【オンライン】350話:繋がったイベント⑥
僕等とファンダズマに認められた者の証として、ライトクリスタルで出来た勾玉を其々が貰い受けた、ミカさんやアズミルの分まで分けてもらい、後で渡してほしいと頼まれた。
もう一つの大きなアイテムは、転移門の設置用で魂と洞窟をイメージした銅像も渡されている、所々に光の結晶石が使われていて、六芒星が描かれている。
お土産として、数種類の結晶石も貰っている。
数が多くあるのは、密かにエーコーさんに進めてくれという感じなんだろうと思う。
森では絶対に手に入らない、ライトクリスタルや魔鉱石なんかもそうだろう。
エーコーさんからしても、貴重な品になるモノばかりが余分に多く渡されている。
「良いのかしら、私は結局何にもしてないんだけど」
〈フーさんには後々で手伝いを頼むと思います〉
「もしかしたら、幽霊のモンスターを仲間にするかもしれないしね」
僕とシュネーはチラッとティフォの方を見つめる。
「確かに俺のテイム出来るモンスターの数は後三匹だけどな、幽霊は流石に仲間にしないと思うけどな。それにな、俺が仲間にしたいのは騎乗できる魔物だからな」
そう言いながらも、スパイクちゃん達に懐かれてしまい仲間にしたのはティフォだ。少しでも甘えてくると、すぐに心を許しちゃうんだから。
「確かにティーちゃんってば人気者だものね~」
「下手したらもうついて来ているかもしれないでござるな」
幽霊だから今は見えていないだけで、密かについて来ているっていうのはありそう。
ホラースポットに行って連れてきちゃったと言う話はよく聞くしね。
「でも幽霊の魔物って何が居る?」
「アンデットならすぐに思い浮かぶけど……骨とか人魂なら。街で見かけたもんね」
ハリネズミの次は二又猫、その次はなんだろう。どうせ懐くのは小さくて可愛らしい子が擦り寄ってくるんだ。九尾なんかは大きくなるから違うとだろう。
「ねぇ兄ぃ。足元にいる毛玉は何なのか聞いても良い?」
スズメちゃんが馬車の隅っこに座っているティフォの脛に擦り寄っている毛玉を指差す。確かに丸っこい毛玉が、ふにふに言いながらティフォに擦り寄っているように見える。
「知らねぇ。というか何時の間に居たんだよコイツ? さっきまで居なかったよな」
確かに、僕も見た覚えは無いし、初めから居たら気付いてるはずだ。
「ふふ、ふふふ」
馬車を引いている僕のすぐ隣で、可愛い笑い声も聞こえてきた。
足をパタパタと動かしながら、小さなおかっぱ頭の黒髪ストレートロングな人形みたいに可愛らしい女の子が座っている。
〈えっと、キミは誰なのかな?〉
小首を傾げて、口元に人差し指を当てながら「ん~?」という感じで唸っている。少し調べて見ても、アクティブモンスターではないみたいだ。
別に敵意を向けられていないなら、とりあえずは問題ない。
僕の袖を引っ張ってきて、ポケットを指差してくる。
くぅーとお腹を空かせているらしく、何か欲しいみたいだからシュネーと一緒に後で食べようと思っていたクッキーを渡す。
「あぁ、僕の分は⁉」
〈ちゃんとあるから大丈夫だよ〉
「それならよし、味わあって食べなよ」
小さな女の子は嬉しそうに小さな口で一生懸命に食べながら、シュネーの言葉に頷く。
「スノーちゃん、その子ね。私の【鑑定】で調べたら、座敷童って種族だって」
フー先輩が少しだけ震える指先を小さな女の子に向けている。
「妖怪も一応は魔物?」
「たぶん、そうだと思うわよ……九尾だって魔物扱いだったでしょう。友好的だったから、今は普通に暮らしてるけどさ」
「じゃあ兄ぃくっ付いてるのは?」
「脛擦りだって、毛玉にしか見えないけど」
なんか妖怪が一人と一匹ついて来たみたいだ。
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