【オンライン】241話:ハロウィンの準備(6)




「これでサーカス通りは完成だな」

〈完成って言うか、僕達が出来る事は無くなったかな〉


 イベント準備期間の今ならば、特別指定区域内で店舗を建てても良い範囲を指定してあげると、村人やプレイヤーが出店や屋台を設置して、その場所で自由にお店を出せる。


 露店を開けば良いと思うかもしれないが、外のフィールドでお店をやるには、モンスターに襲われるリスクが伴う。


 簡単に説明すると、ノーアクティブモンスターでも、売り物を狙って襲ってきたり。

 匂いに釣らて集まって来る事もある。武器などでは、知性の高いモンスターが集まるって、襲撃を受けた事もあるそうだ。盗賊やゴブリンの中級以上のモンスターが集まるらしい。


 そこで僕等が設置した場所には、加護の守り結界が張られる。

 安全で、何も気にせずにお店を出せるという。


「後はケリアっちに任せれば良いんだよね?」


 シュネーが一段落という感じで、ちょっとダラケタ姿で寝ころび休憩しながら聞く。


「そうでござるな、村の方では今頃、その手の話し合いをしているでござろう」


〈僕がメールを送っておくよ〉


 サーカステントを設置する場所と、その周りの情報を乗せてメールを送る。


「プレイヤー達なら鬼達と隣同士でも仲良くやれるよな? ケリアさんや前回のイベントで手伝ってくれてたプレイヤーさん達に村人達との橋渡し役をお願い出来ないか?」


〈なるほどね、それも伝えておいた方が良さそうだね〉


 少し遅れての連投だけど。

 伝えておいた方が良い事だし追伸としてもう一通のメールをケリアさんに向けて送った。


「それじゃあ、私達もイベントに向けて準備しよう」

「賛成? ふふ、期待しててね」

「ムーン……お願いだから楽しそうにするならもうちょっと含みの無い笑い方にして」

「む~、私は普通だと思うな?」


「含み笑いが癖になってるんじゃないの? 案外、隠し事が苦手なタイプよねムーンてさ」


 何だかんだ、双子ちゃんとスズメちゃんは仲良くなった気がする。

 あんまり組んで悪巧みとかはして欲しくないタイプだけどね。


 バランスが取れてて怖いんだよ。企画からセッティングまでサクラちゃんは優秀だし、状況を見ての搦手が得意そうなムーンちゃん。上手く相手を誘導したり、事前の情報集めが得意なスズメちゃんと……敵にしたらかなり、厄介そうだ。


〈それじゃあ、僕達は村を見回ってみようか〉


「そうでござるな、実際に話し合いをしながらの方が何かと都合が良さそうなんだな」


「露店をしていた、三人のプレイヤーさん達にも色々と助言とかお店についての事を聞いておきたいしな。それに、妖精やエーコーさん達がどう出るかも気になるし」


〈そういえばそうだね。すっかり頭から抜け落ちてたよ〉


 エーコーさんは絶対にこういうイベントに絡んできそうだもんね。


 悪い意味でも、良い意味でも。


 まぁ、盛り上げてくれることは間違いないと思うけど。下手に暴走されると後始末が全て僕等の方に皺寄せが来そうで怖い。


 カミルさんやフー先輩という、ちょっとした爆弾を今回は抱え込んでいる事も含めて、早めに連絡を取り合って、何をするのかは聞いておこう。




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