【オンライン】297話:勝負と試合と勝敗の価値(7)
〈はぁ、今回は良いけど……後々に面倒な関係になりそう〉
「なにをブツブツ言ってるのスノー?」
〈いや、別に今は考えないで良い事だから気にしないで〉
「すっごく気になるんだな」
〈ん~、妖怪達とズナミ達が上手く纏まるとね、内的には盤石になるんだけどさ、都市国家との関係は若干、悪くなるかもなって。杞憂に終わってくれれば良いんだけどね〉
ズナミの反応からしても深刻に考える必要はなさそうではあるけど、頭の片隅にでも覚えて置く程度で良いのかもしれない。
「都市国家の情報は殆ど得られていないでござるからな、警戒はしておくに越した事はないんだな」
あの渓谷地帯にある鬼達の里とは良好な関係を築けてはいるが、頻繁に交流がある訳でも時間を掛けた関係性でも無いから、ちょっとしたことですぐに関係性が悪化してしまう恐れは考えておかないと不味いだろう。
〈パフォーマンスの出来はどんな感じ? 妖怪達や鬼の皆がフォローに入る事になってるけど、遊びながら、魔法の修行みたいなことをするんだから、教える人も居ないとだよね〉
何人かはグランスコートで雇った教師達にお願いしている。
大人数を教える練習としても、今回のイベントミッションは丁度良い機会だから利用しようと思ったのだ。この世界では、日本の学校みたいにしっかりとした設備が用意されている訳でもなければ、知識がある訳でも無し。基本は貴族階級の人達が一対一で教える事が支流なのだ。
大人数を一度に教える事に不慣れでは、今後の発展にも支障が出る可能性が高かったけど、このイベントで遊びながら学べるとして、取り入れてもらった。
これで少しはやり易くなるだろう。
色々な職種の初歩を遊びという形で、其々が演舞で披露したり、説明しながらお客さん自身に興味があるモノを選び、一緒になってやってみるという感じの流れになっている。
コレだけなら舞台設置だけで済むし、基本は青空教室みたいなノリで牧場の何処でも、誰がやっていても楽しく遊べるだろう。
「フー先輩が危なくないよう、派手なのは防壁の仕切りがある部分でやってもらう」
「エーコーさんに少し協力してもらって、湖の空間を貸して貰える手筈も整えてあるんだな。波乗りやら、水遊びなんかはそっちで出来るでござるよ」
「役割分担やら休憩なんかのシフトはスズメっち達が組んでくれるってさ」
同時進行で資料を作りながらになっちゃっている。
なんとか人の手を借りて順調に準備が整いつつあるけど。
〈他のプレイヤーさん達にも色々と協力して貰ってるけど……良いのかな? 僕等じゃあ返せるモノがそんなに無いんだけど〉
「それなら心配いらないんだな。手伝ってくれる人達だってメリットがあるから手伝ってくれているのでござるよ」
職業勧誘やら、クランの勧誘目的があるらしい。
人が集まる場所で、魅了出来れば自分達にとっても美味しいという感じだそうだ。
その為、各所に大きな舞台を一つは必ず用意してあるのだが、小さめの好きに使える舞台もニ、三ヶ所に設置している。
そこで演劇をしようが、料理の実演販売をしようが好きに使って良い。
僕等は基本的に色々な場所を提供する形になっている。
ギャザラーさん達なんかは、上手く繋がりを作れる機会だと大盛り上がりで色々と考えているらしい。
NPC達とも積極的に絡んでいけるので、屋台通りなんかも作ってある。
そこでお眼鏡に叶えば、グランスコートにとても立派な収入源としてサポートを得られる。
文化祭で言えば、難しい所は大人である先生達に丸投げした形になって申し訳ないけど、お互いに利益になるという事で構わないそうだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます