36話

無事弓人くんも到着し、4人でのゲームが始まりました。


「え、待って。弓人上手くね?」


「おぉ…」


「弓人くん、すげぇ!!」

見ての通り、弓人くんはゲーマーのようです。


「そうですかね、嬉しいっす! 花も上手くないですか?」


「え! そうなの? 花ちゃんとゲームしたことなかったわ〜」


「そうだな。ってか、山本さんもゲームとかするんだ」

ゲームより読書ってイメージだったな。


「花も俺と張り合う“ゲーム好き”っすよ。先輩たちの花のイメージそんな感じなんですね」


「花ちゃん学校で静かだからなー。弓人と話してんの見た時も驚いたもん」


「…学校での花ってどんな感じですか?」


「花ちゃんはー。史人の方が仲良いよな?」


「あー、まぁ」

おぉっと、弓人くんも嫉妬系男子だけど大丈夫か?


「そうなんすね、お世話になってます。どんな感じですか?」

あんまり気にしてなさそうかな?


「んー。穏やかで静かなイメージかな。さくら達と仲良いよ。でも、クラスが違うからこれくらいしかわかんないなぁ」

かわいらしいとか言ったら怒られそうなのでやめます。


「なるほど、中学の時と変わらなそう」

じゃあ、昔から静かな感じで弓人くんにだけ心を開いてるのかな?


「俺らと仲良くなったのは花ちゃんが史人を呼び出してからだよなー」

智…弓人くんにそれは…。


「俺最初告白だと思ったわー!」


「ちょっと」


「へー、そうなんですね」

ほらほら弓人くん怒ってない??


「いや、山本さんのおばあちゃんを助けたってだけだからね?」


「わかってます、すみません。俺すぐ嫉妬しちゃって。別の学校に通うことになっちゃってもっと嫉妬するようになって…」

おぉ、弓人くん素直だなぁ。


「俺もするよ、嫉妬」

おぉ。急に話すな、たく。


「同じ学校に彼女いるけど。めっちゃ嫉妬する。好きなら嫉妬してもいいと思う」

たく…。


「たくさんも嫉妬するんですか!」

はい! この人は君よりかなり嫉妬します!


「かっこいい方でも嫉妬するなら、普通…なんですかね」


「俺も美咲さんと弓人が話してんの見て最初嫉妬したし、いいんじゃね? 相手に押し付けなきゃいいんよ!」

智がいいこと言ってる。


「え、俺美咲さんのこと好きじゃないですよ!」


「いや、わかってる。ってか、失礼だな!!」


「まぁ、皆嫉妬するから安心しろってことだ」

俺なんも言ってないけどね。あと、たくはもう少し嫉妬してない風にできるようにしようね。


「ありがとうございます。史人さんにはさくらさんがいるわけですし、ちょっと嫉妬しない術を身につけて生きていきます。まぁ、嫉妬しても皆そうって思って落ち着くことにします!」

うん、弓人くん偉いぞ。俺も見習います! たくも見習って下さい!!


「じゃあ、ゲームしよう」


「だな、次は弓人に勝つぞー!」


男子会、なかなかに楽しいものになってます。

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