【オンライン】376話:魅了とは敵も味方も虜にしてこそ③




 ケリアさんに仮の衣装を渡されたらしく、可愛らしい格好でスズメちゃん達が登場した。

 少し恥ずかしそうにしながら、僕の方へと近付いてくる。


「どうかな、変じゃないよね? ちょっと露出が高いきがするんだけど……大丈夫かな?」


 スズメちゃんが一番恥ずかしそうにしている。


「魅力はアップしてる?」

「意外と防具としての性能も高いんですよ、この装備」


 双子ちゃん達は僕の反応を見たいようだ。

 ワザとスカートをチラチラとさせて足を見せるようなポーズをしてくる。


〈はいはい、女の子がそういう事をしないの〉


 可愛らしい衣装を着てテンションが上がる気持ちは解るけどね。


 ……ん? 理解出来ちゃ駄目なんじゃないだろうか? いや気にしないようにしよう。


 なんか良くない思考に陥りそうになったから、慌てて頭を振って考えを切り替える。


「それでシャープ姉ぇは私達に何をさせたいの? こんな衣装まで用意して」

「私は楽器渡された? なぜ?」


 ムーンちゃんに渡されたのはベースだ。


〈弾けるの?〉


「嗜み程度には弾ける?」

「こっちはエレキバイオリンみたいね。楽器担当ってことね」


 ちなみにギターはティフォとスズメちゃんみたいだけど、スズメちゃんはシュネーと協力して演出の方にも力を貸してもらうつもりらしい。


 大弓で魔法の矢を打ち上げてもらい、水と光で空に花を咲かせるそうだ。


「前に貴方がやっていた遊び訓練も参考にして、色々な演出を考えてるのよ」


 ウィンクしながら楽しそうに姉さんが笑いながら言う。


「それにしても、ここまでやらなくても良いのでは?」

「先輩が私達に見せたいモノっていうのも、良く解んないし」


 手伝いで来てくれたであろう二人はちょっと不機嫌そうだった。やらされているのも、雑用だしメインでステージに立てる訳でもないから、不貞腐れているのかもしれない。


「自分は楽しいから別に良い……それに、先輩は無意味な事には全力を出さないし、気になる事も少しあるから、最後まで付き合いますよ」


 ただ一人の子は何か思う所があるのか、しっかりと姉さんや僕等を見ながら全力で支援してくれる気でいるらしい。


「そうありがとうね……でも、妹を無理やり誘っちゃあ駄目だからね」


 姉さんが微笑みながらそう言った瞬間に、彼の方がビクッと動いた気がした。


 僕よりもスズメちゃんやムーンちゃんにサクラちゃんの方が可愛いんだから、僕を狙ってくる事なんて無いと思うけどね。


 ミカさんやエーコーさんと、女性の魅力だって全然ないのに姉さんってば心配し過ぎな気がする。魅力で言えばティフォの方がモテそうだしね。


 もう既にファンクラブとかあってもおかしくはないだろう。

 ガウあたりなら、その辺に詳しそうだけど教えてはくれなさそうだな。


 彼は身長も低めだし、年齢的に今の僕と同じくらいの学年なのだろうか、少なくとも高校一年生くらいが良い所だろう。


 なんか、おずおずと僕の方を見てくる。

 正直に言って何と答えれば良いのか分からないから笑って返すしかなかった。


「スノーに妙な手出しは駄目だからね」

「私達がしっかりとガードするので大丈夫ですよ」


 シュネーとスズメちゃんが僕と彼との間に入って邪魔をするよ立つ。


 それだけで少年は怯んでいた。僕は彼女達の後姿しか見えないからどんな顔をしているかが分からない。そんなに怖い顔をしているのかな。


「そう言うのは良いからよ、俺を助けてくれよ」

「拙者も助けてほしいんだな」


 姉さんに扱かれて理由を付けて逃げ出したい二人に手を差し伸べる人は、この場には居なかった。楽しそうな姉さんの邪魔をしたら、後にどんな仕置きがくる分かったモノじゃないと、全員が理解しているようだった。


 双子姉妹は天性の感で察知しているみたいだ。








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ちょっと体調不良のため二日に一回くらいペースで休み休みの投稿が一週間くらい続きますので、申し訳ございませんがご了承くださいし……ゴールデンウイークに溜まったゲームを消化したいとかって訳じゃあないですよ(-_-;)




まぁ、書き溜めたモノも少なくなってきたので、それらの補充も兼ねて体調の管理と心身ともにリセットを含めた、溜めたゲーム消化と言った感じで、五月頭らへんは投稿頻度が下がります_(._.)_


(ゴールデンウイークくらいは遊びたいからね)……ごほっ、失礼なんでもございませんよ。




体調不良だったのは本当ですがね。皆さまも体調管理には十分お気をつけてお越しくださいませ。




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