【オンライン】383話:魅了とは敵も味方も虜にしてこそ⑩
作戦実行の為にスキル取得と演出を考えてどうすれば色々な人を感動させられるかの話し合いから、姉さんが用意してくれた練習場所での本番と同じ環境下での特訓。
ゲームをしていると言うよりも、バーチャル空間内で歌や踊りの特訓をしていた時間の方が長かった気がする二週間だった。
お陰様でどんな事態になろうと、ステージを完遂できる自信だけは妙についてしまった気がする。
シュネーやスズメちゃん、サクラちゃんの三人は軽くステップや動きの確認しながら、体を動かして柔軟しながら緊張を緩和している。
「はぁ~、音姉も歌うんだよな?」
「もちろんよ、妹と一緒に出来るステージに立たない訳がない」
姉さんはもう全力で楽しむ気満々であるようだ、僕を猫撫でしながら早く一緒にステージに立ちたい気持ちを抑えているようだった。
なんか本番まで僕等はステージの事ばっかりで、裏工作やら舞台の細工を任せっぱなしになっちゃって申し訳ないね。少しは手伝えれば良かったんだけどな。
「スノー先輩、余裕ですか?」
〈いやいや、そんなことはないよ〉
「その割には他の事を考えていたように見えるよ~、ボクらなんて緊張しっぱなしなのに、スノーっては上の空でボケ~とステージを見つめちゃってさ」
「心配ごと?」
〈他の事は全部手を付けてない、信頼できる人達だけど丸投げだったから申し訳ないって思っちゃって〉
「そう言うのは、最高のステージを見せる事で返すのよ。私達アイドルだって何でもかんでも一人じゃあ出来ないんだから、その道のプロにぶん投げて全力で最高のモノを用意して貰ったなら、用意して貰ったモノに恥じない様な最高の時間をプレゼントするのよ」
元々は此処まで本格的にやる予定ではなかったんだけどね。
何故か知らないけど、出来上がったステージは予想以上にしっかりと出来ていて、カミさん達の宣伝で来た人数はラコスに住む人達のほぼ全員。そして噂を聞きつけたプレイヤーさん達にグランスコートの住人もエーコーさんが作り出して写し絵の魔法で、巨大なスクリーン上にしたモノをホームに作って、色んな箇所で見れる様にしてくれている。
広場はもちろん、ファンダズマやエーコーさんの森、鬼達の町と凄い人数が集まっている。
〈ねぇ、どういう意図があったのかは知らないけど。素人の僕等に此処までさせてるのって姉さんの後輩達に見せるためだったりする? なんか裏方の仕事を積極的にさせてるように見えたんだけど……。上手く廻りそう?〉
「よく見てるわね~その辺の事は気付かれない様に注意していたつもりなんだけど…… そうよ。あの子達ってば最近になって売れ始めてね、周りの人達を下に見る感じでちょっと悪い方向に向かってたから、せっかく才能があるのに勿体無いなって思ってね」
言っても分かる事がなかったから実際に体験させてみたって感じだろう、これで理解が出来ないなら、強制的に排除される算段って事だろう。
ズィミウルギアの世界なら行動は録画出来るだろう。反省の色や理解する様子が無いかは調べればすぐに分かるだろうし、後輩達の行動なんかは詳細に調査で来てしまう。
初めの方は文句を言いながらやっていたけど、今日までしっかりと協力してくれていたし、少なくとも一人は全力でサポートしながら、周りの手伝いを積極的に手伝っていた。
「こういう機会でもないと学ばせるチャンスって上手く作ってあげられないからね」
「はぁ~、その大変な部分を俺達にやらせなくても良かったんでないか?」
「あらダメよ。ずぶの素人じゃないとね。密かなテストにならないでしょう」
妖艶に微笑みながら、お手伝いを買って出てくれているスタッフさん達を見る。
〈まぁこっちとしても、イベントを仕切る人達の選別にやり方なんかの模索を学ばせてあげられたから、今後はグランスコートのみでお祭りを起こす事も出来るようになるから良いけどね。…………他に、変な事はしてないよね?〉
無茶ぶりは何時もの事だけど、姉さんの以上に高いテンションを見ていると、まだ何か別の事を隠していそうなのだが、それが何なのかが全然分からない。
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この時期は何故か、妙にお仕事が忙しくなるんですよね……(-.-)
まぁ理由は分かってるんですけどね。
五月はちょっと投稿頻度が下がります、大体、二日以内に投稿みたいな感じになると思います。申し訳ございません。_(._.)_
時間が取れたら前の連続で投稿できると思いますので、気長にお付き合い頂ければ幸いです。
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