第3話 学園長
「御手洗先生……」
御手洗と呼ばれた男は、ナツキに話しかける。
「天王寺……ナツキさんでしたっけ? 人間の貴方が呼ばれたということは、何か特殊な力があるということになりますが……何かお力でもありますか?」
ナツキは力があるかと言われ、一瞬悩む仕草をするが。
「何もないよ……ただの普通の人間のはずです……」
と、言った。 それを聞いた御手洗は。
「ふむ……この後に愛理さんと共に学園長室に行きましょう」
そう言い、周りの生徒に授業は終わりですと言った。
「愛理……だっけ? なんかよくわからないままだけど、これからよろしく」
ナツキは愛理に話しかけ言う。
「はぁ……召喚の儀だと思って浮き足立ってた私が馬鹿だったわ……とりあえず学園長に会いに行きましょう……」
肩を落とながらナツキを連れて、御手洗と学園長室に向かった。ほどなくして三人は学園長室前に到着をした。
「愛理君、ナツキ君を連れて入ってくれ。 私はここにいるから安心をしていいよ」
御手洗はそう言い、壁に背中を預ける。
「行きましょう、ナツキ」
二人は学園長室に静かに入る。
「ようこそ愛理さんに天王寺ナツキ君」
二人を迎えたその人はどこか聡明で、見つめられると全てを見透かされそうになる感じの人であった。
「お二人とも、いらっしゃい。 愛理さんはお久しぶりですね」
学園長に話しかけられると、愛理は少し俯いてしまう。
「お、お久しぶりです。」
愛理はどこかおどおどしだし様子である。 ナツキは一瞬考えたが、今は自分の召喚された理由が聞きたかったために無視をする。
「学園長! 俺はなんでこの世界に呼ばれたんだ!!」
ナツキは学園長に詰め寄り机を叩いたが、それを愛理はすぐ止めに入る。
「愛理さん!! 止めないでくれ! 俺はなぜここに呼ばれたかを知りたいんだ!!」
ナツキはここに連れられた理由や、なぜ自分なのかが理解できずに悩んでいた。
「ナツキさんは、自分がなぜここに呼ばれたと思いますか?」
学園長はナツキに自分が呼ばれた理由を考えさせようとしていた。
「俺が……ここに呼ばれた理由……ですか?」
(そんなの解るわけないじゃないか……俺は普通の人間なんだぞ……)
「解りません……俺は普通の人間ですから……」
ナツキは右手で頭を押さえながら言った。
「ナツキ……」
そう呟きながらナツキの肩に手を伸ばす愛理だが、途中で手を握り締めて止める。
「君に何かあるから、私はこの世界に……愛理さんに呼ばれたんだと思いますよ?」
「何かあるから……か……」
(まさか俺が魔法使えたりするからか? ありえないだろ……俺は普通の……)
「まさか俺に魔力でも……?」
ナツキは学園長にふと思ったことを聞いて見ることにした。
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