第9話 陰陽師
あたし達は魔族の死体を身ぐるみ剥いで様々なアイテムを手に入れた。
取り敢えずあたしがいらなかったアイテムは土門さんの指輪型の
「で、水とか食べ物は?」
「無かった」
「…」
でも、食べ物と飲み物は手に入らなかった。
マジで何も無かったのかよ~、魔族はいったい何を食べてんのよ、あー、お腹空いた。
辺りは見渡す限りの荒野、食べられる物はともかく水すら手に入らなそうだ。
「もしゃ、もしゃ・・・ごくっ」
あたしは土門さんのクルマに積んであった非常食の◯ロリーメイトとペットボトルの水を貰い、食事をしていた。
「先ずは水と食料の確保だな、幸いメガクルーザーの燃料はほぼ満タンだ、移動可能な範囲内に町か村さえ見つかればいいんだが」
「どうやって町を探すの?」
周囲は見渡す限りの荒野で人里はともかく、川や池などの水場も全然見当たらない。
「これを使う」
土門さんはスーツのポケットから数枚の紙切れを取り出した。
「何それ、お札?」
「それっ」
土門さんがお札のような紙切れを宙に放ると数羽の白い小鳥に変わって四方へと飛んで行った。
「な、何、今の? イリュージョン??」
びっくりしたあたしは目を真ん丸にして土門さんに訊いた。
「今のは呪符で召喚した式神だ、あの子達にこの周辺に何があるか調べて貰う」
「し、式神って、土門さんのジョブは【陰陽師】なの?」
「いや、俺のジョブは【
「じゃ、なんで式神? いや、『
聞くよりも早いから、あたしは『鑑定』スキルで土門さんのステータスを見た。
『鑑定結果』
名前:
種族:人族(異世界人)
性別:男
年齢:29
職業:
称号:異世界転移者、最強の退魔師
状態:正常
固有スキル:陰陽術、射撃術、格闘術、剣術、槍術、弓術、投擲術、乗馬術
ジョブスキル:治癒魔法
ギフトスキル:水属性魔法、言語理解、錬金術、鍛治
加護:水の女神の加護
ぶき:デザートイーグル.357マグナム
よろい:ケブラー防刃防弾チョッキ
たて:未装備
かぶと:未装備
もちもの:トヨタ メガクルーザー
あたしが鑑定した土門さんのステータスは突っ込みどころ満載だった。
ていうか、クルマは持ち物なのか?
あたしは勇者レベル1なのに、土門さんはなぜか
あたしがスキルで視た土門さんのステータスには多数の戦闘スキルが揃っていた。
「土門さん、職業が
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