【オンライン】354話:繋がったイベント⑩




「とりあえずの話し合いはこんなもので良かろう。先ずは内を強固なモノにせねばな、代表はスノーという事で異論はあるまい」


「補佐は私達で、スノー姫には自由にしてもらったほうが良いじゃろうしな。こういった娯楽なぞは特に自由な発想からくるじゃろうからな。我は異論なぞないのじゃ」


『アタシも構わないぜ。旦那からも下手にかたっ苦しい決め事は御免だと言われてるしね』


 殆ど僕は話し合いに関与していない気がする。


 まぁ別に口を出す事が何もなかっただけと言えばそれまでだが……こんな僕を代表にしては駄目だろうと、何度か言ってみたが全員が首を横に振って否定してくる。


「ボードゲームでも全敗という誰一人として勝てんとなると、やはりいざという時にはスノーの力が必要になるという事だ。己の能力をしっかりと把握して欲しいのう」


「どのゲームにも戦略や戦術、それに読みだってあるじゃろう。大の大人が束になって負けたのだから、素直に認めて欲しいモノじゃな。それに、この町に住まう渡り人達はスノー姫を筆頭に動くと思うのじゃが? 我らが声を掛けた所で集まり纏まる事は無いじゃろう」


「ここを大きくしていったのは、どう考えてもお嬢だろう。町の連中だってアンタからの言葉の方が受け入れるんじゃないかい」


 そうなのだろうか、確かにボードゲーム大会でも色々な人から感謝のお言葉を頂いたけど、重要な部分はティフォだったりダイチおじいちゃんが頑張ってくれたからなんだよね。


 店長達には交易なんかを任せっぱなしだ。


「はいはい、スノーは難しく考えないの。何時も通り基本は自由に考えさせてあげて、助言やらアイディアを出して一緒に考えてあげれば良いんだってば」


 シュネーほど楽観的には思えないけど、素直に受け入れよう。


「それでエーコーさん。ラコスの動きってどうなると思いますか?」

「そうだのう。敵対まではいかぬだろうが……不満を言うてくると思うぞ」


 チラッとミスユ団長の方を見て言う。


「我が原因という事じゃな」


「色々と因縁があろう、お主自体には関係がないとしても、種族での蟠りというのは根深くあるものだしのう。ズミナの御蔭で抑えられている部分もあろう」


「下手するとズミナ殿が怒るでござるから、下手に注意が出来ないでいるという感じでござるか? でも、それだけではなさそうなんだな」


「そろそろミカさんが情報を持ち帰ってくれると思うんだけどな」


 確実な情報を持ち帰ってくるのは待っている状況だから、ミカさんが帰って来てくれるまでは、僕等も下手には動けないんだよね。


 冒険をするにも、迎える先はファンダズマの方かラコスの方かしかない状態だ。


 鉱山区は道が出来るまでは本格的な調査はお預けというのもあるけど、ファダマさんから怪しい場所の発見報告が無ければ、新エリアの見込みは無いだろう。


 積極的に手伝ってくれているので、偽の情報という事はない。坑道も熟知しているファダマさん達の方が安心して任せられるし、新エリアを開拓したい人達はもう既にファンダズマの協力はサポートを得て、皆が頑張ってくれている最中だ。


 だから僕等はラコスに集中して、何とか取り込む形で先を目指してみようという感じになっているのだ。そこから先は未知のエリアがあるだろう。


 ……って、ミカさん達が言っていた。


 理由はケリアさんや店長達が手に入れてきた素材だ。知らない者が多く未発見だったアイテムがラコスで扱われている事から、ラコスを攻略しない限りは新エリアに行けない。


 なにせ、先へ進む為の大門を閉じてしまっているので、僕等が先に進めないのだ。


 大門の情報は交易を広げる為に(旅行気分で行った)三人組店長ズが見つけたらしく、情報を持ち帰って来てくれたのだ。





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