第10話 フラグ…回収。

 ただ今の状況を説明します。目の前には笑い転げるスラスケ。そして、ステータスを一応お見せします。



 種族『ーーー』

 Lv24 ♂ スラオ


 進化まで後Lv1


 HP: 74 MP: 28


 攻撃力: 42

 守備力: 63

 素早さ: 27

 魔法耐性: 8


 特技 無し


 スキル 毒霧 硬化 撃進 鞭打ち


 個体特性 触手


 特殊技能 無限成長


 称号 転生者・超晩成型・進化者・変態



 そしてスラスケ



 種族『ファイアスライム』

 Lv22 ♀︎ スラスケ


 進化まで後Lv3


 HP: 42 MP: 37


 攻撃力: 28

 守備力: 38

 素早さ: 11

 魔法耐性: 21

 魔力: 57


 特技 無し


 スキル たいあたり 毒霧 硬化 火炎


 個体特性 火


 特殊技能 無限成長



 見ての通り、大幅に強くなりました。何があったかと言うと、2匹して湖に行った後、自分の姿をキモイけどクセになるなと思いながら見ていると、突然レベルアップの効果音が鳴り響いたのです。それで、進化レベルを10超えると強制進化されるらしく、スラスケと僕は進化しました。スラスケはファイアスライムに、そして僕は…






 ――『触手スライム』に。






 そうして、さっきの状況に戻るわけです。


「はははは、気色悪!」


 笑い転げるスラスケ。


「うるせーよ!!!」


 スラスケが、変なフラグを立てたせいで、本当に触手スライムへと進化してしまった。なぜ、こんな早くに進化してレベル最大に迫るほどの大量の経験値が入ったかと言うと、僕がやった作戦が思ったより大ダメージ与えていたようで、2匹分の魔猪へボアの経験値が一気に流れ込んできたのです。僕の方がレベルが高い理由はダメージを与えた割合が僕の方が多かったから。


「まさか本当になるとはな」


 スラスケは笑い転げている。


「笑い事じゃねーよ! まぁ、あと1レベル上げれば進化できるから良いけど、何この絵面?! キモすぎんでしょ!?」


 水面に映る青い身体に触手の生えた自分を見てそう思う。ダメだ。心が折れる。早く進化しないと。


「俺はかっこいいやつになったからこのまま進化せずに強くなりてーなー」


「何言ってんだ。まだまだ魔王に勝てないぞ、進化しなかったら成長限界くるし。それより、穴の場所に戻ってボアにとどめをさそう。お前の魔法ならダメージ通るはずだから」


「お前の格好まじきもいしな」


 ははははと、笑い転げるスラスケ。


「キモイ言うな」


 2人は穴の方へと引き返した。道中、大蟻ビックアントと遭遇したが、新スキル『鞭打ち』でビシっ! と一撃。蟻の首と胴体がサヨナラした。


 着いた。薄紫色の霧が溜まっている穴の中で、生き残った魔猪へボア3匹がむさ苦しく鳴いていた。


「そんじゃー頼むよ。俺の攻撃力じゃダメージほとんど与えられないし」


「おう、任せろ!」


 ――火炎ファイア


 ファイアスライム。その名の通り火を扱うスライムだ。このクラスのスライムになると駆け出し冒険者パーティーも多少は苦戦するようになる。

 しかし、それは水を扱う人間がいない場合の話だ。属性がついたせいで弱点が出来たため、水属性を扱う人間がいれば一瞬でやられる。


 さらに体自体がメラメラとしているため大量の水を被ると死ぬ、可哀想な奴だ。まぁ、スライムなんて最初はこんなもんだから仕方ない。


 そういえばこのクラスのスライムは冒険中はほとんど出会わなかった。理由は簡単で、スライムはすぐ死ぬからだ。多分だけど、次の進化が来たらスライム達から神扱いされるだろう。これから先スライムに会えばの話だけど。


 スラスケが『火炎ファイア』を使う。身体の火力が強まり次に口からぽっと火球が出てきた。


 ………………。


 しょぼい……。所詮スライム……まあ出るだけマシだろう。獣型に火は効果的だしな。



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