第18話二期生とカラオケオフコラボ3

「♪――――♪」


マシュマロ返答も終わり、いざカラオケが始まった。


コメント

:うまスギィ!

:耳が孕む

:イケボすぎなんだよなぁ

:普段がイケボの無駄使いすぎるんだよwww

:聖様は歌モードのイケメンさを普段の残念さでプラマイゼロにしてるから

:なんでゼロにする必要があるんですかねぇ

:ストゼロが近くにいるからゼロに引き寄せられてるんでしょ

:流石永遠の0


先陣を切った聖様の芯のあるクールな歌声が一瞬でカラオケルームとコメント欄を魅了する。

うーん、流石歌にも定評がある聖様。 普段がかなり振り切ってるからそのギャップもありコメント欄も私も大盛り上がりだ。

まずいな、これはハードルが上がってきた……

そもそも何を歌えばいいのだろうか? V界の歌事情を考えると……流行のJpopやボーカロイドやちょっと懐かしめのアニソンが多いイメージがあるなぁ。


「どうするシュワちゃん? 次歌う?」

「あ、ちょっと曲悩んでるので、シオン先輩お先にどうぞ」

「そう? ……もしかして歌苦手で歌うの嫌だったりする?」

「うーんどうなんですかね? 実は歌うの自体久しぶりで……」

「そっかぁ、でも大丈夫! もし歌えなくても私が一緒に歌ってあげるから!」


おほーーー( ◜ω◝ )バブみで溶けそうなんじゃー!

そんなやりとりをしているうちに聖様の歌が終わり、シオン先輩にバトンタッチされる。


「♪――――♪」


コメント

:あれ? 天使の声が聞こえる? 俺死んだ?

:これは癒し

:実質アヴェ・マリア

:超うまいってわけじゃないけどずっと聴いてたい

:歌のお姉さんみたいな声

:お姉↑さん↓だと! お母さんだろォ!?


や、やばい! シオン先輩の歌に夢中になってたらもうすぐ私の番来てしまった!

もう迷っててもしょうがない! こうなったら聞いたことある曲の中から思いついたの入れよう!

よし、曲はこの『レモン』でいこう! 行きます!


「♪――――♪」


コメント

:お? 意外と普通な選曲

:オリオン〇の下でとか来ると思った

:草

:チチ〇モゲとかいかがっすか?

:選曲地獄過ぎて草

:てか普通にうまくね?

:うめぇよこれ!

:これマ?

:サビが楽しみ


「♪――――♪」


コメント

:ファ!?

:エグいくらい声伸びてて草

:テクニックとかは感じないんだけどすっげぇパワフルやな

:とてもストゼロの通学路になっている喉から出てるとは思えん

:心なしか晴ちゃんと似た歌い方な気がする


コメント欄が驚きでざわつき、先輩方も目を大きく開けてポカーンとしているが、驚いてるのは私自身もだった。

なんだろう、今までも記憶になかったぐらい気持ちよく歌えてる気がする。

……もしかしてお酒が入ってるからかな?

前にうまく歌えない人の原因の一つに人前で恥ずかしがって声が出にくくなる人が多いと見たことがある気がする。

お酒が入ってるからそこら辺の羞恥心がいい具合に緩和されてうまく発声ができているのかもしれない。

そして一度歌える楽しさと喜びを知ったらそれは自信となり、その後も気持ちよく歌いきることができた。


「ん゛ん゛ん゛ぎもぢいいいぃぃ!!」


コメント

:草

:歌で絶頂した女

:手〇キカラオケかな?

:途中まで百点だった。 最後にストゼロでたから0点

:落ちつけるところまで芸人で草


「びっくりしたよ! シュワちゃん歌うまいじゃん!」

「これは一緒に歌わざるを得ないね」

「ふっふっふ! これがストゼロ歌唱法です!」

「「は?」」


コメント

:は?

:は?

:は?

:絶対零度やめろ

:-196℃は伊達じゃない!


一瞬で困惑で空気が凍り付いたりもしたが、そのあとも先輩方と一緒に歌ったりと大いに盛り上がった配信となった。

これも全てストゼロのおかげ、だからみんな――


ストゼロをすころう!


「あ、このバンドのゼロって曲すきなんですよー」

「へー! シオンママ聞いてみたいなー!

「はい!」




「あ、このButte〇fly StrongVersionとか一緒に歌いません?」

「いいよー! でも、なんでオリジナルじゃなくてStrongVersion?」

「んーなんとなくこっちがいいかなーっておもいまして」




「あ、この洋楽のStrongerって曲最近よく聞いてるんです!」

「…もしかして淡雪君、スト〇ングゼロつながりの曲しか頭に浮かんでなくないかい?」

「…………へ?」


コメント

:草

:www

:頭の中ストゼロ畑かよ!

:一曲目もレモン味繋がりか笑

:予想外すぎる選曲傾向で草

:さすが期待を裏切らない


みんな、すこり過ぎには気を付けてね!

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