第11話 20年ぶりの再開?
ポッ、ポッ、ポッ。
スラスケが小さい火球を吐き続ける。
…………
マジでしょぼい。スラスケ的には満足らしいが、人間だった俺から言わせてみれば『こんなもん戦いで使えるか!』とツッコミを入れたくなるほどだ。
まあ、しかし、元からスライムのスラスケは自分が魔法を使えること自体が『勇者の剣を手に入れて最強になった村人』くらい嬉しいんだろうな。おっと、例えが微妙にわかりずらかった。
「なあ、もっと火力あがんないの?」
「むり」
「はあ。この姿ほんとに嫌なんだけど。あ、まって。何かくる」
ガサガサと草が揺れている音がする。まずいな、視点が低いから状況が掴めねえ。触手に目線移せないかな? あ、できた
バレない程度に上に伸ばすか。この絵面絶対気持ち悪いじゃん。はあ、我慢我慢。
「うわっ。キッモ。なんで伸びてんの?」
「キモい言うな。仕方ないだろ、こうしないと状況確認できないんだから」
「それで、どうなんだ?」
………冒険者?! 人数は3人か、あぁ、20年ぶりか、人に会うのも。出て行きたいけど、確実に出てったら殺されるんだよな。触手生えてるし。いや? 抵抗しなかったらもしかして貴族に売られて、いわゆる『触手プレイ』をさせられたりするのでわ? え、最高じゃん。もしそうなったら、あんなことやこんなことを………
『わざと捕まってムフフな展開を望みますか?』
『▹はい / いいえ』
頭の中にそんな言葉が浮かんだ。『スキルレベルが上がりました』とかのシステム上の物とは別のものだ。
「おい、黙ってないで何か言えよ」
はっ! だめだだめだ! 欲望に逃げた人間の最後は醜いものになるって聞いたことがある。もう人間じゃないしすでに醜いけど。それに、これはR15の
ギリギリ誘惑に勝った。危ない危ない、人として超えてはいけない一線を超えるところだったぜ。
「あ、ああ。冒険者が3人通ってるな、黙ってれば去っていくと思うぞ」
「その冒険者俺たちで倒せないのか?」
「んー少なくともお前の魔法では無理だろ」
「は?! とりあえずステータス見てみてくれよ」
「おう」
種族『人』
Lv 13 ♂ オルド
職業 戦士
進化まで後Lv--
HP: 72 MP: 21
攻撃力: 46+18
守備力: 34+15
素早さ: 23
魔法耐性: 16
スキル 憤怒 火炎斬り
装備効果 無し
The戦士って感じのステータスだな。ちなみにプラス値は装備補正の効果だ。攻撃喰らわなければ勝てないことも無い。
人間には『職業』欄がつくんだな? 魔物よりもステータス表示が少ない。まァ普通の魔物より賢いからわざわざスキル使わなくても『たいあたり』とか『斬撃』とか全然できるしな。それと、もちろん人間は進化しない。
次
種族『人』
Lv14 ♀メリル
職業 魔法使い
進化まで後Lv--
HP:43 MP: 82+21
攻撃力: 18
守備力: 23+20
素早さ: 24
魔法耐性: 18
魔力: 201+20
スキル 自然魔法 シールド 爆発魔法
装備効果 無し
す、すごいな…偏りは激しいけど『天才』と呼ばれるやつだわ。魔力「201」とかえぐすぎでしょ。それに、普通、魔法は火魔法、風魔法、水魔法、土魔法、などなど、細かく別れるのだが、自然魔法はそういった自然に関するものを全て扱える。最高レベルの魔道士が喉から出が出るほど欲しがる代物だ。天才という他ない。ちなみに『魔道士』というのは魔法使いの最終形態みたいなもんだ。めっちゃ強い。
しかも女の子か……いや、ダメだ! そんな卑猥なこと、絶対だめだ!
『欲望と戦いますか?』
くっそ。。。
『▷はい/いいえ』
はぁ。気を取り直して次行きマース。
種族『人』
Lv12 ♂ マイル
職業 僧侶
進化まで後Lv--
HP: 56 MP: 76+18
攻撃力: 23
守備力: 37+15
素早さ: 21
魔法耐性: 26
魔力: 102+21
スキル 回復魔法 草魔法
装備効果 無し
攻撃もできる僧侶か、序盤でなら使えるな。てか、やっぱあの魔法使いやばいでしょ?! 魔力200越えとか。何十年に1人レベルだよ? あの魔法くらったら即死だわ。
「で、どうなんだ?」
「絶対にバレない方がいいかな。1人やばい奴がいる。」
「ヤバいやつ?」
「魔力がスラスケの4倍ある。 レベル14で。しかもスキルもやばい」
「14で、俺の4倍……」
またしても種族差を見せつけられたな。人間は進化出来ないため、元からステータスがそこそこ高い。そして、人間には『職業』と言うものがある。職業は5歳の頃に神から与えれるとされていて、職業によって今後のステータスの伸びが変わる。僕の職業は……内緒です。時が来たら教えます。
元最強の魔道士だったり?
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