第106話ライブオン常識人組3
「そんなことがあったんですね。なんだか感動してしまいました」
「尊いわね……もうこれだけでもお腹いっぱいだわ」
「そ、そんなたいしたことないから! ただ仲良くなりましたよーってだけ!」
コメント
:いともたやすく行われるえげつないてぇてぇ
:せいしおはガチ ¥10000
:もうこんなの夫婦じゃん!
:聖様は十字架とか使ってるゴシックっぽい黒の衣装、シオンママは巫女服だから白の衣装って中身だけじゃなく外見まで見事に正反対なのが逆にカップリングに味を出してる
:実は目の色だけ赤のおそろいなんやで
:ライブオンはまさか狙っていた……?
:結婚式はキマシタワーの屋上でやりましょう!
:なんだその一面に咲いた百合群生地の中心に立っていそうな塔は、最高じゃないか!
<宇月聖>:なーにを話しているのかなーシオン君? もっと聖様らしいエピソードを紹介してくれたまえよ。ほら、聖様の目が持つ見ただけで女の子の穿いているパンツの色を当てられる能力、直視の痴漢の話とかあるだろう?
:聖様おるやんけ!
「お、聖様来てるじゃん、やほー」
「し、シオン先輩も目の色同じだからパンツの色当てることできたりするのかしら」
「できるわけないでしょ!? 何聞いてるのちゃみちゃん!」
「ほんとですか? もしかして自分が気づいていないだけで出来るかもしれませんよ? ほら、試しに今の私のパンツの色当ててみてください」
「また悪ノリが発動しちゃったよ……青色! これでいいでしょ!」
「え? あれ、ちょっとまってくださいね、確認します…………あっ」
「え、な、なに?」
「い、いえいえ、なんでもないですよ? えっと、次の話題にでもいきましょうか!」
「なにその反応!? それっぽく聞こえちゃうやめてよ!」
「これは信憑性出てきたわね」
コメント
<宇月聖>:そうそう、こういうノリでいいんだよ
<昼寝ネコマ>:やーい照れてやーんの☆
<宇月聖>:照れてないですよ。私を照れさせたら大したもんだ
<昼寝ネコマ>:突然のプロレスラーに困惑不可避☆
:二期生勢揃いやん
:二期生推し大歓喜
:あわちゃん、全く気づいてなさそうだけどその行動は清楚ではないよ……
「はいはい私の話はこの辺で終わりにして、次は淡雪ちゃんいこうか、困ってることはなに?」
「私ですか? 同姓同名同姿同声同命の同業者が暴れまわっててとんでもない風評被害を受けていることですかね」
「それを表すにはもっと短くて便利な日本語があるわよ。同一人物っていうの」
「あと、私なぜか結構変わった人に出会うことが多いんですよね」
「変わった人? どういうこと?」
「えっと、例えば最近ですと」
記憶を探りながら二人に私が出会った世にも奇妙な人物の説明をする。
それは私が映画でも見ようと思ってレンタルショップに行った時の話であった。
店内を歩いていたら、一人の20代と思われる女性が昔流行った子供向けのアニメ【ム〇キング】が置いてある棚を真剣な眼差しで物色しているのを見たんですね。
へぇ、意外な層にも人気があるんだ。いや、もしかしてお子さんがいてその為だったりするのかな? なんて考えながら失礼と思いながらも少々眺めていたんですね。
でも私は次の瞬間背筋が凍り付くような思いをすることになります。その女性がふと呟いた声が私には聞こえてしまったのです。
その少々粘着質にも聞こえる声は間違いなくこう言っていました――
「王道イケメンのヘラクレスオオカブトとガチムチのエレファスゾウカブトのカップリングたまらないわ~! 逞しくいきり勃ったオスのシンボルが荒々しくぶつかり合って相手の急所を狙い合っている……やっぱりム〇キングは最高のBL物ね!」
「「!?!?」」
コメント
:!?
:ファ!?
:え? え?
話を聞いていた二人とコメント欄が瞬く間にざわめきだす。
だがその光景を実際に目の当たりにしたにした私の受けた衝撃には及ばないだろう。
いや、ほんとまじでお口( ゚д゚)ポカーンってなってしばらく動けなかったからね。
「ちなみにその後カブトムシ同士の対戦模様を見て「これこそ真正なる兜合わせね。もう私は人間同士の偽物兜じゃ何も感じないわ。しかも樹液まみれのローションプレイ付き……今日はこれに決定ね!」って言ってましたよ」
「よ、世の中にはすごい性癖の人もいるのね……」
「流石は淡雪ちゃんだね、類は友を呼ぶってやつだ」
「いや一緒にしないでくださいよ!」
「チューハイにプロポーズした人と今の人は結構いい勝負だと思わない?」
「……ノーコメントで」
コメント
:カブトムシにしか興奮しない腐女子とはかなりの歴戦個体
:将来のライブオン候補
:クワガタ推しの百合厨が通りますよー
:それはもうどういうことなの……
:なるほど、大きな角が二本あるヘラクレスは真正ふたなりになるわけだな。両性具有じゃなくて両男具有とは新価値観
:異議をせずにはいられないなぁ(ふたなりガチ勢)
:なんだこのカオスなコメント欄
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