第15話武村に語る1
武村に語る1
俺はなるべく素のまま、自然に思う通りに話した。
それが癇に障るなら、それ以降は俺に絡んでこないだろうし、平気なら、俺も友達になっても良いかなってちょっと思ったから。
「武村がそうなったのって、父親の女グセと母親が弟つれて出て行ったから、なんだろ?」
「・・・うっせ・・・・・・」
武村はうつむいて、小さい声でつぶやくように言った。
「俺が勝手に思ってる事なんだけど、今、母親と連絡してる?」
「・・・・・・」
「親父さんが許せないんだろ?」
「・・・・・・」
「思うんだけど、武村が会社継いで、乗っ取っちゃって父親を追い出して、母親と弟を呼び戻せばいいんじゃない、 って何年かかるかわからないけど」
「・・・・・・」
「だから、ちゃんと母親と弟とは繋がっておいて、その事伝えてさー、弟の進学とかも一緒に考えたり、お金も援助したりしてさー楽させてあげなよ」
「・・・・・・」
「母親だって、武村の事考えて置いて行ったんだと思うんだよね、大人ってそういう事何も言わないで行動するからさー ちゃんと話合った方がいいと思うよ、武村、今のままだったらお前が1人落ちぶれていくだけだし、誰も守れないよ」
「・・・・・・」
「関係ないけど、俺んとこもそう、バイクの免許も、今乗ってるバイクも、父親が勝手に自分で、克己にはこれが一番合ってる、とか言って、俺の意向はいっさい聞かないでいつの間にかバイクが家に来てるんだよ、俺が母親を説得しようと思ってたら、おふくろとおやじが勝手に話進めていつのまにかバイクに乗って良いとか、買うとか、勝手に了解事項になってるし、俺の思ってること全部無視して勝手に行動するんだよ。まあ、バイクと親の離婚って全然次元が違うかもしれないけど」
「・・・・・・」
そのまま話を続けた。
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