11.大悪魔の力
「"
クウは大男──ゴーバの名乗りを、自分の口で繰り返した。同時に、ナリアが教えてくれた情報を思い出す。
黒の騎士団が
「おい、クウ! バカ野郎!
「えっ──」
それはソウの警告と、ほぼ同時だった。
ゴーバの持つ
「うぐっ──!」
雷光はクウに命中すると、バチッという音を伴って破裂した。この衝撃で、クウの身体は後方に吹き飛ぶ。
「クウ!」
ソウが瞬時に輪を展開し、クウの真後ろに瞬間移動する。飛ばされたクウの身体を受け止めるも、衝撃を全ては
「──ふん。まるで戦う
ゴーバが
「おい、クウ。無事かよ?」
「お陰様で、どうにかね。──ありがとう」
クウとソウは、ゴーバから目を離さないようにしながら立ち上がる。
「参ったぜ……。こんな"緑の領域"の
「黒の騎士団の幹部、だよね。"イルト"に来て間もない僕にも、あいつがヤバそうな奴だって分かるよ」
「実際にヤバい奴さ。奴は"
「強烈な
「その通りさ。奴の馬鹿力は、そこらに転がってる騎士団の
「やっぱり、あいつがやったんだね。──でも、どうして味方を?」
「──当然の報いだろう」
クウの質問に、ゴーバ自身が答える。
「我ら"黒の騎士団"は、イルトを絶対的に支配する事を目的に、侵略を続けている。絶対的な支配──それは他種族が我らに抵抗しようという考えすらも起こさぬ程の、圧倒的な力の差を見せつける事で実現するのだ」
ゴーバは自分の
「だが騎士共は、その意味を理解していなかった様だ。そうでなければ何故、貴様らがここに現れる? 何故貴様らは、
ゴーバはそう言うと、再び
「イルトの伝説、"人間"。多少は期待していたのだがな。
ゴーバの
「──私の王子様に、手を出さないでくれる?」
ゴーバは気配を感じて頭上を見る。剣を持ち、高く
「ぐおおっ!」
「──浅いわね」
ゴーバは切られた部分を手で押さえ、
フェナは
「見た目通り、タフね。一般兵なら、もう5回は殺してる筈だわ」
動きの
「フェナって……本当に
「あん? フェナだと……。あの女、まさか悪魔狩りで有名な"
クウの
「ソウ。彼女はナリア達が捕まってたエリアの、
「”
「フェナ、大物だったんだ……。ちなみに、"
「知らねえな。けど、噂によるとあの女、自分の身体から
「猛毒……?」
クウは、フェナが
「きゃっ!」
クウが、フェナの小さな悲鳴を聞いて振り向く。フェナが体勢を崩し、
ゴーバが一瞬の隙を突き、フェナの服を手で
「小娘が! ──消え
ゴーバが
「"
クウは自分の真後ろに向かって爆風を発生させ、その衝撃で前方に吹き飛んだ。空中に身を投げ出されたクウは、落下地点のゴーバに向かって剣を構え、彼の
「ぐああああ!」
ゴーバの悲鳴が響き渡る。クウの一撃は見事に命中し、ゴーバの額の角を切り落とした。
「──二度も、助けられちゃったわね」
「いや、完全にまぐれだよ。次は期待しないで」
クウとフェナは言葉を交わしながらも、ゴーバからは視線を外さなかった。二人の更に後方にいるソウも、
この時、3人は
「下等種の寄せ集め
「──"
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