第58話ニュースライブオン4

「さてさて、それでは次が最後のニュースだぁ! 有終の美を飾るのは~こちら! 『山谷還、初配信でBANされかける!』」

「ほうほう」

「ニュースの概要を説明するよ! どうやらもっともおいしいおしゃぶりはどれかという話題になって古今東西様々なおしゃぶりをしゃぶっていたところ、音が完全にアウトな感じになってしまったみたいだね」

「山谷還氏は頭の中をBANした方が良いのではないですかな?」

「まっ、まぁまぁ! リスナーが全力で止めたから本当にBANまではいかなかったみたいだから!」

「それにしたって初配信でそれはやばいでしょう、私ですらやらかすまで3か月耐えたんですよ?」

「まぁそれは確かに同意かな、自分のチャンネル作った初日の記念すべき初配信がBANとか一周回って伝説だよね」


コメント

:さっきからとても本当とは思えないニュースで草、ここって日本だよな?

:還ちゃんはやば可愛いぞ

:やばいくらい可愛い?

:ちゃうちゃう、頭がやばくてかわいい

:草


「VTRを流したいんだけど、肝心な部分の音声は私もBANされたくないので使えません。ごめんなさい……」

「しゃぶチオの部分ですね」

「ヘンな単語作らないの! なんか響きが危ないでしょうが! はい、ぱっぱとVTR行くよ!」

「はーいママ」


『あーあー、リスナーママの皆こんに乳首、おっぱい大好き還です』

『今回は至高のおしゃぶりを求めてひたすらにチュパって行きたいと思います、何故なら還は赤ちゃんなので』

『これは……歯との相性が悪い……ほぉ、これはなかなか』

『結論としては大人はお酒と一緒に手羽先でもしゃぶってるのが一番幸せだと思いました。でも還はおしゃぶりをしゃぶり続けます、何故なら還は赤ちゃんなので』


「はいここまで! 今のVTRについてシュワちゃんどう思った?」

「私のおしゃぶり(意味深)をしゃぶってほしいです」

「シュワちゃんにそんなもの付いてないでしょうが……」

「それなら逆にシオン先輩は還ちゃんのVTR見てどう思ったんです?」

「シオンママのここ、空いてますよ」

「お腹を指さしてるあたりシオン先輩も大概ですな」


コメント

:うーん狂気

:狂気の沙汰ほど面白い

:シュワちゃんはよくR18イラストで生やされてるゾ

:なんかイメージ出来て草

:てか初配信の挨拶がこんに乳首ってマ?


「それにしても本当にこの子すごいインパクトですよね。ダウナーな感じで当然の如くやばいことばっかやったり、なぜか自信満々で赤ちゃん宣言したり」

「いやぁでも実は最近ね、還ちゃんすごくいい子疑惑が出てるんだよ?」

「え、マジですか?」

「うん。話によるとかたったーとかでも気軽にリスナーに絡みに行くし、ファンアート貰ったときとかは一人一人丁寧に感謝のお返事書いてるんだって」

「ほへ~」


コメント

:そうそう、俺もリプに返事貰った

:お世辞にもうまいとは言えないイラスト書いただけで長文の感謝の言葉貰えて涙、で、出ますよ

:てかエゴサの頻度がやばい、自分に関するかたり全て把握してるレベル

:配信の時間以外の全てをかたったーに費やしてそう

:かた廃じゃねぇかwww


正直ちょっと意外だ。人は見た目によらないものなんだなぁ。

あ、そういえばライバー専用のチャットにも四期生で一番早く入室して一番早く挨拶してたな。

これは流石は大人ってところなのかな? 赤ちゃんだけど。


「でも就活とか就職の話題が出たときは焦りまくるらしいね」

「あ、それは相変わらずなんですね……」


自己紹介の時にも思ったけど拒否反応すごすぎだろ、もしかしなくても私と同族か?

だとしたらちょっとなら話分かってあげられるかもだな。

謎な部分が多い子ではあるけど、ライブオンが採用したってことはきっと愉快な人なのだろう。

うん、今度機会があったら話してみたいな!


「さてさて、名残惜しいですが今週のニュースライブオンはこれでおしまいです! シュワちゃん今日は来てくれてありがとねー!」

「いえいえ、こちらこそ光栄でした!」


これにて配信は終了! 本当に楽しい時間はあっという間だ。

シオン先輩のこの企画力や進行テンポは本当に尊敬の一言だね。

私も頑張らねば!


「あ、シュワちゃん一緒にお風呂入る?」

「入るー!!」


背中と髪を洗ってもらっちゃったぜ、やっぱシオンママは最高や!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る