【オン90】イベント騒ぎは大騒ぎ
やっと解放されてホームに戻ってくる。
妙にウキウキしているケリアさんいた。
「どうだった、作って貰えそうかしら?」
それが聞きたかったのか、新しい素材が出来れば作品の幅も広がるからね。
『ボウガさんも職人だよ。タムさんに負けず劣らずな』
職人っていうのはああいう感じの人が多そうだし。
「期待してる割に皆さんは颯爽と逃げたと思うんだけど?」
シュネーがジト目で皆を睨みながら言う。
オレもその言葉に何度も頷きながら皆の顔をジト~っと見つめてやる。
皆が一斉にオレ達から視線を一生懸命に逸らすが、それを許すことはない。
シュネーと協力して一人一人に粘着するように近付いた。
更にプレッシャーを与えていく。
「ちょっと、その~、あの迫力には捕まりたくなかったのよ。そ、その代わりに綿花みたいな植物は探しておくから、許してちょうだい」
「情報は色々と集めておくんだな。だからそんな目で見ないでほしいんだな」
綿花みたいなモンスターが居そうだけど、どっちでも良いのかな? ボウガさんのモンスターが洗浄は出来るだろうし。
まずは綿花があればって話になっちゃうけど。
この辺りに住んでる人で誰か居ないのかな? イーゴさんに聞くか……トワちゃんに聞く方が正確な情報を得られるかもしれない。
「いや、俺はほら、遠くでちゃんと待ってただろう」
絡まれないギリギリの間合いをとって、オレ達を見守ってくれていたらしい。
そのセリフを言った瞬間にひざ元にいたスパイクが、なんとも言えない目でティフォを見ていたのをオレは見逃さなかった。
オレが見ていたのに気付いたスパイク。
慌てて視線を見られないように目を瞑って気付かないふりをし始めた。
『でも探すって事は、今まではどうやって糸を手に入れてたの?』
「羊の毛っていう山羊のモンスターかスパイダー系のモンスターが落とす、ドロップアイテムを錬金術で加工して作って貰ってたのよ」
「錬金術って便利なんだな」
「便利でござるが、そこまでになるには結構に大変なんだな。最低限の質が良い錬金釜を手に入れ、合成アイテムを一から試していかないとならないでござる」
『一から? レシピみたいのは無いの?』
「料理もそうだけど【ズィミウルギア】の世界でレシピっていうのは貴重な財産。リアルだとネットで調べれば出てくる様なモノなんかも含めてね。実際にはそれって見つけた人が有する事が出来る技術って財産なのよ。忘れがちになっちゃう」
そう言うのを知る為に手を尽くすのも、楽しみの一つという事なんだろうな。
情報屋って商売が成り立つ理由もその辺にあるんだろう。
将来的に発展していくと情報戦で戦うって事にならないだろうな。
密偵なんかも自分達で育てていかなきゃならなくなったら、相当に面倒だぞ。
……今は先の事を考えてもしょうがないか。
『トワちゃんの所に行って、ここに住むモンスターの情報でも聞きに行こうか』
「植物系か羊みたいなモンスターでも探すの?」
シュネーが首を傾げながら聞いて来たので、オレは頷いて答える。
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