【オンライン】309話:勝負と試合と勝敗の価値(18)
「案外さ、シールドを張れば花火みたいになって綺麗かもよ」
シュネーの何気ない一言で、皆が「なるほど」とそれぞれの視線が交わった。
「それならば、すぐに何とかなりそうね。大岩や廃材はゴーレム達に頼めば、何とかしてくれるのでしょう。時間も無いのですからね」
〈もちろん、全力であたらせて貰いますよ。元々は僕等が起こしたイベントですから〉
なんでこうフー先輩は挑発的に僕を見下ろしてくるのかね。
(別にティフォにはアピールしてないから、大丈夫ですって)
(信じられる訳ないでしょう。貴方達は距離が異常に近すぎるのよ。その事に気付いていないような女性相手に、気なんか抜ける訳がないのよ)
(気持ちは解るけどね。本当にスノーはティフォとはなんもないよ~)
(部外者は黙っていなさいよ)
(良いのかな~。あんまりスノーをライバル視していると違う所からかっさわれちゃうぞ)
(五月蠅いですね。分かってりますよ)
ヒソヒソと三人で喋っている間に、ティフォと僕宛に店長達からフレンドメールが届いていて、それにティフォの方が受け答えをしてくれていた。
「仲良くしている所悪いが、店長達が来るからさ。場所決めとか、誘導場所を決めちゃおうぜ。スノーはパニアを呼んで準備しといてくれよ」
仲良しと思われてしまって、それを否定しようとフー先輩がティフォに駆け寄っていく。
あれは多分だけど、何を言っても無駄だと思う。
〈シュネー、パニアって呼べるかな?〉
スキルのシンクロを使えば、離れているパニアに指示を出して呼べるはずだ。
「ん~、オッケー。今すぐにこっちに向かってくれるってさ」
パニアが最初に来てくれて、この場所を一気に整地し始めてくれた。
「人に頼むと時間が掛かるんだけど、やっぱりこういった作業は彼等の方が早いわね。あら、ウサギちゃん達も来てくれてるのね」
僕はパニアだけを呼んだと思っていたんだけどね。
どうして来てるのかと、ウサギ達を指差しながらシュネーの方を見る。
「なんかね、パニアの近くに居たみたいでさ。最近は色々と忙しくって、ティフォなんがウサギ達に構って上げられてなかったじゃん」
確かに最近んはうさぎ達と戯れている様子のティフォを見ていない。
「だから、良い所を見せて仕事をさっさと片付けちゃえば、思いっきり構って貰えるんじゃないかっていう感じで、押し掛ける様にパニアに付いて来たっぽいよ」
〈モテモテだね、ティフォは何処でもさ〉
「なんでトゲトゲしくなってんだよ。大丈夫だって、何時かはうさぎ達をもふれる時がくるだろうからさ、そう拗ねるなって」
自分は常に小動物達に好かれるからって、気楽に言ってくれるね。
未だに僕が近付くと、うさぎさん達が一斉に警戒態勢になるっているのにさ。
何時か大型でもふもふした子を仲間にしてやるからな、その時は絶対にティフォに僕が味わった気持ちを嫌という程に分からせてやる。
「お~い、遅れて悪い。話は聞いたぜ~」
「すみません、ちょっとお客さんの相手をしていて遅れました」
〈いえいえ、すぐに来てくれてありがとうございます〉
お互いに挨拶を済ませて、すぐに明日からの客引きや、料理の方法などの話し合いを始める。先ずは、調理法の演舞と調理本の販売から教師まで、細かく決めていく。
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