第31話
このラブラブムードで手を繋ぐ…なんてことはなく…。
「そろそろ課題戻ろっかー!」
「おぅ、そうだな」
顔を赤くしたさくらが課題をやろうと言ったのは照れ隠しかもしれないけど、まぁ俺には手を繋ぐ勇気すらないんで、大人しく課題を進めてやります!!
あー、結構進んだなぁ。お、外暗くなってきてる。
「さくら、今日何時に帰る予定?」
「え。あ! 夕焼けになってきてるね〜」
外の暗さに気づかないほど熱心に課題をやる俺たち、学生の鑑!!
「俺もさっき気づいた」
「うーん、今が17時半か〜。18時…。ふーくん宅はいつまで平気?」
「俺ん家は夕飯19時とかだからって18時半くらいまでなら大丈夫だと思う」
俺はもっとさくらと一緒にいたいけどなぁ。
「そっか! じゃあ、18時に帰ろうかな〜」
「おぅ、了解」
ここから帰りまでも課題続けんのかなー。まぁ今日はそれが目的で集まったんだもんなぁ…。休憩のときにちょっとラブラブムードになれただけどもありがたいと思わないとだよなー。
「ふぅー。疲れちゃったから帰りまで一休みしようかな〜」
おぉ! さくら、俺の心でも読めんのかよ!
「おぅ、俺も疲れたから休むわ」
「お疲れ様〜」
「おぅ、さくらもな」
「ありがと〜」
お? さくら立ち上がった。
「ちょっとだけふーくんの隣にいよ〜」
…!? 俺の隣に来るために立ち上がったのか! かわいい…。胸キュンですぜ、さくらさんよぉ。
「どうぞ、どうぞ」
「うふふ」
かわいい! 手…繋ぐか? ここで手を繋ぐって変なのか? 抱きしめる…とか? 抱きしめるってどうやんだ? こう、横から手を回す的なことか? わからん…。やっぱ手か。手を繋ごう。よし…
「さく…」
\コンコン/
「あら、休憩中だったー? さくらちゃん今日家でご飯食べていかないかしら?」
母さん…。
「え! いいんですか!!」
「えぇ、いいわよ〜! さくらちゃんのお宅には連絡入れて置いたから食べていってね?」
「わぁ〜、ありがとうございます!」
「じゃあ、まだ時間かかるからごゆっくり〜」
「ありがとうございます!」
\パタン/
…一緒にいられる時間が長くなったのは嬉しいが、タイミングが…。
「ふーくんと一緒にいられる時間増えて嬉しい〜! お母さんのご飯も楽しみだな〜!」
「俺も嬉しいよ」
「うふふ、よかった〜!」
…まぁ、さくらも喜んでるし。これでいいか。
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