第93話L-1グランプリ6

コメント

:8888 ¥8888

:3分間経ったから偉い(全肯定)

:風呂敷を広げに広げたけどそれを一切畳まない斬新さ、これがエモさか


さて、これで二組目が終了だ。となると残りの参加人数的に次は――


『さぁ名残惜しいけど次のコンビがラストコンビだよ! この極限まで温まった場で最後にどんでん返しを起こせるか、昼寝ネコマと山谷還の逆転コンビの登場だー!』

「にゃにゃーん! 企画にクソストーリー誕生の予感を感じ取って昼寝から起床したネコマーだよー」

「リスナーママの皆さんこんに乳首。最近この挨拶を使い古してきたなーって配信で言ったら挨拶黒乳首赤ちゃんと呼ばれて憤慨している還です」


うんうん、どうやらこの企画も終わりが見えてきたみたいだな。

それにしてもなんというか、最後にあまり共通点の見当たらないコンビが来たな。私個人としてもリスナーのコメントを見ても意外の感想が浮かぶ。


『二人ともありがとー! 私が知る限りネコマ―と還ちゃんは初めてのコラボじゃない? どんな経緯で参加を決めたのか質問したいな』


私たちと同じことを思ったのであろうシオンママが代表して疑問をぶつけてくれた。流石期待を裏切らないことに定評があるシオンママだ。


「還からよろしければ組まないですかと声を掛けまして」

「ネコマ―も参加しようと思ってコンビ相手探そうとしたところだったから即OK確定演出だよ」

『ほへーなるほど。へー還ちゃんから誘ったんだー。へーへー』

「に、ニヤニヤした声出してなんですか? なにか文句でも?」

『いやー淡雪ちゃんとのコラボから変わったなーって思ってね~』

「揶揄うのはスマートじゃありませんよ。だからシオンママは真なるママになれないのです」

『な、なるほど……ママの探究者として勉強になるね』


あのネガティブな傾向があった還ちゃんが自分から初対面の先輩をコラボに誘えるようになったなんて……ママ嬉しくて目からストゼロがストロンGoodしちゃう!

娘はいつの間にか成長しているものなんやなって、私の方が年下だけど。


『ところで今回のコンビ名の逆転コンビってどんな由来があるの?』

「そこはネコマーが説明しちゃうぞー! ネコマは常人とは真逆の嗜好品を好んでいること、還ちゃんは時間が経つたびに幼児退行が進んでいるから逆転コンビなのだ」

『なるほど、今回の劇順は完全にランダムで決めたものなんだけど、偶然ラストになったから文字通りの逆転優勝を期待したいね!』


コメント

:還ちゃん最近楽しそうで安心した

:それな

:真なるママが酒と女にしか興味がない動く酒池肉林とかたまげたなぁ

:動く酒池肉林はパワーワード

:酒やらなんやらでその林臭そう

:まさか臭そうという言葉がVTuberに対して使われる日が来るとは思わなかった


『それではお決まりの意気込みと賞金の使いみちをどうぞ! ババーン!』


名前・昼寝ネコマ

大会の意気込み・エドウッドになった気分で☆

優勝賞金の使いみち・国内は飽和気味になってきたのでまだ見ぬクソゲーを探しに海外へ赴くための旅行費☆


名前・山谷還

大会の意気込み・赤ちゃんなので甘めに採点してください

優勝賞金の使いみち・赤ちゃんになれる夢のソシャゲ姫コレへの課金


コメント

:あかん、皆己の欲求に正直すぎる

:エドウッドってなんぞ?

:史上最低の映画監督と呼ばれ数多くの迷作を残した偉人やで

:だめやん……

:還ちゃん姫コレ好きなんか

:姫コレの影響で巨乳の丸メガネキャラを見たら殺意を覚えるようになったって言ってたから結構やってるっぽい

:クソメガネを許すな

:プレイヤーの目の前で新しい仲間を石に変える人間の屑

:俺はあいつのことを人ではなくメデューサだと思ってる


前置きも終わり、その後も今までの恒例通りルーレットを回しお題を決める流れになったのだが、ここで中々面白いお題をこのコンビは引き当ててしまった。


『謝罪会見! お題のシチュエーションは謝罪会見だよ!』

「え……」

「にゃんだこりゃー」

『ふふふっ、これはなかなか色物を引いてしまったかもしれないね! 楽しみだぁ楽しみだぁ!』

「どうしましょうこれ、ネコマ先輩謝罪することとかありますか?」

「ないね」

「困りました、還もです。一歩目から躓いてしまいました」

『なんで二人とも即答で自分を全肯定できるの? 自分を聖人かなにかだと思ってるの? ネコマーに至っては今まで散々私をツッコミとしてこき使ってきた謝罪をここでするべきなんじゃないかな?』


これは最後の最後まで荒れそうだな。

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