【オンライン】閑話:年末年始の休息
大晦日という事で、今日から二、三日は休息という感じでゆったり過ごしている。
「ティフォ~、ここすっごく気持ち良いよ~」
「お前は少しだらけ過ぎじゃないのか?」
〈そういうティフォだらしない格好してるよ〉
ホームの増築が終わり、畑や倉庫の大きさが倍になった。
掘立小屋だったボロボロの見た目は、綺麗な外装に変わっていてレンガなんかも使われている。建物自体も大きくなり、小屋というよりもちょっとした別宅みたいに見える。
ウサギさん達の休眠スペースも完備してあり、彼ら用の調理台と食事処まで作らていた。畑の野菜を収納して置ける納屋もセット隣にくっ付いている。
〈こういう時に、ズナミ達とはしっかりと親睦を深めておかないといけないんだから、それなりに僕等は忙しいんだよ〉
グランスコートにとってズナミとの関係が今後はかなり大事になってしまったから、好感度が上げられるような特別な日には、しっかりと関係の構築をしておかないといけない。
ミスユ団長達はズナミを通して間接的な関係で僕に従ってくれている形なんだから、下手な事をしてズナミ達と敵対関係になる訳にはいかないのだ。
「確かに新年の挨拶回りはしないとな」
「小さなことからコツコツとだね」
〈何か失敗をしたとしても、信頼関係が築かれていればある程度は大丈夫だしね〉
まぁこんな日にまったりゲームをしているのは、家に居てもやる事がないからなんだけどね。外は寒いし、何処かに行くとなると……絶対にお母さんや、小鳥ちゃん達が絶対に付いて来てしまう。
しかもだ、そのお買い物では必ずと言って良いほどに服屋だったり、美容関係のお店だったりするもんだから、朝に出掛けると帰ってくるは早くても日が落ちる時間帯になる。
「新築だから大掃除も要らないしなぁ。何もしないのもつまらないし、中央都市でもぶらつきながら、お正月の雰囲気を楽しみますかね」
「どっちの意味でも新築だからね~。ガウっちに双子姉妹達は家の事で忙しいみたいだけどね。お金持ちも大変だぁねぇ~」
〈エーコーさんの分と、ズナミとミスユ団長達、ボウガさん達にも用意してあげないとね〉
そんな感じで無駄話をしていると、部屋の隅で青白い光が集まりだした。
「や~っとバージョンアップが終わったよ」
スズメちゃんがログインしてきた。彼女は自分の部屋でもズィミウルギアが出来るようにと色々と設備を揃えて、ず~っと初期動作のバージョンアップで遅れていた。
〈さて、揃った事だし早く行こう〉
「分かったから服を引っ張るな。お前それ癖になってねぇか」
〈しょうがないじゃん、気付いて貰えるのはコレが一番早いし楽なんだから〉
それにティフォの服は引っ張り易い服装だから、余計に掴んでしまうのだ。
ガウなんかは鎧を纏ったりしているので、掴める場所が全然無いのである。
出来てコンコンと音を鳴らして気付いて貰うしかない。
グランスコートでは質素な感じで、年末年始の飾りつけが飾ってある程度だった。
「余裕があれば、神社とかお寺も作ってあげないとだね」
〈そうだね。そうすればもうちょっとお祭りムードっぽくなるだろうね〉
そういう施設は確かに建設してなかったなと、シュネーの言葉を聞いて思い出した。
「流石は中央都市って感じで、こっちは至る所でお祭りムードね」
「おみくじまで出している人居るぞ。アレ全部作ったのかよ。凄いな」
〈巫女服も自分で作ったのかな〉
「もしかしたらケリアんが作ったのかもよ」
それは、確かにあり得るね。
〈ここって小豆みたいなモノってあるのかな?〉
「あると思うぞ、ほら喫茶店にアイスパフェが置いてあったくらいだしよ」
「無かったならなかったで、おせちでも作って皆で盛り上がれば良いじゃない」
案外、エーコーさんに聞いた方が早かったのかもしれない。
結局、僕等だけでは食材を探せず、中央都市の飾りやら神社によって初詣気分を味わい、ホームに帰ってから、買えた食材でおせちを作り、トワちゃん達にも手伝ってもらいながら、エーコーさんや、ズナミ達を呼んでおせち料理を振る舞った。
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