第162話聖様の収益化奪還計画4
配信が始まるとお約束の皆の挨拶をすませ、司会進行役のシオン先輩が企画の説明を行う。
コメント
:性様ー!!
:枠のタイトル草
:奪還もなにも自ら差し出していたようなものでは……?
:大人数でコラボ! ひとまず元気そうで安心した!
:というか当たり前のように二期生に混じってるシュワちゃんに草
あ、そっか、今気づいたけどこのメンツって私以外全員二期生なのか!
「いやーなんか私も成り行きで巻き込まれてしまい……先輩方のお邪魔にならないように気を付けます」
「淡雪君は聖様のセフレ枠だから実質同期だ、問題ないさ」
「そういえば聖様はこの4人の中で唯一の収益化なしですよね。せいぜい私たちの邪魔はしないよう心掛けてくださいね?」
「あれ、この配信の主役は聖様だったはずなんだけどな? せっかくセフレ枠に入れてあげたのに、MをSで返すとはこのことか」
「それを言うなら恩を仇で返すでしょ!」
「シオン今のよくツッコめたな、流石だぞ!」
コメント
:一見謎なネタを瞬時に返せるところが友情を感じててぇてぇ
:MをSで返すとか数学か物理の話かと思ったわ
:磁力かな?
:すごいこと教えてやる。体中に磁石をくっつけると、硬くて丈夫で強い
:磁力何一つ関係ねぇじゃねぇか
:物理ってそういう意味じゃねーから!
うーん……今回は本人の希望もあって聖様の枠で配信しているんだけど、やっぱりいつも見慣れているスパチャとかのカラフルさがないコメント欄は、少し寂しく感じてしまうな。本当になくなってしまったのだという実感が私にも湧いてきてしまった。
なんだかんだ大好きな先輩の為にも、一刻も早い回復を目指していこう。そのためにこの配信ですることは、聖様が希望していたリスナーさんの心配を取り除く程度にネタにして配信を明るく盛り上げ、そのうえで収益化奪還のための対策点やこれからの行動をみんなの意見を聞きながら議論すること。
難しいかもだが、みんなの力を合わせればできるはず!
「さて、掴みはこれくらいにして、いよいよ本題に入っていくわけだけど、リスナーさんも含めたみんなはなぜ聖様の収益化が止まったと思う?」
「言動じゃないですか?」
「ネコマは見た目だと思うぞ!」
コメント
:性様って名前
:声質のエロさだろ
:おち〇ちん
:全てでしょ
:アーカイブ見返したらツッコミどころ多すぎて、全部指摘してたら人生終わりそう
:そこに在るから
「こらこら、皆揃ってここぞとばかりに適当なことを言うのはやめたまえ、おち〇ちんしか合ってないじゃないか」
「それが唯一間違ってるんだよあほ聖様! もーほんとどうするのこれ! 修正点が多すぎてどれから直せばいいのか分からないよ!」
「もしこれがテストだったらのび〇君みたいな悲惨な点数になってそうですね」
「聖様はよく股間が伸び伸びたするよ」
「聖の股間がゲッダンしてる様を想像するとめっちゃ草生えるぞ!」
「そもそもなんで聖様は付いてる前提で話してるの? そのくせしてあるときは付いてない前提で話すからもうわけわからないよ……」
「ノリで生きてるからね、勿論実際の聖様はれっきとした女の子だよ」
コメント
:ゲッダンMAD作らねば
:この会話だけで収益化剥奪の原因が山ほど思い当たるの草
:聖様だって…女の子なんスょ……
:は?
:は?
「まぁね、こうやって何も行動に移さず時間だけが過ぎていくのが一番ダメだからね! 今日は聖様に一つずつ、徹底的に問題点の改善をしてもらおうと思います! リスナーさんのみんなも思いついた点があったらどしどし言ってね!」
「任せてくれたまえ。聖様はプレイの幅が広いんだ。オプション付け放題だからね、変幻自在なのさ」
「これ絶対むりだぞ」
「まぁまぁネコマ先輩、何事もチャレンジしてみなければ動きすらしませんから。やるだけやりましょう」
とりあえず方針をリスナーさんと共有したところで、いよいよシオン先輩がそれを行動に移す。
「まずは! この配信を無事に終わらせるためにも、聖様にはこちらが用意した『安全装置』を適用してもらいます! この安全装置を使えばとりあえずこの配信は大丈夫!」
「ほう、それはどんなものなんだいシオン君?」
「聖様のあらゆるセンシティブ要素を強制的にシャットアウトすることを目的としたさまざまな処置の総称だよ! ……多少強引にはなったけど」
「え?」
「まぁ四の五の言わず一旦やってみよう! というわけで一旦聖様の立ち絵は離れまして、まずはお着替えしましょーねー」
「聖様分かるよ、絶対ろくなものじゃないって。でもやらかした立場だから断れない、むしろ何をされるのかと思うと興奮する、ビクンビクン」
びくびく痙攣しながら画面外へと連れていかれる聖様、そして約1分後――
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