私、理解者ができちゃった!(3)
「ただいま!」
女の子の声が室内に響いた。
「枝季!お帰り!」と草加部さんは女の子に声をかけた。
女の子は、私の姿を見るなり
「あっ、初めまして!草加部枝季(えり)です」と自己紹介をしてくれた。
「初めまして、葉山香純です。宜しくね!」と答えた。
草加部さんの話では、枝季ちゃんはザワザワ影が最近見えるようになったようだ。
お父様(枝季ちゃんにとってはお爺様)の影も見えたそうだ。
枝季ちゃんは現在高校2年生。
影と災いの関係性については余りわかっていないとのことだった。
私は枝季ちゃんとおしゃべりをした。
まるで妹が出来たみたいだった。
好きな食べ物や興味のあることも似ていた。
すぐにLINE交換をして、次の休みに一緒に出かける約束もした。
そんな楽しい話の中、
「そう言えば、前に香純さんのおじさんを見た時、変な影が近くにあるのを見たのだけど...」
その後に、おじちゃんは怪我をしたそうだ。
「実はね...枝季ちゃん。その影はね...」と私が知っているザワザワ影の話をした。
「えっ?そうなんだ...だから...お爺ちゃんの時も影が見えた後にいつも怪我をしていたのか...。」
少し、枝季ちゃんは驚いていた。
「でも、影が見えるって凄いことだよね!私たちが救える人がいるってことだよね?」と、枝季ちゃんは言った!
「そうよね!枝季!凄いじゃない!」と草加部さんが続いた。
「た、確かに...でも影が見えるのは...気持ち悪いよ...」
と、私は伝えた。
「そうかも知れないけど、嫌なことを避けて良いことに変わるなら、とっても良いことだと思う。私たちにその力があるなら、やりたい。困っている人がいたら助けたい」と、枝季ちゃんは話した。
(本当に良い子!)
私はそう思った。
「怖いことがあったら、私が話を聞いたり相談にのるから、いつでも話してね」
と、草加部さんが話してくれた。
本当に心強い人たちに会えた。
枝季ちゃんとは、これから楽しくやって行けそうだ。
影の話はこれくらいにして...。
私は失礼しようと...
「今日はありがとうございました。これからも宜しくお願いします!」と2人に伝えた。
「えっ?もう帰るの?折角だから晩ご飯食べていったら?」と草加部さん。
「そうだよ!香純さん。もう少し、話をしようよ!」と枝季ちゃん。
私はお言葉に甘えることにした。
草加部さんの料理は絶品だった。
おじちゃん以外の人の料理を食べることは初めてだった。
ちょっと嬉しかった。
私は楽しい時間をもう少し過ごすこととなった。
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