そのままずーっと一緒にいたい、って思った。」


「ふ~ん、村井さんでもそう思うんだ」


「何、それ、私を何だと思ってるの?」


「いや、村井さんってしっかりしてるから、そう思っただけ」


「そっか」 何かを考えるような顔をしながら紅茶を飲む村井さん、

いつもの笑顔はなくちょっと寂しそうだった。


色々話をしている内にいつもの村井さんに戻って、


「やっぱりお腹すいたからフードコートに行かない?」確かに。


食事の後にケーキセットという定番が逆になったけど やっぱりお腹がすいたから何か食べたい

「うん、お腹すいた」


「じゃあ フードコートに行こっか」


「うん」そう言って会計をすませ2人でフードコートに行く、


カフェの会計の際俺が全部払うと、


「あれ?おごってくれるの?」


「うん、映画おごってくれたから」


「じゃあ、ごちそうさま」


フードコートでまず席を確保して、


「何食べる?」


「なんとなく今日はラーメン」


「ふ~ん、高谷君ならオムライスかなって思った」


「えっ?なんで? 」


「だって、なにかあったら「「普通彼氏と彼女は」」っていうじゃない、あと「「ラブコメでは普通こういのは・・・」」だっけ?だから、普通男の子はオムライスかなって」


「あ~そうですね・・・そうだね、ラブコメで彼氏、彼女がオムライスって定番だよね、でもラーメンも密かなブーム・・・じゃなくて、そもそもラブコメじゃないから、俺はラーメン、ここのラーメンって博多系で替え玉110円だから、それにしようと思う」


「そっか、私は替え玉までは無理だから・・・・あんかけチャーハンにするわ」


「じゃあ、それぞれ2人で買いに行って、この席に戻るって事で」そう言って、それぞれのコーナーに行って呼び出しベルをもらって席に戻り、ピーピーなったので、ラーメンを取りに行く、同じように村井さんはあんかけチャーハンを取りに行って、2人で食べ始めた。


案の定「ちょっと、そのラーメンおいしそうね」わかってる、俺はほぼ反射的に、

そのまま箸を渡して、ラーメンの乗ったトレイを村井さんの方に押すと、村井さんはあんかけチャーハンの乗ったトレイを俺の方にまわしてくる。


村井さんはラーメン、俺はあんかけチャーハンをそれぞれの箸とスプーンで間接キスだけどおかまいなしに1口食べて もとに戻す。


「ん~、2人で行くと2種類の食べ物が味わえていいね~」


どう考えてもカップルがデートしてるのと同じだと思うんだけど・・・・

「あ~ん」してないから違うのか?・・・


俺は替え玉を頼みに行って、ついでに紅ショウガとゴマと高菜をトッピングして食べていると、また村井さん「そうなんだ、味を変えるんだね、ね~」


「はいはい」そう言ってまた村井さんの方にラーメンを回す、同じくあんかけチャーハンを俺に回し、俺は一口、村井さんは小さく2口ほど食べて「味、変わるね、2倍楽しめるんだ、ふ~ん」妙に納得した表情


そうこうして2人食べ終わると


「食べたね~、もうお腹いっぱい、ふーー」そう言って村井さんはいつもの笑顔に。


この笑顔って最強だよ、そのまま見てても、それからいじられても、この笑顔見せられたら、もうお手上げです。


2人でごちそうさま と言って トレイを返却し、水をのんでると

「ねえ、あのアイスおいしそうだね」はいはい


この前と同じく、2種類のアイス、また村井さんが俺のアイスを一口食べて、俺に村井さんのアイスを一口。「あ~ん」してしまったよ、何度考えてもデートだよね、これって。


声に出して言いたい““勘違いしちゃうよ?いいの?責任とってくれる?”“って男の俺の方が!


結局映画を見るとそれだけで3時間くらいかかり、それからカフェと食事で、なんだかんだしてるうちに、結構疲れたので、まだ夕方までには時間があるけど

「帰る?」


「そうね、ちょっと早いけど帰ろうか」そう言って、2人バイクで村井さんの家の前に着いた。


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