【オンライン】334話:お店の防犯システム




 少し見ない間に、ケリアさんのお店も随分と様変わりをしていた。


 看板も凝ったデザインだし、外装なんかは可愛らしい装飾が飾られている。外に置いていても大丈夫な様に全部が木製で作られたモノが多い。後はケリアさんがお店に居るかどうかの判断が出来る様に、こけしみたいな人形で表しているっぽい。


「へぇ~お店の門もしっかりとしてるし、雰囲気もバッチリ決まってるね」

「左右のライトクリスタルも良い案倍でござるな。分かり易く目印にも良いんだな」


〈小物類も作ってるんだね。外から見える様に飾ってあるのはミサンガかな〉


 木彫りの人形に今月のオススメ商品という感じで、可愛らしい服が飾られていて、小さい子達にも見やすい位置には、手頃な値段設定のアクセサリー類を置いている。


 魔法ガラスのケース内に置かれているので、よっぽどな攻撃をしない限りは壊れる事がないという。例えば、家が崩壊するレベルの爆発くらいじゃないと壊れないという話だ。


「ケリア~ん。おはようございま~す」


「あら~、いらっしゃいな。もう色々と忙し過ぎてスノーちゃん達と一緒にプレイ出来ないのが残念で仕方なかったのうよ~。あともう少しすれば、従業員達の指導も終わるから、そうなったら後はお店を任せちゃっても大丈夫。何時でもスノーちゃん達と一緒よ」


 従業員さん達は大多数は若い女性が多い。


 イケメン風な男性もチラホラと混じっては居るけれど、なんとういうか……ケリアさんに近しい感じの雰囲気を持っている。


 従業員さん達が丁寧にお辞儀をして、挨拶もハキハキと元気良くしてくれている。


「それで、今日はどういったご用件かしら? 何か急ぎの用事って訳でもないんでしょう」


〈実は相談したい事があって――〉


 僕等が考えている防犯についての事を、サラッと用件だけを纏めてケリアさんに伝える。次第に何時ものくねくねした雰囲気から、商売人っぽい顔つきに変わり。

 最終的には、物凄くイケメンなお兄さんの雰囲気になっていた。


 ここまで段階的に変わるのも凄いと思うけど、やっぱり元は良い顔をしているんだなって思ってしまう。心は乙女という事は理解しているから、何も言わずに居られるけど。これは知らない女の人が見たら普通に惚れるレベルなんじゃないだろうかとも思う。


「なるほどね、確かにそう言うモノが出来れば格段に商売はしやすくなるわね。従業員達の負担だってかなり軽減されるし、安全に働ける環境にもなる。良いじゃない」


「それでね、ケリアんの意見を聞かせて欲しいなって思ってさ。防犯をするにしても、ボク等じゃあやっぱり分からない事だらけで、お客さん視点でなら見れるんだけどね」


〈経営者なんかの視点は分からない事も多くあるんですよ。防犯の作動にしたってまだ未知数ですし、想像でしか大まかな案は伝えられないしで、ちょっと困ってる所です〉


「ふふん、良いわ~。こっちにだって大きすぎるメリットがあるんだから、手伝わない訳がないじゃない。……それより、貴方達の方は終わったの、道作りをしてたんでしょう?」


〈道はもう決まったので、後は僕等が敷いた所をパニアやボウガさん達に作って貰うだけですね。あんまり僕等だけの力でやってしまうと、労働の働き口を奪ってしまいかねないし、住民やプレイヤーさん達も自分達で考えた案を色々と出し合って、作りたいモノもあるでしょうから、取りあえずは終了です〉


 そもそも、僕等の場合は特殊な馬車とニンフィが居るから、好き勝手に移動が出来てしまう。大きん通り道があれば、何処へだって行けると思う。


「ついでにケリア嬢に朗報でござるよ」

「あら、何かしら?」


「中央都市への道は完成したぜ。まぁだから商売関係をしっかりさせておきたいっていう案が出て来たって所な訳だ。ここにお店を開きたいって人達を確保できるようにね」


 治安の方は警備をしてくれている人達が多くいるし、なんか知らないけれど、警備隊なる人員を育成してくれている、お爺ちゃん達も居るので、そちらは後回しでも大丈夫そうだ。





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