第20話

「ふーくん、なに頼む?」


「んー」

メニューもオシャレだなぁ。あ、メニューが書いてあるやつがオシャレなんであって、中身はThe カフェって感じですけど。


「私はカフェオレかな〜。コーヒー飲める大人になりたい」


「あー、わかる。俺もコーヒー飲めないわ…」

え。コーヒー飲めないのかっこ悪い…かな。うわ、どうしよ。


「だよね〜。いつかは飲めるようになるぞー!」


「おぅ、そうだな。ってか、ここでコーヒー苦手話は良くないな」


「あ、そうだね。ごめんなさい〜」

さくらの前でカッコつけたって、ずっと一緒にいたんだからバレるよな。自然に楽しくいられるのがいいんだから。


「さくら、カフェオレな。注文していい?」


「あ、何か食べ物も頼んでいい?」

お、放課後に飯とは食欲旺盛☆なんちゃって。女子の皆さんごめんなさい。


「あー、今ふーくん。放課後に食べるの? って顔してた〜」


「し、してねぇ」

図星です…。


「ふーくんにはあげないもーん」


「えー」


「色々ある〜。美味しそー!」

確かに、うまそうだな。俺も…。


「ふーくんは頼まないでしょ?」


「え、俺も食いたい。ごめんな、ちょっと食うのかって思ったけど…。ビックリしただけっていうか…」


「うふふ、冗談〜。いじわるしてごめんね! ふーくんも食べようね」

いじわる…。かわいいから許す!


「じゃあ、私ガトーショコラー!」


「あ、被った」


「えへへ、気が合いますね〜。2人で別の2個分け合う? それともガトーショコラ2個にする?」

別のを分け合えばさくらからのあーんがもらえる可能性が上がるな…。さくらがもうひとつ食べたいのを聞いて、それを選んであげれば好感度も上がって“ふーくん優しい、大好き!”ってさくらがなるな。うん、分け合えおう。


「さくらが他に食べたいのあれば別の2つ頼もうぜ」


「んー、どうしよ〜。ガトーショコラの気分になったからなぁ。じゃあ、2人でガトーショコラ1つずつ食べちゃお〜!」

おぉっと、予想と違った!? そうか、さくらはこれと決めたらそれ一筋ってタイプだもんな。まぁ、俺もガトーショコラの気分だしいいか。


「おぅ、じゃあそうするか」


「うん!」


「すみませーん」


「はい、ご注文ですか?」


「はい、えっと。カフェオレ1つとカフェラテ1つとガトーショコラ2つで」


「かしこまりました。お飲み物はお先にお持ちしてよろしいですか?」


「はい、お願いします」


「かしこまりました。では、少々お待ちください」


「ふーくん、頼んでくれてありがとう」


「おぅ」


めっちゃ気にしないで頼んでたけど、感謝されると嬉しいな。ちょっとしたことにもありがとうとか、ごめんとか言えるさくらが好きなんだよなぁ。


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