第19話夏休み -夏季講習と村井さん
夏休み -夏季講習と村井さん
夏休みに入り、何故か武村と駅の改札で待ち合わせ、武村を待っている。
何故かわざわざ、1度電車を降りて改札の中、武村の使う駅で待ち合わせ。
待ち合わせの時間から10分経過、結構きわどい時間なのに、武村がゆっくり歩いてきた。
「おお」「おはよう」
「ほら、行くぞ」ってお前が遅いんだろ。
予備校の教室は、学校と違って席は決まっておらず前から埋まっていく。
俺達は真中より後ろの席、
授業中、武村を見ると、結構真剣に聞きながら、テキストやノートに書き込んでいた。
やっぱり「一応進学校」の生徒、もともと真面目だった奴、しっかり授業を受けている。
でもなんで、夏休みに入ったとたん金髪なんだ?金髪にあの目つき、あの体格で真面目に授業って、思わず笑ってしまう。
初日の授業が終わって、結構疲れながら、それでも満足感のもと、予備校の校舎から出ようとしたところ、何故か村井さんがいた。
「高谷くん」
「ああ」
「いっちゃんも一緒ね」いっちゃんって武村?
「おお」
俺はびっくりして「村井さんも夏季講習に来てるの?」
「うん」そうか彼氏3年だよな~
「彼氏と一緒?」
「違うよ~、彼は体育推薦で、体育大学に決まってるから」
「ふ~ん」
「高谷君、私の彼氏が気になる?」
「いや、そんな事ない、「一応進学校」で、2年でこの予備校に来ている人って少ないと思っていたから」
「うん、そうだね、トップクラスの人達くらいしかいないと思うよ」
「村井さんって、トップクラスなんだ」
「う~ん、ちょっと違うかな、上の下くらいだよ、いっちゃんが高谷君と夏季講習に行くって聞いたから、私も今から勉強始めようと思って来たの」
「えっ、いっちゃん、って?」
「そう、武村一郎君」
俺はそれを聞いて武村を見ると、気まずそうに
「なんだよ」
思わず笑ってしまった。
それから、3人でバクドに言って、少し話をしてから電車で帰った。
村井さんは、一応、国立文系コースを選択していたが、親が1人暮らしは許さない、との事で、家から通える私立も考えるとなるべく早めに共通試験の対策をしておこうと思ったそうだ。
村井さんが気軽に武村に話しかけている風景が、高校のクラスにいる感じとはあまりにかけ離れて驚きばかり、思わず2人のやりとりを見てると、すかさず村井さんが、俺をいじりだす、そんなバクドナルドだった。
夏休みの夏季講習は、そんな感じで順調に進み、時々3人でバクドで話したり、前半が終わり、中1週間ほど空いてから後半に入る。
前半の最終日、3人でバクドに入って、いつものようにコーラとイモ。
村井さんが「明日からの1週間何か用事ある?」
「べつに」
「何もないよ」
「そう、じゃあ、3人でプールに行かない?」
「・・・・・・」
「何よ、いっちゃん、何か言いなさいよ」
「ああ」
「高谷君は?」
「うん、皆が良いなら行く」
「じゃあ、いっちゃんもいいわね」
「・・・ああ・・・」
こうして2日後、3人でプールに行くことになった。
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